── 今日かけてみためがねは、
だいたい大丈夫な感じでした?
持田 大丈夫というと?
── 恥ずかしい、みたいなことは。
持田 あ、大丈夫でしたよ、ぜんぜん。
── 昆虫みたいなのもありましたが。
(笑)
持田 まゆ毛が4本になるやつ(笑)。
あれなら外を歩いても
誰にもバレないかもしれませんね(笑)。
持田 逆にみんなが見るでしょう!
バレたときが、ややこしいです(笑)。
たしかに(笑)。
持田 でも、たのしかったです。
ああいうめがねがあるんだって
知ることもできましたし。
貴重な体験。
けっこう売れているデザインなんですよ。
持田 そうなんですか、すごいなあ。
深いなあ、めがねの世界。
── ああいうふうに楽しませるのは、
やっぱり大事ですか?
だと思います。
特にめがねに対して抵抗があるような人には
まず楽しみを教えてさしあげないと。
心を開いてもらうために、
わざと遊ぶことはよくしていますね。
持田 ふざけてヘンテコなめがねをかけることは
冗談としてやったりするじゃないですか。
でもそれとは感じが違いますよね?
なんなんでしょう? あの感じ。
それはたぶん、
私たちがお見せするおもしろいめがねは、
「洗練されたおもしろいもの」
だからだと思います。
持田 そうか、それですね。
おもしろいめがねを見せるときに、
それが似合う人がちゃんといることや、
「こうやって使うとかわいくなるんです」
という提案もきちんとするので、
「ただのおもしろいめがね」
だけでは終わらないんでしょうね。
持田 なるほどねー、やっぱりすごい。
おもしろいとか、変わっているで言うと、
おすすめするときにはだいたい、
その人の「めがね観」の
半歩上のデザインをすすめるんです。
ちょっとおもしろいものを。
持田 半歩。
一歩だと、変わりすぎる。
でも半歩なら、案外ヒョイといけちゃう。
持田 今日は私も、半歩はいけた気がします。
藤さんのおかげなんですけど。
ちょっとだけ変わってるのをかけると、
周りからも評価が高くなりやすいんですよ。
今までと同じだったり、
ぴったり似合いすぎると、
なんというか‥‥
ホメられない。
持田 ぜんぜん気づかれなかったり‥‥。
それはむなしい。
どうせなら、ホメられたいです(笑)。
めがねって、人からホメられると、
どんどん好きになる可能性があるんです。
好きになれば、どんどんおしゃれになる。
── 「めがね観は、ホメられて伸びる」
これは、いいフレーズですね。
シンプルなめがねもいいんですけど、
せっかく新しくしても、
「お、かわいい」って、
言われにくかったりするでしょ?
持田 たしかに‥‥。
私、あの3つにしてよかった(笑)。
あれはね、ぜんぶホメられますよ。
── でも、「半歩上」というのを、
自分で見極めるのは難しそうですが‥‥。
持田 難しいですよね。
今日も藤さんがアドバイスしてくれたから、
あの3つを選べたわけだし。
ひとりで行ってたら、
ぜったい、ぶなんな黒にしてたと思う。
「半歩上」は見ない、
というか見方を知らないですよ。
── 一歩まちがえれば、
おもしろすぎるめがねを選ぶ危険も‥‥。
そうですね、
ですから基本的に、
まずはお店の人に相談してほしいんです。
客観的な目がないと、
自分では見極められませんから。
持田 客観的に。
相性のいい店員さんに巡り会えないときは、
デジカメを持っていくといいです。
気に入ったら、自分で撮る。
ともだちに撮ってもらってもいいですね。
そして、その場で撮った写真を見るんです。
小さな鏡をのぞいただけでは、
わからないんですよ。
持田 鏡は左右が逆になりますしね。
実際、今こうして撮った写真を見てるんですが、
鏡で見ていたときより違和感がないです。
それが周りから見える姿なんです。
ですから私はいつも
いっしょにめがねを選ぶかたには、
デジカメで撮った写真を
その場で見せてさしあげるようにしています。
持田 なるほどー。
あと、さっきは自然光の中で
写真を撮れたのもよかったですよね。
ええ、光を変えて見ることも大切です。
持田 とにかく、
小さな鏡だけじゃ、わからない。
もしも鏡を見て選ぶなら、
かならず全身が映る鏡で見てください。
持田 それ、ポイントですね。
顔だけを見る人はいないじゃないですか。
全体のバランスを見ないと、
似合っているかどうかはわからないんです。
持田 ちいさな鏡で見ているときって、
めがねしか入ってないんですよねー。
すこしでも客観的に見たいなら、
全身が映る鏡で、ということですね。
すごい勉強になる(笑)。

(つづきます)
2009-07-14-TUE
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