ほぼにちわ、西本です。
シェフとべっかむ3のファーストシューズ選び、
いよいよお店に出かけることになりました。
行き先は、ぼくのよく行く
ステップスポーツ東京本店。
担当してくださったのは、菊池店長です。
菊池店長は日体大陸上部で
長距離を走っていたランナーでもあります。
菊池さんはお店で扱っているどのシューズも
実際に履いてみて確認しており、
その特徴を的確に伝えてくれることもあって、
箱根駅伝を走るような大学生や
実業団で走るようなプロからも
絶大な信頼がある人。
ぼくもずいぶんお世話になってます。
「西本さんのいまの脚力なら
駅伝かハーフマラソンの距離までなら大丈夫」
というようなモチベーションアップのアドバイスや、
「このシューズでアスファルトを走るときは
5kmまでにしてくださいね」
というような具体的な指示、
「西本さんの足運びだとこっちの方がいいかな」
と、お客さんの脚力と靴の特性を見極めながらの
的確なアドバイスをしてくれるかたなのです。
そんな菊池店長にまずは
二人の足の特徴を掴んでもらうべく
計測をお願いしました。
まずはべっかむ3。
足の長さだけでなく、
足の幅の長さもきっちりチェックして
足の特徴をつかみます。
23cmって、べっかむ3って
意外と足が小さいんですね。
シェフも計測完了。
菊池店長の見立てによると
べっかむ3は足のサイズ小さいことに加えて
ちょっと甲の高さに特徴があるみたい。
「もしかしたら、きょう展示してあるもののなかや
当店の在庫のなかからは、
今日、確実にぴったりくるものを
見つけることができないかもしれません。
それでもいくつか履いてもらって、
傾向がわかれば
取り寄せることもできますから、
遠慮なくどんどん履いてみてくださいね」
そして、シェフはくせのない足だそう。
「とても標準的な足のかたちですね。
とくにこのメーカーがいいですよというような
おすすめは、ありません。
それでも、履いてみると
このメーカーのものがしっくり来るというものが
あるはずですから、
さっそく試し履きをはじめましょう」
「あのさ、シューズの分類に
5時間とか4時間とか3時間とか書いてあるけど
これはどういう意味なの?
5時間走る人用? ってこと?」
いや、これはフルマラソンのタイムなんですよ。
5時間で完走を目指す人用のものは、
「ゆっくりでもいいからとにかく完走を目指す!」
という人のためのシューズですね。
「じゃあ、ぼくらはそのあたりじゃないの?」
うーん? 菊池店長、普通、彼らのような
初めて走る人には
どういうシューズをおすすめしますか?
菊池店長:
「一応、こういう時は
厚い底のクッション性の高いシューズを
おすすめするようにしてます。
つまり『5時間』の分類ですね。
初めて走る方はまだ衝撃に
耐えられる筋肉が足についてないですから」
そうですよね。
どの教則本を読んでも
「初心者は厚い底の
ジョギングシューズを履くべし」
と、書いてあります。
でもあえてぼくは二人には
フルマラソンを4時間台で走るくらいの
モデルの中からシューズを選んでもらおうと思うんです。
「ええっ。そんなの履いて大丈夫なの?
怪我しない?
よくあるじゃん、走りはじめたけど
膝を壊してやめちゃったって話」
大丈夫です。
フルマラソン4時間台、と聞くと
「速すぎる!」と思うかもしれませんが、
1kmを7分で走り続ければ4時間55分くらいですよ。
1km7分ペースって、
最初はよくわからないかもしれませんが、
速めのウォーキングくらいのスピードです。
そんな無理な速さでもないんです。
これは後ほど詳しく説明しますけど、
みんなが膝を痛いとか、膝が壊れたと
思っている怪我の大半が
膝そのものが原因じゃないんです。
太ももとか腰回りの筋肉疲労が原因で
実はカラダの手入れをちゃんとしてやれば
そのほとんどが防げるんですよ。
それに中年陸上部の二人が
この1〜2ヶ月で目標とするのは
距離にして5km。時間にして30分くらい。
長くても10kmくらいの距離。
まずはランニングの習慣をつけることからです。
二人がこれからフルのレースに出るのなら、
クッション性の高い厚底シューズをおすすめしますが、
すぐにフルマラソンを走るわけではないですからね。
そしてメタボから脱したばかりの
べっかむ3は体重的にはそんなに問題ないし、
体重があるシェフにしても定期的にジムには
通っているから筋肉量はかなり多い。
すでにTK体操で足の筋肉にも
刺激を入れはじめているので心配ないですよ。
そして、薄い底のシューズを履くことによって
ランニングの着地衝撃も適度な刺激となって
足が鍛えられる効果を狙いたいのです。
そうですよね、菊地店長。
「その通りです。
西本さん、ぼくの以前のアドバイス
よく覚えてますねー」
ハイ、ぼくも「不健康で走れない人」でしたから、
そのあたりのこと、よーく覚えてます。
そして、さらに長距離を走るには
効率の良いきれいなフォームを覚えていく必要がある、
ということですよね?
「そうです。そのためにも、足に合った、
安定したシューズで走り始めてください」
つまり、今回の靴選びは、
ランニング技術の習得も目的のひとつ。
厚底シューズと薄底シューズの違いは安定性です。
重心が高くなるハイヒールで綺麗に歩くのって
技術が必要ですよね。
一方で裸足で歩くのは楽に歩けますよ。
厚底シューズだと重心が高くなり
クッション性の高さもあいまって
不安定な状態になってしまう。
そのままではフォームに
わるいクセがついてしまうかもしれない。
それよりも、体重移動のしやすい、薄めのシューズのほうが
きれいなフォームを習得しやすいという利点があります。
それに軽いシューズの方が軽快に走れますしね。
最後にファーストシューズで「4時間台」のシューズを
おすすめする理由は、
「ボリュームゾーン」であること。
市民ランナーの一つの大きな目標である
サブ4(4時間切り)を目指すためのシューズって、
各メーカーが一番力を入れていて、品数も多いんです。
つまり、たくさんの足型の中から
自分に合うファーストシューズを選ぶことができる、
っていうわけなんですよ。
菊池店長:
「じつは通常はこういうおすすめはしていないんですよ。
けれどもセンパイである西本さんが
二人をきっちり教えるという条件で、
今回は、選んでいきます。
まず‥‥薄底シューズにもいろんな種類があります。
例えば、石川さん、これを履いてみてください」
「わ! 軽!」
菊池店長:
「これはアシックスのターサージャパンというモデルで
フルマラソンを3時間以内で走るようなランナーが
履くようなシューズです。
これはランニングシューズというよりは
レーシングシューズに近いモデルです。
それがどういうものかをわかっていただきたくて
履いていただきました」
すごい。それはぼくもちょっと履きこなせないですよ。
反発力も強いので「シューズに走らされる」というか、
思わぬスピードが出てしまって足を痛めちゃうかも!
菊池店長:
「武井さんはこちらのアシックスのモデルを
履き比べてみてください。
そして、ちょっとバランスを見てみましょうか」
「わ、なにこれ。履きやすっ!!」
菊池店長:
「なるほど。ジムに通われているだけあって
体幹がしっかりしててバランスがいい。
足にも癖がないし、
やっぱり見た通りです。
どんどんシューズを出していくので
一番、しっくりくるものを探してください」
「どうも最初に履いたこれ、
そうとういい感じなんですけど‥‥」
いきなり当たりでしたか。
でも、いろいろ履いてみて
履き心地で勝ち抜き戦にしていくといいですよ。
(adidasとアシックス)
「うーん‥‥アシックスの勝ち」
(NewBalanceとアシックス)
「あれ? やっぱりアシックスの勝ち」
(ミズノとアシックス)
「うーん。おかしいなあ。
気持ちはデザインの好きなシューズを履きたいのに、
足はアシックスが気持ちいいです。
これか。
これがファーストシューズか。
でも、このブルーのメタリック。
ちょっと派手すぎない?
迷彩柄とかないですか?」
菊池店長:
「(笑)ございません。
武井さん、ご自身で思っているより
ずっとお似合いですよ。
もし気になるようであれば、
シューレース(くつひも)を変えてみましょうか。
印象がガラリとかわりますよ。ほら」
「おおっ! これはいいかもしれない。
これに決めましょう」
ということで、シェフのファーストシューズは
すんなり決定いたしました。
いっぽうのべっかむ3はどうでしょう。
シェフと同じように、いくつものタイプのシューズを
履いてみた結果‥‥。
「うーん。ぼくは足が小さいせいか
なかなか合うのが見つからないですね」
そうでしたか。メンズサイズで23センチは
ない‥‥ですよね。
これはもしかしたら
レディースで探したほうがよいんでしょうか?
菊池店長:
「ひと通り履いていただいたのですが、
石川さんにこれぞというものは見つからなかったんです。
けれども、石川さんの足に合うシューズはあります。
この店には置いていないものなのですが
メーカーから取り寄せますので
ぼくを信じてもらって待ってもらえませんか?」
「わかりました、ぜひ取り寄せをお願いします!」
というところで、次回につづきます。
べっかむ3のシューズが届くまでの間に、
じつはあんがい知られていない
「ぴったり来るシューズの履き方」を
勉強しておきましょう。
シューレースをちゃんと結ぶだけでも、
ぜんぜんフィット感が変わってくるんですよ!
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