こんにちは。オリタです。
今日も、ぼくが観た作品の中から、
いくつかの日本製ホラーをご紹介いたします。
「なにか怖いものが観たいな」というとき、
参考にしていただければと思います。

さて、今回のテーマは
「『呪怨』みたいなやつ、観たいんだけど?」
とのことですね。

前回ご紹介した『リング』に代表される
第1次Jホラーブームが一段落した時期に公開され、
新しいJホラーの流れを作ったのが
この劇場版『呪怨』です。
洋館でも山奥の別荘でもない、
一般的な日本家屋を舞台にして
それまでのJホラーの手法と
禁じ手とされてきた古い演出方法を
巧みに、そしてスピーディにミックスした作品です。

そんな『呪怨』がお好きなあなたには、
こちらの作品をおすすめします。





『輪廻』(2006年)
監督:清水崇
脚本:清水崇・安達正軌
メディア:DVD
販売元:ジェネオン・エンタテインメント
『呪怨』でも使われていた
白昼夢シーンを効果的に用いた意欲作です。
手練のJホラー的ショッカーはもちろん
ゾンビまで登場します。
サスペンス部分のミスリードも上手く、
エンターテインメント性の高い作品になっています。
怖さ :★★★★☆
サスペンス:★★★★☆



『呪怨』ビデオ版(1999年)
監督:清水崇
脚本:清水崇
メディア:DVD
販売元:東映ビデオ
劇場版が作られるきっかけとなった、
清水崇監督の長編デビュー作です。
とはいってもリメイクの元になったわけではなく、
劇場版へと続くストーリーが展開されています。
時間軸をずらし、短いエピソードをつなげていく手法は
劇場版と基本的に変わらないのですが、
ビデオオリジナルということでアングラ感が漂い、
グロテスクな描写もかなり盛り込まれているため、
地上波のTVで放映されることはおそらくないでしょう。
怖さに関しては劇場版を上回るともいえますので、
是非見ていただきたい作品です。
怖さ:★★★★★
アングラ:★★★☆☆



『片隅』『4444444444』(1998年)
「学校の怪談G」より
「THE JUON 呪怨」
ディレクターズ・カットコレクターズ・エディションに収録
監督:清水崇
脚本:清水崇
メディア:DVD
販売元:ジェネオン エンタテインメント
ビデオ版からさらにさかのぼり
テレビドラマシリーズ「学校の怪談」で
インタールード的に放映されたのが、この2本の掌編です。
それぞれのちの『呪怨』につながる
エピソードとなっていて、
『4444444444』はビデオ版でリメイクされますが、
『片隅』はこのバージョンでしか観ることが出来ません。
オリジナルパッケージはVHSのみのため
長らく視聴困難でしたが、
現在はハリウッドリメイク版『THE JUON 呪怨』の
セルDVDに収録されています。
怖さ :★★★★☆
原点:★★★★☆



『怪奇大家族』TVシリーズ(2004年)
監督:清水崇、豊島圭介ほか
脚本:清水崇ほか
メディア:DVD
販売元:東宝
さじ加減をあやまるとギャグになってしまうような
過剰なホラーを作ってきた清水監督が
豊島圭介氏とともに企画したホラーコメディドラマです。
自らの作品をはじめ、幽霊、UFO、ゾンビなど
さまざまな恐怖ネタをパロディにした
楽しい作品です。
怖さ:☆☆☆☆☆
ギャグ:★★★★☆



『呪怨』シリーズについて
ビデオ版、劇場版、ハリウッド版‥‥と
かなりややこしいことになっている
『呪怨』シリーズですが、日本製作のものは
基本的に時系列にそって公開されています。
劇場版の続編である『呪怨2』は、
母性愛を題材にしながらも禍々しさは増していて、
ビデオ版の頃の暗さを思わせる良作となっています。
ハリウッドリメイク版『THE JUON 呪怨』は
劇場版『呪怨』をベースに、ビデオ版のエピソードを混ぜ、
アレンジを加えた構成になっています。
1作で呪怨ワールドを把握するには、
この『THE JUON 呪怨』を
ごらんになるのが良いかもしれません。
ちなみに、この夏、清水崇監督の最新作
『呪怨 パンデミック』が公開されます。

イラスト:藤本和也

2007-08-07-TUE





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