コラム:ようおいでたなもし、松山(伊丹十三記念館のスタッフが、記念館に来たついでによってもらいたい、松山近辺の見どころや、おいしいもののお店を ご紹介します。)

砥部エリア
川又

「ほぼ日」をご覧の皆様こんにちは。
伊丹十三記念館スタッフ川又と申します。
本日は皆様に、松山市のお隣の町、
伊予郡砥部町のおすすめスポットを
ご紹介させていただきます。
砥部町は伊丹十三記念館と同じ、
国道33号線の沿線上にあり、記念館からは車やバスで
だいたい20分程の距離のところにあります。
松山市街地から30〜40分で到着しますので、
愛媛県へ観光にお越しの方には、
松山市内とあわせて観光していただきたい町です。
陶磁器の「砥部焼」と愛媛県立とべ動物園の
「しろくまピース」で有名な町ですので、
ご存知の方も多いことかと思います。

まずご紹介させていただきますのは、
砥部といったらやっぱり「砥部焼」。
砥部焼とは、厚手で丈夫な生地が特徴で、
広く日常生活でお使いいただける焼き物です。
町には大型の砥部焼の販売所や施設が何件かあり、
様々な窯元の砥部焼を
お買い求めいただくことができます。
ろくろや絵付けの体験などをしていただける施設も
豊富です。町には100件近い窯元も点在しており、
多くの窯元では展示や直売も行っています。

それぞれの販売所でお好みの砥部焼を見つけられた方は、
その窯元に訪れて、よりお好きなものを
選んでいただくのもいいかもしれません。
窯元には作家さんがいらっしゃることもありますから、
作家さんから直接お話を聞くことや、
お買い求めいただくこともできるかもしれませんよ。

砥部焼観光センター「炎の里」
川又

「炎の里(えんのさと)」は
綺麗な店内にいろいろな窯元の砥部焼の作品が
並んでおり、若い方からご年配の方まで、
様々な世代の方にお楽しみいただけることと思います。
伝統的な雰囲気の壷などから、
若い方向けのお洒落な食器まで、
様々なテイストの砥部焼がたくさん置いてありました。
私自身、「欲しい物」がたくさんあって、
取材でお伺いしたにも関わらず、
かなり長い時間商品に見入ってしまいました。

絵付けやろくろ体験などの設備も整っています。
「絵付け」というと
「記念品」というイメージがありますが、
とてもオシャレで、実生活で活躍しそうな形の食器が
たくさんありました。
私の友人も先日実際にこちらで
絵付け体験をしていましたが、
職員の方が、素人の無茶な提案にも
たいへん親身に相談に乗って下さったとのこと。
その友人の作品もなかなかステキで、
本人もとても喜んでいました。


「こんなところにまで入っていっていいの?」と思うような
工場の中も完全に開放していらっしゃいます。

梅野精陶所(梅山窯)
川又

砥部焼といったら梅山窯(ばいざんがま)!
砥部焼の窯元の中でも特に大きな窯元さんです。
梅山窯の商品は、砥部焼の中で
一番世の中に出回っていますので、
ご覧になったことのある方も多いかと思います。
直売所にはたくさんの砥部焼が!!
ちなみに我が家の食器の8割はここ梅山窯のものです。
実際に毎日使っているのですが、
丈夫なので、よほど派手に落としたりしない限り、
割れることはありません。
デザインもシンプルで飽きが来ず、
もう20年近く使用しているものもたくさんあります。

資料館や、昔使用していた登り窯の見学も可能です。
登り窯の中までご覧いただくことができます。
登り窯とは斜面に階段状に焼成室を数室並べ、
下の窯から焼き上げて行く窯の名前です。
下から火を焚いていき、
徐々に炎が上へあがっていく原理を利用することで、
効率よく焼成できたそうです。
砥部町内で現存する登り窯はここ梅山窯だけだそうです。

こちらでも製作工程を見学していただけます。
砥部焼の中でも大きい窯元さんですので、
絶えずお客様がいらっしゃいますし、
お勤めのみなさんは、見学者などにも
慣れていらっしゃるご様子でした。

愛媛県立とべ動物園
川又

そうして、砥部といったら砥部焼の次に有名なのは、
愛媛県立とべ動物園一の人気者しろくまの「ピース」です。
ピースは母親の育児放棄により
人工哺育で大きくなったホッキョクグマです。
ピースが生まれた当時、
国内でのホッキョクグマの人工哺育の成功例は
全く無かったそうですが、飼育員の方の
様々な努力の甲斐あって、現在9歳になったピースは
人工哺育での最長飼育期間を更新中です。
その成長過程は様々なテレビ番組でも取り上げられており、
ご存知の方も多いことかと思います。
私はピースの成長の様子を収めたドキュメンタリー番組を
録画して、何度も繰り返し見ていました。
「赤ちゃん」というのはどんな生き物でも
可愛いものですが、シロクマの赤ちゃんは
「こんなに可愛い生き物が世の中にいるのか!」
と思うほど可愛いのですね。
色が白いところも、手足が太くて短いところも、
飼育員の方の後ろをトコトコ走ってついていくところも、
まるでぬいぐるみのようで、とにかく可愛い。

話は変わりますが、先日記念館スタッフの中の1人が
掃除機をかけ終った後
「掃除機がカワイイんよね〜。
 私が行くほうに行くほうについてくるんよ〜。」
(掃除機をかける時、掃除機の本体が自分の後ろを
 ついてくる様子がかわいかったそうです)と発言し、
私は開いた口が塞がらなかったのですが、
ピースに後ろを走ってついてこられたら、
それはもう「虜」になってしまうことと思います。

そんなピースは今こんなに大きくなっています。
人間に育てられたからなのか、
隣にいたピースのお母さんのバリーバに比べ、
なんとなくホンワカしているといいますか
のんびりしているといいますか
クマっぽくないといいますか、もう大人だというのに
相変わらずキュートなままでした。

伊丹十三記念館にご来館される方の中に時折
「これからピース君に会いに行ってくる!」
とおっしゃる方がいますが、ピースはレディーですので、
決して「ピース君」とお声をおかけにならぬよう、
お気をつけ下さい。
もちろん、ピースの他にもたくさんの動物がいます。

そんなとべ動物園の魅力は、
なんといってもスケールの大きさ。
西日本屈指の規模だそうです。
園内は広々としたスペースに、周りには自然がいっぱい。
ショップにはかわいいグッズもたくさんありました。

砥部エリアへのアクセス

松山市街地から自家用車で約30分
伊予鉄バス(砥部方面行き)で30〜40分

砥部町には自然をそのまま利用して作った
大型の公園などもいくつかあり、
観光資源も自然も豊富です。
都会から来られた方には是非お立ち寄りいただき、
四国の自然を満喫して頂ければと思います。

・砥部町公式ホームページ

砥部焼観光センター「炎の里」

住所:愛媛県伊予郡砥部町千足359 【Google map】
電話:089-962-2070
営業時間:8:30〜18:00
アクセス:伊予鉄バス大岩橋行き、断層口行き、
     砥部焼伝統産業会館前行きで
     「砥部焼伝統産業会館前」下車、徒歩5分
ホームページ

梅野精陶所(梅山窯)

住所:愛媛県伊予郡砥部町大南1441 【Google map】
TEL:089-962-4004
営業時間 :8:05〜16:50
定休日:毎週月曜日、第2・第3日曜日
アクセス:伊予鉄バス大岩橋行き、断層口行き、
     砥部焼伝統産業会館前行きで
     「砥部焼伝統産業会館前」下車、車5分
     または徒歩15分(駐車場あり)

愛媛県立とべ動物園

住所:愛媛県伊予郡砥部町上原町240 【Google map】
開園時間:9:00〜17:00(入園は16:30まで)
     なお、16時からは動物にエサを与えるため、
     ご覧になれない動物がございます。
     あらかじめご了承ください。
休園日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は、
    その翌日の祝日でない日)
料金:大人(18歳以上):450円 65歳以上:100円
   小人(6〜17歳):100円 幼児(6歳未満):無料
   障害者手帳をお持ちの方:無料
アクセス:伊予鉄バスとべ動物園前経由砥部大岩橋行き
     「とべ動物園前下車」徒歩5分
ホームページ

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次回へ続きます。

2009-10-15-THU

図版:トリバタケハルノブ  
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