ウエンツ瑛士さんが鬼太郎役で演じて
話題を集めた映画版「ゲゲゲの鬼太郎」。
その監督を務めたのが本木克英さんです。
原作のファンを裏切ることなく忠実に
かつ独自の味付けも忘れない作品作りにより
かつての鬼太郎ファンから、いまの鬼太郎ファンまで
幅広い年齢層に受け入れられた作品でした。
その映画版「ゲゲゲの鬼太郎」も2008年7月に2作目
「ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」が公開となりました。
こちらはより一層「ゲゲゲの鬼太郎」の
ダークな一面が楽しめる作品となっております。
鬼太郎の宿敵、ぬらりひょん役は
先日お亡くなりになった緒形拳さんが演じ、
緒形さんの最後の映画作品となってしまいました。
鬼太郎とぬらりひょんの死闘は必見ですよ。
そんな「ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」ですが、
1月9日にDVDが発売となりました。
プレミアム・エディション/7980円(税込)
発売元/フジテレビジョン
スタンダード・エディション/3990円(税込)
発売元/フジテレビジョン
いろいろ細かいところまで
丁寧に作り込まれている作品ですので、
ご家庭でジックリ見られるのはうれしい限りです。
そういう部分も含めて本木監督の
「ゲゲゲの鬼太郎」に対する思い入れは
スゴイものがあったとか。
いろいろとお話をお聞きしました。
僕の小さいころの人格の一部は
「ゲゲゲの鬼太郎」の作者、水木しげるさんによって
成されたといっても過言ではないくらい大好きでした。
主人公ならキチンとしているのがふつうですが、
当時の鬼太郎は面倒くさがりで、
嫌々ねずみ男に引っ張られて事件に巻き込まれていくという
主人公にしては異例のキャラクターだったわけです。
そこにスゴく惹かれました。
あと、妖怪なのに怖くないという部分ですかね。
だからねずみ男とかも大好きでした。
映画化の話を聞いたときは
正直言って「うまくいくはずがない」と思いました。
「あの作品を実写化して、
僕らの思い出を壊さないでほしい」とまで
思ったほど、思い入れのある作品なんです。
だけど、いざ自分のところに監督の話が
舞い込んできたら話は別です。
「やっぱり、俺にしかできないだろう」、
「ほかの人にはやらせたくない。俺がやる!」
っていう気になっちゃって(笑)。
で、1作目は妖怪世界は人間世界よりも楽しいよ、という
誰もが知っているような「ゲゲゲの鬼太郎」の世界を。
2作目は逆に世界観を怪奇的にして
ダークな世界をそれぞれ描きましたね。
2作目はダークな世界にするためにも
鬼太郎と敵対するキャラクターが欲しかったんです。
それでぬらりひょんの登場となったわけです。
ぬらりひょんは緒形拳さんに演じていただいたきました。
惜しまれつつ亡くなってしまったのは
みなさんの記憶にも新しいはずです。
じつは撮影中も体調が優れないご様子でした。
でも、四六時中自分が読むセリフを紙に書いて
ずっと握っているような、役者魂に溢れる人。
それ以外はやらない、
それ以外は興味がないという感じです。
日本が誇る名俳優が亡くなってしまったことは、
とても悲しい出来事ですが、
いっしょにお仕事をさせていただいて、
僕にとって一生に残る思い出となりました。
なるほど、緒形さんの役者魂は
スゴイ気迫みたいなものを感じますね。
それにしても、ウエンツ瑛士さん、緒形拳さんなど
さまざまな方が妖怪に扮して登場しますが、
このキャスティングってどうやって決めたのでしょうか?
このお話をいただいたときに
ウエンツさんは鬼太郎役として決まっていましたね。
ほかの人選はプロデューサーと相談しながら
決定していきました。
ですが、自分から「出たい!」って
立候補される方も多いんですよ。
たとえば、蛇骨婆役の佐野史郎さんなんかは
「どうしても出たい!」って(笑)。
あとは1作目でそば屋のヘンテコ主人を
やっていただいた竹中直人さんも
「出たい!」と京都の撮影所に駆けつけてきました。
それにしても佐野さんの
鬼太郎への想いはすごかったんです。
たとえば、原作では鬼太郎の左目は髪の毛で隠れていて
見えないんですが、
実際は左の目玉は誕生して間もない頃に
墓石にぶつかって、ないんです。
1作目では、撮影の最初は原作に忠実に
左目に特殊メイクを施して演技をしてもらいました。
ですが、ウエンツくんも片方の目がふさがっていると、
距離感がつかめないし、
初めての役とアクションをやるうえで、
決定的なハンディを背負ってしまう。
本人はそれを言わず、頑張っていましたが、
どうも窮屈な感じの動きになってしまったんです。
それで思い切って特殊メイクをやめたんですよ。
だから、1作目は「左目のある鬼太郎」として
描かれているわけです。
それを観た佐野さんが
「あれはとても残念だった」と指摘してきましてね。
「でも、いい方法があります。監督、あの目は
義眼だったってことにしましょうよ」って(笑)。
だから、今回、義眼を装着するシーンを入れたんです。
あと、京極夏彦さんもほんのチョイ役で出てきます。
ヒントは濡れ女を封印するところです。
ぜひDVDを買って、
コマ送りで探してみてください(笑)。
本木監督、たのしいお話をありがとうございました。
「ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」のDVDは
絶賛発売中です。
プレミアム・エディションのDVDには
特典映像がなんと5時間57分も
収録されており、本編を楽しんだあともさらに
「ゲゲゲの鬼太郎」ワールドを楽しむことができます。
ぜひ、この機会に観てみてくださいね。 |