あのひとの本棚。
     
第23回 本木克英さんの本棚。
   
  テーマ 「映画化したくて果たせていない5冊」  
ゲストの近況はこちら
 
本を読んでいて「あ、これ映画化したいな」、
「映画化したら絶対におもしろくなるな」って
思うことけっこうあるんです。
でも、実現させるまでには当然いろいろな障壁があって
なかなか難しいんですね。
そういう状況のなかでも「いつか映画化したいな」と
思い続けている5冊を紹介します。
   
 
 

『隠し剣孤影抄』
藤沢周平

 

『禁色』
三島由紀夫

 

『名将大谷刑部』
南原幹雄

 

『七つの月』
シンシア・
カドハタ

 

『熱帯雨林の
彼方へ』
カレン・テイ・
ヤマシタ

 
           
 
   
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  『熱帯雨林の彼方へ』 カレン・テイ・ヤマシタ白水社/2650円(税込)(絶版)
 

この作品を書いたカレン・テイ・ヤマシタさんも
前回紹介した「七つの月」同様日系人の方です。
とっても変わった話で、
佐渡島で雷に打たれた少年の脇に高速で回転するボールが
つきまとい始めるんですよ。



いま「ん?」という顔をしましたね(笑)。
そうなんです、タイトルだけ聞くと
あまりファンタジーっぽく聞こえないんですけど
この作品はファンタジーなんですよ。
で、作品中はボールの視点で、
少年の冒険を見ていくんですけど、
冒険の先はアマゾンの奥地にある
究極の資源を探しに行くっていう内容なんです。
まぁ、言ってしまえば
わりと突拍子もないファンタジーですね。

その問題のボールなんですが、
ボールがずっとそばにいると、
少年は不思議な力を得るんです。
例えば電車に乗ったりしてると、
欠陥がある場所がわかっちゃうんですね。
だから鉄道会社に重宝されているんですが、
その力の存在を知った、欲望のある企業家や
政治家たちが利用しようとたくらんでいる。
それで紆余曲折あって、最後はブラジルはアマゾンに
人類を助ける究極の資源を探しに行くという
冒険ファンタジーです。
これ、絶対に見たことのない、突拍子もない
ファンタジックな冒険活劇になるなと思っているんです。
もとはソープオペラという、
連続メロドラマの形式で書かれていたものらしいのですが、
その技法もうまくとりいれれば、
脚本も新鮮な構成になるんじゃないですかね。
今回挙げた5冊のなかで
この作品がいちばん奇想天外ですね(笑)。



実はこれも昔、企画書にして
1度持ち込んだことがあるんです。
ダメだったんですが、
で、そのとき言われたのが
「ボールが主人公だなんて映像化できるわけない」
という言葉でした。
たしかにその時代では難しかったかもしれないけれど
こんなにコンピューターの技術が進んだ現在なら
まったく問題なく再現できるはずです。
いつの日か実現させたいと考えてます。

   
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  『七つの月』 シンシア・カドハタ講談社/1800円(税込)(絶版)
 

94年に1年間アメリカに留学しまして、
そのときの大学の英語の教材が
この本の原作「The Floating World」でした。
ニューヨークタイムズのブックレビューで
ものすごく高い評価を受けた本なんです。

教材だから嫌々読んでました(笑)。
でも内心、「これ映画になるなぁ」って思ってたんです。
帰国したあとずっと忘れてたんですけど、
映画監督をしながら
どうもこの作品のことが気になり始めて
ある日「これを映画化したい」って
周りに言ってみたんです。
そうしたら「The Floating World」は
「七つの月」というタイトルで
日本でも訳が出てたことがわかったんです‥‥。



原作者のシンシア・カドハタは
「きらきら」とか「草花と呼ばれた少女」という
作品も書いてる日系3世の40代の女性です。
この「七つの月」は日系人の家族の彷徨を描いていて
もう日本人が忘れてしまった、
もともと日本人が持っていた文化とか価値観、
庶民の生きかたなんかが随所に出てきます。
内容としては、貧しくて差別を受けながらも
職探しをするために、父親のおんぼろバンに乗って
アメリカの西海岸から中西部まで
家族が旅するというお話です。
唯一日本を知っているオバアちゃんの名言や、
両親の抱える孤独、荒野のガソリンスタンドで
実の父に会う幻想的なシーンなど、
愛情あふれるビターな描写に、僕は深い感銘を受けました。
悲劇をきわめてユーモア溢れる
すごく透明感のある文体で書いている。
読んでいてとても映像化しやすい印象を受けたわけです。

お話自体が旅の話だからロードムービーにも最適なんです。
イメージとしては、ビム・ベンダースの
「パリ・テキサス」のような感じのイメージで
できればいいかなと思ってます。

‥‥でも、僕が日本語訳のことを知ったとき
その本はすでに絶版でした。
映画の原作って売れてる本じゃないと
ダメな風潮がある。
それはわかってはいるんですけど、
そうじゃない映画の作りかたっていうのを
いつかはしたいなって常々思ってます。

じつは、これは原作者にも会って、
脚本も書いてもらったりしてるんです(笑)。
そのまま宙に浮いた状態になってるんで、
飲み屋で映画の話をし出すと、
よく話題に挙げる作品ですね。

   
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  『名将 大谷刑部』 南原幹雄新潮社/780円(税込)
 

これはね、そもそもなぜこの本を読んだのか
というところから話しましょうか。

ひょんなことから、ある省庁の事務次官と
仲よくなりましてね、
赤坂のリーズナブルなバーに飲みにいきました。
で、その方は時代小説が大好きで、映画の話になったときに
「映画化してほしい話があるんだ」といって
持ちかけられたのがこの「名将 大谷刑部」だったんです。
そこまで言うならじゃあ、というわけで読んでみました。
「たしかにこれはおもしろそうだ」と思ったわけです。

時代は関ヶ原の決戦のまえぐらい。
この大谷刑部という人物は官僚であり武将でもある、
作戦に長けている人。
誰もがみな手柄を立てたいからという理由で
武芸の腕を磨いていた時代に、
戦略を取り仕切っていたわけです。
その後、ある悲劇が起こってしまうのですが、
もしその悲劇がなければ関ヶ原の戦いにおいて
西軍の大将になっていただろうと言われているんですね。
武道派ではなく明らかに官僚派です。



非常にこころざしと理想が高いし、知性もある。
身を捨てて民のために尽くそうという意識を持った人です。
この本を薦めた事務次官は、これを読んで
「官僚というものはこうあるべき」とでも
思ったんじゃないですかね(笑)。
不治の病に犯されて非業の死を遂げることになるんですが、
ここに描かれているのは官僚のあるべき姿と同時に
この時代の男の生き様なんじゃないかなと思います。
時代劇というのはどちらかというと
武闘派武士たちの勝敗ばかり描かれがちなんですが、
この作品は、この時代の知将が何を考えていたのか、
どんな戦略を持って合戦に挑んでいたのかが
すごくよくわかるんです。

映画化にあたっての問題は物語の後半、
主人公が不治の病に蝕まれていくなかで、
顔にまで発症してしまい、覆面で隠すことになるんです。
ようは顔を全部覆面で隠すことになっちゃう(笑)。
ほとんどが覆面をかぶった状態で
お芝居をしなくちゃいけない。
演じる俳優さんにとってもマイナスだし、
なにより、映画っていうのは内面の悩みとかは、
人間の表情を見るから伝わってくるので、
覆面をかぶったままセリフを話されても
観ているほうは途中でイライラしてきて
飽きるんじゃないかなぁって思ってます(笑)。



じつは僕、3年くらいまえにテレビドラマで
「天下騒乱」っていう10時間の時代劇を撮ってるんです。
土井利勝っていう徳川政権下の官僚を描いたんですが、
そのとき「名将 大谷刑部」の映画化で実現したかった
武家社会の官僚を描きたいという想いは
少し解消されましたね。

え? 大谷刑部は誰が演じたらいいかですって?
そうだなぁ‥‥やっぱり渡辺謙さんですかね。
知性も感じられますし清潔感もある。
バッチリだと思いますよ。

   
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  『禁色』 三島由紀夫新潮社/780円(税込)
 

これは、女性に裏切られ続けた老作家が、
知り合った美青年を使って、自分を裏切ってきた女性に
復讐するっていうすごい話なんですよ(笑)。
しかも、その青年は同性愛者。
それで「禁色」なんですね。

映画化するにあたって
あんまり原作をストレートに受けてしまうと、
すごくドロドロの昼ドラみたいな
愛憎劇になっちゃう話かと思っています。
でも、じっさいは日本の貴族社会の一面を表していて、
映画の料理法によっては、ヴィスコンティの
「ベニスに死す」に近い芸術性の高いものになる
可能性を持った作品だと僕は考えてるんですね。

でも、なぜこんなに具体的に映画化の
お話ができるかと言いますと、これを見てください。



えぇ、ご覧のとおり脚本はすでにできてるんですよ。
この脚本の経緯を説明すると、
僕はもうかれこれ20年以上まえに
この「禁色」を読んでたんですね。
耽美的な世界がすばらしい日本語で
描かれているなぁとシミジミ思いながら、
ある種、自分の映画の教材として読んでいました。

と同時に、三島由紀夫さんと関係が深かった
有名なプロデューサーの方がいまして、
その方が僕が、草月流の家元でもあった勅使河原宏監督の
「利休」の助監督をしていたころを覚えていらして、
「ゲゲゲの鬼太郎」を撮っているときに、
京都まで訪ねていらっしゃったんです。
それで「勅使河原宏の弟子として、
これの映画化やってみないか?」と持ちかけられたのが
「禁色」なんですね。
しかも「いくつか脚本があるが、
その直しから始めてみないか?」と。

で、この脚本は2稿目です。
実現化に向けていろいろと動いていたんですが、
大きな障壁がありました。

この男色の美青年を引き受けてくれる俳優が
見つからなかった(笑)。
さきほど説明した内容のように、
けっこう壮絶なシーンがあるんですよ。
いろいろな方にオファーしましたが、
当然のごとく事務所が断ってきましたね。
ほかにもいくつか問題はあったとはいえ、
いちばん大きくネックだったのはそこでした。

でも、まだあきらめてはいません。
三島由紀夫ファンは多いし、なにより
自分でも企画としていいなと思ってます。
キャストのイメージはだいたいできてて
老作家のほうは山崎努さんに演じていただければ、
ベストですね。
あとは美青年のほうだけです。
イケメンブームでもあるし、
そういうイケメンの人で意欲がある人が、
体当たりのお芝居してくれれば‥‥。



だからこれはいつでも
映画化できると言っておきます。
いつの日か「あ、あれはあのときの」と
思ってもらえるようにしたいですね(笑)。

   
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  『隠し剣 弧影抄』 藤沢周平 文藝春秋/660円(税込)
 

その昔、僕は木下恵介監督という
「カルメン故郷に帰る」で日本初のカラー映画を撮った
巨匠の助監督をしていた時期がありまして、
ふたりでよく「あれを映画化したい、これを映画化したい」
という談義に花を咲かせてたんです。
そんななかで、監督が「大好きだ」と言っていた作品が
この「隠し剣 孤影抄」に収録されている
短編「女人剣さざ波」でした。
そのあと僕も読んでみたんですが、
すごく共感を覚えたんです。



藤沢作品の中では珍しく主人公が邦江という女性なんです。
彼女は「さざ波」という秘剣を伝授された
かなりの剣の腕前の持ち主。
でも、そのかわりといってはなんですが、
不器量、ようは不細工なんです。

そんな彼女には二枚目の優男の旦那がいます。
これがすごくダメな旦那で、
邦江と結婚したのも姉が美人だったので、
妹も美人という思いこみからなんですね。
いっしょになったものの、
毎日邦江には冷たくあたるわ、
遊郭に遊びに行くわで
あげくの果てには「離縁をしてほしい」などと言う始末。
本当にヒドイ男なんです。

紆余曲折あったある日、旦那が
果たし合いを申し込まれてしまうんです。
しかも相手はとても剣の腕が立つ男。
旦那には勝ち目がないと踏んだ邦江は
その果たし合いに自分から出向いて
傷を負いながらも秘剣さざ波で倒すんですよ。
堪え忍ぶ女とおろかな男のお話です。

耐え抜く我慢強さみたいな、女性特有の気持ちが
とってもよく出ている作品なんですね。
そういうところが映画としてぜひ撮ってみたいと
常々思っていました。
結末に、初めて夫への意外な本音を告げる場面と
同時に、果たし合いのシーンも重要なポイント。
作品中にはあまり詳しいことは書かれていないのですが、
じつは、この秘剣さざ波って
長刀(おそらく)で相手の小手ばかりを狙うんです。
そうやってジワジワと相手を疲れさせて
戦意を喪失させたところで勝つという剣。
だからふつうのチャンバラとは異なる、
女性的なおもしろいチャンバラが
描けるんじゃないかなって思ってます。



こうやってずっと思い続けているので、
映画プロデューサーなんかと飲んだときなんかは
いつもこの話をするんです。
でも藤沢作品が山田洋次監督の手で
メジャーになっちゃったいま、
なかなか実現させるのは難しいですね。

邦江をどの女優さんで撮りたいかですって?
うーん‥‥参ったなぁ‥‥困ったなぁ。
だって本には「不器量な女」って書いてあるわけでしょ?
それってなかなか頼みづらいじゃないですか。
いまでこそお笑いの女性が出演した
「ブスの瞳に恋してる」なんていう作品もあるけど
お笑いの人で描くのは違うとも思うし。
うーん‥‥名前言っていいのかなぁ‥‥。
10年くらいまえに飲んだときには
「藤山直美で」っていう話は出てたんですよ。

まぁ、でも撮りかたひとつで変わりますからね。
美人の女優さんを不器量な女に描くことだって‥‥ね。

 
本木克英さんの近況

ウエンツ瑛士さんが鬼太郎役で演じて
話題を集めた映画版「ゲゲゲの鬼太郎」。
その監督を務めたのが本木克英さんです。
原作のファンを裏切ることなく忠実に
かつ独自の味付けも忘れない作品作りにより
かつての鬼太郎ファンから、いまの鬼太郎ファンまで
幅広い年齢層に受け入れられた作品でした。

その映画版「ゲゲゲの鬼太郎」も2008年7月に2作目
「ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」が公開となりました。
こちらはより一層「ゲゲゲの鬼太郎」の
ダークな一面が楽しめる作品となっております。
鬼太郎の宿敵、ぬらりひょん役は
先日お亡くなりになった緒形拳さんが演じ、
緒形さんの最後の映画作品となってしまいました。
鬼太郎とぬらりひょんの死闘は必見ですよ。

そんな「ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」ですが、
1月9日にDVDが発売となりました。

「ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」


プレミアム・エディション/7980円(税込)
発売元/フジテレビジョン


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スタンダード・エディション/3990円(税込)
発売元/フジテレビジョン


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いろいろ細かいところまで
丁寧に作り込まれている作品ですので、
ご家庭でジックリ見られるのはうれしい限りです。

そういう部分も含めて本木監督の
「ゲゲゲの鬼太郎」に対する思い入れは
スゴイものがあったとか。
いろいろとお話をお聞きしました。


僕の小さいころの人格の一部は
「ゲゲゲの鬼太郎」の作者、水木しげるさんによって
成されたといっても過言ではないくらい大好きでした。
主人公ならキチンとしているのがふつうですが、
当時の鬼太郎は面倒くさがりで、
嫌々ねずみ男に引っ張られて事件に巻き込まれていくという
主人公にしては異例のキャラクターだったわけです。
そこにスゴく惹かれました。
あと、妖怪なのに怖くないという部分ですかね。
だからねずみ男とかも大好きでした。



映画化の話を聞いたときは
正直言って「うまくいくはずがない」と思いました。
「あの作品を実写化して、
 僕らの思い出を壊さないでほしい」とまで
思ったほど、思い入れのある作品なんです。
だけど、いざ自分のところに監督の話が
舞い込んできたら話は別です。
「やっぱり、俺にしかできないだろう」、
「ほかの人にはやらせたくない。俺がやる!」
っていう気になっちゃって(笑)。

で、1作目は妖怪世界は人間世界よりも楽しいよ、という
誰もが知っているような「ゲゲゲの鬼太郎」の世界を。
2作目は逆に世界観を怪奇的にして
ダークな世界をそれぞれ描きましたね。
2作目はダークな世界にするためにも
鬼太郎と敵対するキャラクターが欲しかったんです。
それでぬらりひょんの登場となったわけです。

ぬらりひょんは緒形拳さんに演じていただいたきました。
惜しまれつつ亡くなってしまったのは
みなさんの記憶にも新しいはずです。
じつは撮影中も体調が優れないご様子でした。
でも、四六時中自分が読むセリフを紙に書いて
ずっと握っているような、役者魂に溢れる人。
それ以外はやらない、
それ以外は興味がないという感じです。

日本が誇る名俳優が亡くなってしまったことは、
とても悲しい出来事ですが、
いっしょにお仕事をさせていただいて、
僕にとって一生に残る思い出となりました。


なるほど、緒形さんの役者魂は
スゴイ気迫みたいなものを感じますね。
それにしても、ウエンツ瑛士さん、緒形拳さんなど
さまざまな方が妖怪に扮して登場しますが、
このキャスティングってどうやって決めたのでしょうか?




このお話をいただいたときに
ウエンツさんは鬼太郎役として決まっていましたね。
ほかの人選はプロデューサーと相談しながら
決定していきました。
ですが、自分から「出たい!」って
立候補される方も多いんですよ。
たとえば、蛇骨婆役の佐野史郎さんなんかは
「どうしても出たい!」って(笑)。
あとは1作目でそば屋のヘンテコ主人を
やっていただいた竹中直人さんも
「出たい!」と京都の撮影所に駆けつけてきました。

それにしても佐野さんの
鬼太郎への想いはすごかったんです。
たとえば、原作では鬼太郎の左目は髪の毛で隠れていて
見えないんですが、
実際は左の目玉は誕生して間もない頃に
墓石にぶつかって、ないんです。
1作目では、撮影の最初は原作に忠実に
左目に特殊メイクを施して演技をしてもらいました。
ですが、ウエンツくんも片方の目がふさがっていると、
距離感がつかめないし、
初めての役とアクションをやるうえで、
決定的なハンディを背負ってしまう。
本人はそれを言わず、頑張っていましたが、
どうも窮屈な感じの動きになってしまったんです。
それで思い切って特殊メイクをやめたんですよ。
だから、1作目は「左目のある鬼太郎」として
描かれているわけです。

それを観た佐野さんが
「あれはとても残念だった」と指摘してきましてね。
「でも、いい方法があります。監督、あの目は
 義眼だったってことにしましょうよ」って(笑)。
だから、今回、義眼を装着するシーンを入れたんです。

あと、京極夏彦さんもほんのチョイ役で出てきます。
ヒントは濡れ女を封印するところです。
ぜひDVDを買って、
コマ送りで探してみてください(笑)。




本木監督、たのしいお話をありがとうございました。
「ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」のDVDは
絶賛発売中です。
プレミアム・エディションのDVDには
特典映像がなんと5時間57分も
収録されており、本編を楽しんだあともさらに
「ゲゲゲの鬼太郎」ワールドを楽しむことができます。
ぜひ、この機会に観てみてくださいね。

 

2009-01-16-FRI

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