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『「感覚」の博物誌』
著者:ダイアン アッカーマン
翻訳:岩崎 徹、原田 大介
発行:河出書房新社
価格:¥ 2,957(税込)
ISBN-13:978-4309250762
※現在、新品での入手は困難な1冊となっております。
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「世界中の有名な香水の調合をしている人は、
ほとんどが、アメリカにある、ある会社にいてさ」
というような話を知ったかぶりして言ってたときに、
そのことが書いてあったこの本のことを思い出したんです。
書棚を探しても見つからなかったので、
Amazonで中古本を買い直しました。
昔読んでおもしろかったものですが、
いま読んだ方が、おもしろそうです。
この著者は、他にも『月に歌うクジラ』とか、
『庭仕事の喜び』とか、興味深い本を出しています。 |
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著者は、詩人であり、大学で教鞭をとり、
「ザ・ニューヨーカー」といった
アメリカで著名な文芸雑誌の
執筆者として活躍してこられた
ダイアン・アッカーマンさん。
本の著者近影を見ると、美人です。
「わぁ、美人だなぁ」というのが
この本の第一印象でした。
そして、この本の書き出しの一文は、
「この世界は何と官能に満ちていることか」。
きれいな人にこう言われるとインパクトがあるわー、
と、少しドキドキしながら、読みはじめました。
この本は、匂う、触れる、味わう、
聞く、見る、感じる(共感覚)という、
6つの感覚別に章立っていて、
古今東西の宗教・美術・文学・音楽・慣習などから
それぞれの感覚が「快」と感じる作品や事例を集め、
「快」と感じる理由を、専門家の研究文献や
科学的根拠、著者の経験に基づく考察で
明らかにしていきます。
どんな文化や風習も、著者は偏見を持つことなく
公平に扱っているところもよかったです。
どこの国の人でも共通する
気持ちいいと感じる行為、
ほっとする気持ちになる味、
官能的な気分になる香り、感動する音、
わくわく注目してしまうものもあれば、
逆に、育った文化や習慣・常識によって
「快」「不快」の受けとめられかたが変わるものもあり、
その分かれ目をいくつも知ることができたのは
興味深かったです。
著者が古今東西から集めてきた、
きめ細やかで幅が広い五感の味わいかたを知ると、
より深く、物事をたのしむことが
できるように思いました。 |
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2010-02-13-SAT |
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