イトイの読んだ本、買った本。
 

『一握の砂・悲しき玩具―石川啄木歌集』
著者:石川 啄木
発行:新潮社
価格:¥ 420(税込)
ISBN-13:978-4101093031


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イトイはこう言っている。
吉本隆明さんのところで定期的にお話を伺っているとき、
「たいていの歌を志す人は、
 読むし、影響を受けているんじゃないでしょうか」
として出てきた名前が石川啄木でした。
ああ、そういえば、ぼくのなかにも、
少々の石川啄木の痕跡がある。
それにしては、ちゃんと一冊読んでない‥‥
ということで、
あわてて文庫本を買いました。
ちょっと読んだだけでも、さすがに、
すごみがあるんです。
 
石川啄木は短大の講義で受講しました。
その時の先生が怖かったという印象しか残っていません。
全く同じ文庫本がテキストでした。
もっと
啄木さんを真面目に追求すれば良かったかなあと‥‥。
今からもう一度啄木さんを読んでみますね。
(睦五郎)
 
乗組員も読んでみた。

この本にはタイトルの通り、
おもに「一握の砂」と「悲しき玩具」の
2つの歌集が収められています。

「一握の砂」では、
「はたらけど
 はたらけど猶わが生活(くらし)楽にならざり
 ぢつと手を見る」など、
貧しい生活に対する歌が多く、
歌ひとつは3行しかないのですが、
貧しさに対する、わびしさや悲しさが
ひしひしと伝わってきました。

また、もう一つの歌集、「悲しき玩具」には、
「ぢつとして寝ていらつしゃいと
 子どもにでもいふがごとくに
 医者のいふ日かな。」など、
床に伏してからの歌が目立ち、
その苦しそうな様には、鬼気迫るものがありました。

「石川啄木」。
そのお名前を教科書などで見るくらいでしたが、
今回、きちんと読んでみて、
そのときの感情や状況を
まっすぐに吐き出したような短い歌は、
ひとつひとつがとてもわかりやすく、
長く読み継がれてきた理由がわかった気がしました。
旧仮名遣いも全く気にならずに読めました。

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『一握の砂・悲しき玩具
 ―石川啄木歌集』への感想メールを
ありがとうございました!
また次回の「イトイの読んだ本、買った本」を
どうぞお楽しみに。

2009-07-25-SAT
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