2015年、ミラノ万博に向けて。
Expo 2015、つまり「万国博覧会」が
イタリアで開催されことになりました。
ライバル候補地のトルコのイズミールに
辛くも勝利したのは、ぼくの住むミラノです。
そう、2015年は「ミラノ万博」の年になるのです。
ミラノが掲げたテーマは
「地球を養う、生活のためのエネルギー」というものです。
Expo 2015の開催までに、あと7年。
この間にミラノは、
まるで宮廷大舞踏会に招かれた王子や王女のように、
ドレスを新しく作り直そうとしています。
とはいうものの、ミラノの街は
2000年以上の歴史を持っていますから、
歴史的な街を壊してモダンな場所にするということは
あり得ません。
望まれるのは過去と未来の共存であり、
少なくもExpo開催中の1年の間のミラノを、
世界の首都にふさわしい街にしなければなりません。
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目が回りそうな巨額が‥‥! |
イズミールを打ち負かすのは簡単ではありませんでした。
しかし、イタリア政府と、
インテルのマッシモ・モラッティの弟ジャンマルコの妻で
ミラノ市長のレティツィア・モラッティは、
あの有名な京都議定書に着想し、
環境に狙いを大きく定めることで、
この競争に勝利しました。
京都議定書は、残念ながら
日に日に遵守されなくなっておりますが。
さて、ミラノ郊外には、
衛星都市が築かれるでしょう。
ミラノの街は、交通渋滞や工業によるスモッグなどに
空気が汚染されており、ここ10年間ほどで
世界で最も汚染されている
街のひとつになってしまいました。
ですから新しく築かれる衛星都市作りでは、
草や木々や水や清潔な空気が優先されるでしょう。
ミラノのこの大仕事については、
200億ユーロを越える投資、
2900万人を上回る来訪者、
その上に少なくも440億ユーロの売り上げが
予想されています。
Expo 2015の開催予定地はローとペーロの街の間の、
170万平方メートルの地域です。
Expoのおかげで
約7万の職場が生まれるだろうと言われています。
Expo開催の数々の恩恵は、
あらゆる場にもたらされることでしょう。
特にホテル、旅行部門では
25%ほどの増収が見込まれており、
これに、不動産部門15.1%、建設部門13.5%が続きます。
しかし総合的な価値としての商業的総売上としては、
より大きな収益が期待されています。
総売上が145億ユーロ、製造業が約120億ユーロ、
この催しのサービス業が80億ユーロ超、
建築が約40億ユーロ、不動産業が35億ユーロ、
などの増収が試算されています。
多くの金銭が、イタリア全土、特に観光業では
ミラノ以外の都市にも波及するでしょう。
ミラノの商工会議所研究室は、
ローマ5億4000万ユーロ、
ヴェネツィア4億2100万ユーロ、
フィレンツェ2億2300万ユーロ、
ナポリ1億1400ユーロの収入を見積もっています。
Expo会場の建築物は前衛的なものになると思われます。
Expo 2015のシンボルは、
200メートルを越えるタワーが予定されていますから。
ローマ人たちがミラノを築いてから
2000年を超える時間が流れたことを、
思わされます。
訳者のひとこと |
日本では2016年オリンピック東京招致が
企てられているわけですが、
全世界的な格差社会において、
万博や、あまりに商業化されたオリンピックに
反対の立場をとる人も少なくないようです。
算数は大の苦手な私ですので、
ここに出て来るような単位の数字には、
しばしボーゼンといたしました。
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翻訳/イラスト=酒井うらら |
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