みなさん、新年おめでとうございます。
みなさんと、みなさんの大切な方たちにとって、
素敵な2009年でありますように。
イタリアの2008年は、
いつも通りお祝いの大騒ぎで終わり、
2009年のはじまりは、ミラノが、
いや、イタリア全土おしなべて、
なんと大雪にみまわれました。
最初はみんな大喜びで楽しみましたが、
そのうちにうんざりするほど降りましたよ。
さて、話を年末にもどしますが、
ナターレ(クリスマス)の数日前に、
ぼくは、リビングにクリスマスツリーと、
それから典型的なイタリアの伝統である
プレゼーペを用意しました。
プレゼーペとはイエス・キリスト降誕の場面を
模型で作ったクリスマス飾りの一種です。
彼の両親であるヨセフとマリア、
牛、ロバなどの家畜たちが
生まれたばかりの赤ちゃんイエスを、
まるでその息で暖めているように取り囲む、
そんな情景を再現しています。
そう、イエス・キリストは馬小屋で生まれ、
飼い葉桶が最初の揺りかごだったと
言われてますからね。
クリスマスショッピングのころには、
特にモンテナポレオーネ通り、マンゾーニ通り、
それからスピーガ通りに囲まれる
有名なファッションの三角地帯は、
各地からミラノに来たVIPたちで大にぎわいでした。
しかも昨年のクリスマスには、
ベッカムとヴィットリア夫人がミラノにいましたから、
彼らが買い物をしているというので、
あのあたりの通りは野次馬で大混雑状態でした。
彼らはドルチェ&ガッバーナだけでも、
15万ユーロ以上も買い物をしたそうです。
すでに大変リッチなクローゼットを、
さらにリッチにしたというわけですね。
それからベッカム夫妻はACミランと共に、
親善試合のために暑いドバイへ飛び、
そこで新年を待ちました。
親善試合のチケットは完売。
ドバイのお金持ちたちはみんな、
ベッカムの赤黒シャツでのデビュー戦を
見逃したくなかったのですね。
さて、年末年始のバカンスに
暖かい場所へ行けなかった人々は、
ミラノで我慢しなければなりませんでした。
世界を襲った経済危機のせいで、
トロピカルな海辺で新年を迎えることを
断念した人が、今年はたくさんいます、
昨年はリゾート旅行がブームだったのですが。
そしてそんなミラノに、
新年と一緒に雪までやってきたわけです。
雪は静かに降り積もります。
そして、いつものようにロマンティックに、
道や木や屋根などミラノの全てを白銀に塗りつくし、
この街を幻想的な世界に変えました。
イタリアでは1月6日は、
子どもたちのために作られた伝説の、
ベファーナの祝日です。
ベファーナは、まるでハリー・ポッターのように
箒にまたがって空を飛ぶ魔女です。
でも彼女は怪しい魔女ではありません。
聖書には、生まれたばかりのイエスに
東方の三博士が贈り物を持って来たと、
書かれていますが、
イタリアの庶民の間では千年以上も前から、
このベファーナが三博士の代わりを勤めています。
ベファーナは12月24日ではなく
1月5日と6日の間の夜にやってきて、
大きな靴下の中にプレゼントを入れてくれます。
良い子にはお菓子とオモチャ、
良い子にしていなかった子には石炭を。
ぼくも(もちろん、いまでも)6日の朝には、
ベファーナがぼくにもプレゼントを
持って来たかなとワクワクしながら目覚めます。
おとぎ話を信じるって、
いくつになっても素敵でしょ?
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プレゼント入りの靴下は見つかりませんでしたが、
前の家の屋根や道路が真っ白になっているのを見たとき、
この素晴らしい雪が一晩中休むことなく
朝まで降り積もったことが、
ベファーナからのプレゼントだったのだと、
ぼくは気づきました。
ぼくは道に下りて、子どもみたいに遊びました。
雪を踏みならし、けちらし、
写真もいっぱい撮りました。
やがて春の太陽が輝き、
暑い夏がくるでしょう。
そのころには、この大雪は
どこかへ吹き飛んでしまいますから、
良い思い出としてとっておきたいのです。
その写真の何枚かを、
ぼくはFacebookサイトにアップしました。
そこにはフランコ・ロッシのファンクラブが3つもあり、
ファンの一人の絵描きさんから、
写真の一枚を絵に描きたいという
申し出をいただきました。
もちろん、ぼくは大喜び。
だって、その写真には雪の白と、赤と緑、
イタリア国旗の3色が揃い踏みしてますからね。
2008年の年末も素敵でしたが、
2009の年明けは、とてもとても素敵でした。
今年の12月31日まで、
ポジティヴな一年でありますように。
ぼくにとっても、みなさんにとっても。
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