インテル100歳!
3月9日、インテルが100歳を迎えました。
完璧な讃歌とも言うべき祭典が公式に催されたのですが、
このチームのスピリットと矛盾を忠実に反映し、
「Pazza Inter」(クレイジー・インテル)とも言われる
クレイジーぶりが、後日に起きた事件にも
遺憾なく発揮されたのでした。
インテルは、1908年3月9日に、
ACミランに反対する数社によって設立されました。
その事情は、こうです。
当時、ACミランは
外国人選手をプレイさせないと決めました。
チームに多くのスイス人がいたのですが。
そのことに反対する数社が別のチームをたちあげ、
「インテルナツィオナーレ」(国際的な)と名付けました。
すでにイタリアサッカーの一部分を担っていた、
多くの外国人選手らを際だたせるための命名です。
この名前が後に「インテル」と短縮されて、
今日に至ります。
インテルナツィオナーレ誕生の100年後、
インテルは、最初の1世紀を祝う祭典を
彼らのやり方で祝いました、つまり
「クレイジー」なやり方で。
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ハリウッドのミュージカルなみの演出! |
初めは祭典で始まったお祝いでしたが、
そのあとインテルは大騒動を起こしました。
祭典は完全無欠な構成で、
その色彩、照明、音楽で、
まるでハリウッドのミュージカルのようですらありました。
この100年間に自国の選手らをインテルに与えた
すべての国々の国旗の色があふれ、
インテルのホームであるサン・シーロ競技場は、
その夜もまた、ここでしか見られない
照明のスペクタクルを展開し、
そして最後には、とんでもなく素晴らしい
カンツォーネの数々が用意されていました。
終わりも近いころに、イタリアでもっとも有名な歌手が
サン・シーロ競技場のグラウンドに下り立ちました。
アドリアーノ・チェレンターノです。
彼は「il molleggiato」(バネ仕掛け男)とも呼ばれます。
彼のデビュー当時、まるで脚のかわりに
バネがついているような動きをしたことから、
こう呼ばれるようになりました。
彼は1958年撮影の映画「甘い生活」に、
自分自身の役で出演しています。
映画の中でとりあげられるくらい、
当時すでに歌手としてスターだったということですね。
現在70歳のチェレンターノは、
8万人の観衆の前で歌を披露し、
それからマッシモ・モラッティと一緒に、
もう1曲歌いました。
祭典はこれ以上ない大成功でした。
しかしその2日後に、大騒動が起りました。
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モラッティとマンチーニ、大げんか! |
チャンピオンズ・リーグに戻ったインテルでしたが、
すでにイギリスで2対0で負けたインテルに
挽回の望みはありませんでした。
それでもインテルは対リヴァプール戦に挑みました。
そして、またもや負けましたが、
試合を見終わった観衆は、
全力を尽くした選手たちに拍手を送りました。
とはいえ、負けは負けです。
試合の直後に、モラッティ会長とマンチーニ監督の
喧嘩が勃発しました。
更衣室で、モラッティはマンチーニに
「試合に負けたのはキミの責任だ。
最初からフィーゴを出さなかったからだ」
と言いました。
侮辱的な言葉が飛びかったらしく、
マンチーニは記者会見に出てこう言い放ちました。
「この2ヶ月のうちに、今シーズンの終わりに、
私はインテルを離れ、イタリアを出て行くだろう」
この発言に誰もがひっくり返りました。
というのも、年俸600万ユーロでの
マンチーニとインテルの契約は、
2012年まで続くことになっているからです。
それとともにインテルのティフォーゾたちは、
大きな不安に陥りました。
モラッティとマンチーニの言い争いが熱いのは
いつもの事ではありますが、
その翌日、ふたりは長時間話し合って、
それぞれの声明を出しました。
まずモラッティが、
マンチーニは2012年までインテルに残ると言い、
そのマンチーニは、来季のチャンピオンズ・リーグでは
インテルを勝たせるために全力を尽くすと言いながら、
許しを願いました。
一件落着かに見えますが、
これは、まだ今シーズンのスクデットを勝ち取るという
宿題が残っている今、大きな混乱を避けるために、
双方が合意して声明を出しただけと思われます。
真実はと言えば、6月にはマンチーニは本当に、
たぶんイギリスのチェルシーに移り、
代わりにインテルにはモリーニョが来るらしいのです。
たぶん、あくまでも「たぶん」です。
何をしでかすか分からないのがインテルですから。
そうでなければ
「クレイジー・インテル」とは呼ばれません。
訳者のひとこと |
このふたりでなくとも、
イタリア人の喧嘩はド派手です。
いや、喧嘩でなくとも‥‥
私が最初にイタリアに着いた時、
あちらこちらで喧嘩をしているのかと思ったほどです。
身ぶり手ぶりも大きいですからね。
それが普通の会話だと知って、
二度びっくりでした。 |
翻訳/イラスト=酒井うらら |
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