1898年、フランスに生まれた哲学者・アランの著した
『幸福論』は「世界3大幸福論」の
ひとつなのだそうです
(ほかの2つは、ラッセルとヒルティ)。
アランは高校の哲学の先生だった時代に
「ラ・デペーシュ・ド・ルーアン」紙に
政治や生活、人生についてのコラムを執筆しはじめ、
たいへんな人気となります。
平和主義者で、決して名誉を求めず、
65歳まで一教師として勤めたあと執筆活動を続け、
83歳で亡くなるまで街の中の哲学者として
生きたアランは、
今もひとびとの尊敬を集めているのだとか。
一般のひとに愛読されたアランの著書らしく、
『幸福論』に難しい哲学の言葉はでてきません。
2、3ページでひとつの話題について書かれ、
しかも「態度」、「仕事」、「あくびのしかた」、
「運命について」、「夫婦」、「幸福になる義務」など、
ちょっと気になるようなことが
タイトルになっていて、あちこち読んでみたくなります。
たぶん、私が読み取ったことより深い内容のところも
たくさんあると思うのですが、いいなーと思ったのは
こういった文章です。
「気分というものは、自分自身に対して
自分自身の姿を示し、そのようにして
その気分が維持されていくのである」(「12.微笑」)
「自分のことを考えるな。遠くを見よ。」
(「51.遠くを見よ」)
「わたしたちが自分を愛してくれる人たちのために
なしうる最善のことは、
やはり自分が幸福になることであるということは、
じゅうぶんに言われていない。」
(「90.幸福は寛大なもの」)
自分のこころは自分次第、
幸福になるには、幸福なようにふるまうこと。
なかなか、それが難しいんだよね、と思いながら
ついつい聞いてしまう、ちょっとおもしろい
学校の先生のお話、という感じです。
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『幸福論』への感想メールを
ありがとうございました!
また次回の「イトイの読んだ本、買った本」を
どうぞお楽しみに。 |