この本にはタイトルの通り、
おもに「一握の砂」と「悲しき玩具」の
2つの歌集が収められています。
「一握の砂」では、
「はたらけど
はたらけど猶わが生活(くらし)楽にならざり
ぢつと手を見る」など、
貧しい生活に対する歌が多く、
歌ひとつは3行しかないのですが、
貧しさに対する、わびしさや悲しさが
ひしひしと伝わってきました。
また、もう一つの歌集、「悲しき玩具」には、
「ぢつとして寝ていらつしゃいと
子どもにでもいふがごとくに
医者のいふ日かな。」など、
床に伏してからの歌が目立ち、
その苦しそうな様には、鬼気迫るものがありました。
「石川啄木」。
そのお名前を教科書などで見るくらいでしたが、
今回、きちんと読んでみて、
そのときの感情や状況を
まっすぐに吐き出したような短い歌は、
ひとつひとつがとてもわかりやすく、
長く読み継がれてきた理由がわかった気がしました。
旧仮名遣いも全く気にならずに読めました。
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『一握の砂・悲しき玩具
―石川啄木歌集』への感想メールを
ありがとうございました!
また次回の「イトイの読んだ本、買った本」を
どうぞお楽しみに。 |