日記書きまして。

2008年2月。
板尾創路さんと我々「ほぼ日」スタッフは
都内のある場所で、待ち合わせをしました。
東京・白金にあるフローティングシェルのある施設
スピリチュアルリラクゼーションサロンECCOというところです。



なぜこのような場所で待ち合わせなのかというと
板尾さんが
「行ってみたいところ? ある!」
と、おっしゃったからです。
フローティングシェルとは、
「無重力、無感覚を体験できる
 究極のリラクゼーションマシーン」
だそうです。
マグネシウムが豊富に溶け込んだ
深さ25センチの水に浮かぶことで
重力から開放され、
心の安定や浄化を得られる、とのことです。
毎日多忙な板尾さんは、シェルに入って、
日常の疲れを取りたいのかもしれません。

シェルに入る前に、注意事項を聞きます。

シェルの内部は光や音が遮断され、
完全な闇になります。
目を開けても閉じてもおなじ、まっ暗ですので、
寝ているか起きているかわからない
その境界にいるような感覚になるでしょう。
万一、辛くなったら、出てください。
初回は1時間半、シェルに入りますが、
一瞬のことのように感じる人もいます。



「そうなんや」

真剣に説明を訊く板尾さんです。

1時間半シェルにいると、
8時間とか、きちんと眠った気分になる人も
いるそうですよ。
すっ裸でシェルに入るそうなんですが、
裸になるのは、説明を聞いたあとでしょうか。

「そらそやろ。
 裸で説明聞く必要は、ないやろ。
 それはそれで無になれるかもしれんけどな」

中にカメラは持ち込めないんでしょうか。

「あたりまえや。真っ暗なんやから。
 それより、あの人誰や?」






わかりません。

「何かの先生か?」

わかりません。

(この方は、ジョン・C・リリィ博士。
 フローティングシェルについて研究を重ねた、
 アメリカの脳科学者です)

この続きは、また次回
お伝えすることにしまして、
水に浮かんでまでリラックスしたいほど
多忙な板尾さんに、
最近何をやっているのか
訊いてみましょう。


板尾さん、最近何やってるんですか。

「えー、日記を出しましてね。
 『板尾日記』というんですけど、
 シリーズの3巻目となる
 『板尾日記3』を書きあげまして、
 販売に向けて促進をしておりますところです。
 特に誰におすすめというのはないんですけど、
 まぁ、若干、僕に興味のある人のほうが
 おもしろく読めるかもしれないです。
 知らんおっさんが
 読んでくれはったとしても
 “この人何してはる人なんですか?”
 ということになるかもしれませんので」


何がしたいんですか。

「ひとりの人間の日記で
 どれだけ続いたらすごいんかな、
 というところです。つまり、
 こいつ、どのくらい書きよるんやろ?
 ということについて、興味があります。
 『3』でも“ああ、続いてんな”という
 印象があるもんですから、
 『10』とかになったら
 どんなもんになっていくのかな、とか
 思うじゃないですか」


板尾さん、どこに行くんですか。

「基本的には僕の書くものは
 『板尾日記』からは
 あんまりはみ出ないと思います。
 今の状態から
 かけ離れたところには行かないんで
 そんなに期待もせず
 追いかけていただければと思います。
 アドバルーン‥‥ふっ(笑)‥‥アドバルーンちゃうな、
 なんやろな、
 つまり、見えるところにいて、
 そんなに高くも上がらへん、という感じです。
 紐でつながっています。
 でも、もしも紐が切れたら
 きっと飛んでいってしまうんやろなぁ」



「飛んでいったら困りますがな」と
心の奥で思いましたが、
このコンテンツは板尾さんを
ひたすら見守るという主旨です。
ここは口をつぐみます。

ここで、板尾さんが
『板尾日記3』に関して、
みなさんに言っておきたいことがあるそうなので、
こちらの動画をごらんください。


いつもと変わらぬ板尾さんに見えるものの、
目の奥に多少の不安をただよわせ
お茶をすする板尾さんを横目に見つつ、
次回、この続きをお伝えいたします。




板尾日記3
板尾創路 著
価格:1,575円
発行:リトル・モア

板尾さんが毎日つけている日記が
本になりました。
1巻、2巻も味わい深い本でしたが、
この3巻目では、板尾さんが父になります。
いっけん、たんたんとした文面の
「板尾さんの毎日」が、しみじみとゆたかに
心にひろがる1冊です。
ずっと日記をつけて「10」とか「100」まで
行っていただきたいと思います。

ご購入はこちら(Amazon)


2008-02-27-WED