── | お疲れ様でした。 |
持田 | はい、お疲れ様でした。 |
藤 | お疲れ様です。 |
持田 | 私たち、どれくらいお店にいました? 1時間くらい? |
藤 | いや、もっと。2、3時間? |
持田 | ええ〜? すみません、そんなに、 ありがとうございました。 |
藤 | いえ、選べてよかったです。 |
持田 | 3本になっちゃいましたが(笑)。 |
藤 | そうですね、 でも長くつきあえる確かなものですから。 |
持田 | もうね、一生たいせつにします。 |
藤 | はい(笑)。 |
持田 | あの、さっそくなんですが、 藤さんに質問をいいですか。 |
藤 | なんでしょう。 |
持田 | 眼鏡スタイリストって、 私はじめて聞いたお仕事なんですけど、 やっぱり昔からめがねが好きだったんですか? |
藤 | そもそもめがねを好きになったきっかけは、 高校生くらいのときなんです。 私、「雰囲気のある女になりたい」と思ってて。 |
持田 | えー! 雰囲気のある女に? おもしろい高校生ですね(笑)。 |
藤 | ヨーロッパのめがねを取り扱う セレクトショップで、 生まれて初めての1本を手にしたんです。 それをかけてみたら‥‥ ぱーっと、こう、 自分の雰囲気が変わるのがわかって。 「めがね1個でこんなに!」と。 |
持田 | へえええー。 |
藤 | 雰囲気をつくるのってすごい難しいし 時間がかかるけど、 1個つけるだけでこんなに変わるって、 すごいアイテムだなと思ったんです。 |
持田 | これで雰囲気のある女になれるかも?って。 |
藤 | そうですね(笑)、それからですね。 |
── | 持田さんも、きょうはそれを体験したのでは? |
持田 | しましたよお。 あんなに変わるんですね、おもしろかったです。 |
藤 | 持田さん、視力は悪くないんですよね。 |
持田 | もともと悪かったんですけど、 2年くらい前にレーシックを受けたんです。 |
藤 | じゃあ、昔はめがねを? |
持田 | 中学高校はめがねで、 あとはずっとコンタクトでした。 |
── | レーシックで視力がよくなったのに、 なぜ、めがねをかけたくなったんでしょう? |
持田 | それはやっぱり、 藤さんみたいにめがねをかけてる人に会って、 それがすごく似合ってて、しっくりきてて。 素敵だなーと思って。 |
── | なるほど。 |
持田 | でも自分でめがね屋さんに行って試しても‥‥。 とにかく、 めがねが似合わない顔だと思ってたんですよ。 |
藤 | 最初に電話でお話ししたときも それ、おっしゃってましたね。 |
持田 | フレームがちょっと大きいほうが かけやすいと思ってたんです。 でも、さっき藤さんが選んでくれたのは、 別にそんなことなかったですよね。 |
藤 | そうですね、一概には言えませんが、 持田さんの場合、むしろ逆かもしれません。 |
持田 | ところが私はいつも大きいのを選んじゃうから、 めがね屋さんに行ってもちっとも楽しくない。 |
── | それがきょうは‥‥。 |
持田 | 藤さんがすすめてくれたのは、 別に大きいめがねじゃないんだけど、 かけてみたら「あ、なんだ」みたいな。 「意外と大丈夫じゃん」っていう(笑)。 大丈夫どころかどんどん楽しくなってきて。 ‥‥なぜ、あんなにたのしくできるんですか? |
藤 | ええと(笑)、きょうの取材がはじまって、 最初におすすめしたのは、 私がしてるのと同じものでしたよね? |
持田 | そうそう。藤さんといっしょ。 |
藤 | 持田さんが、 「あ、いっしょ」という顔をされたので、 じゃあ、そこから入ろうと思ったんです。 まずは入り口が大事なので。 あとは私が強くすすめるよりも、 持田さんが興味を示す方向をみて、 「じゃあ、これはどうですか?」という感じで。 興味をもってもらうのがいちばんなんです。 |
持田 | そうかあ、すすめられてると思ってたけど、 実は私次第だったりもしたんですね。 |
藤 | そう(笑)。 でも今回、このお話をいただいたときに、 ちょっとだけブランドからピックアップして、 別店舗からあのお店に持ってきてたんです。 |
持田 | え? どういうことですか? ‥‥普段はあそこにないめがねを 藤さんが持ってきてたんですか? |
藤 | はい。ちょっとだけですが。 |
持田 | へえー。 ‥‥あ、もしかして、私が選んだのは。 |
藤 | 2本がそれでした。 |
持田 | ええーーー?! |
藤 | だから、よかったなと思って。 |
持田 | どれ? どれがそれですか? |
藤 | 緑のと、オレンジのです。 |
持田 | わー、なんだか、やられちゃった(笑)。 |
── | あれを持田さんが選びそうだと? |
藤 | そうですね。 |
持田 | なんでわかるんですか? |
藤 | うーん、なんででしょう(笑)。 多分、私の独特な選び方なんでしょうけど、 一応、いろんなめがねも今まで見てますし、 それぞれのめがねの活かしかたは、 自分の中でわかっているつもりなんですね。 それと、持田さんのイメージ。 2回くらいお会いしたときの印象と、 テレビとかでの印象とか、 それが頭の中で合わさって、 すすめたいめがねが 何本かピックアップされるんです。 つまり、まあ、感覚です。 |
持田 | じゃ、理屈ではないんですか。 |
藤 | なんかその‥‥ 変わりすぎるものは選ばないだろう、 というのは思ってました。 |
持田 | うん、うん。 |
藤 | たとえば私がかけているのと同じめがねは、 すごく似合っていたけど、 いきなりここにはいかないだろうなって。 |
持田 | 読まれてる(笑)。 |
藤 | 今回選ばれた3本は、 わりと定番のものなんです。 でもすべてに、ほどよい独特な個性もある。 定番でありながら、おもしろい。 持田さんはきっとそのあたりの感じに 興味を示しそう、というのはありました。 |
持田 | コミュニケーションを想像してるんですね。 |
藤 | そうですね。 ですから人によって、これは変わります。 1本目からおもしろいのをバーっと見せる人と、 定番から入って急におもしろいのすすめたり。 相手の性格によって変えますね。 |
── | 「眼鏡スタイリストさんってどんなお仕事?」 って、今日はワクワクしてきたんですけど、 いやー、すごい! めがねのスタイリストさんって、すごい! |
(つづく)
2009-07-13-MON