サスペンスっぽいホラーが観たいなぁ。

こんにちは。オリタです。
今日も、ぼくが観た作品の中から、
いくつかの日本製ホラーをご紹介いたします。
どうぞ、作品選びの参考にしてくださいね。

さて、今日のリクエストは、
「短いホラー」ですね。

「短いホラー」といえば、やはりこれです。
実話怪談集「新耳袋」を原作とした、
1話5分のオムニバスホラードラマ
『怪談新耳袋』シリーズ。
BS-iで約100話放映されてきた
この『怪談新耳袋』では
複数の監督が起用され、その内容も
ストレートなホラー、怪奇、コメディなど
バラエティに富んだものになっています。
自分の好みに合うホラースタイルや監督に
出会うためのショーケース的な
楽しみ方もできるテレビシリーズです。



『ふたりぼっち』(2005年)
「怪談新耳袋 - ふたりぼっち編 -」より
監督:安里麻里
原作:中山市朗・木原浩勝「新耳袋」
メディア:DVD
販売元:キングレコード
Jホラー黎明期からの手法を
デジタルリマスターしたような、
オーソドックスかつスタイリッシュな作品です。
音響的なSEと抑えたナレーションが
黒い幽霊の不気味さを静かに盛り上げています。
怖さ :★★★★☆
洗練:★★★★☆



『訪問者』(2005年)
「怪談新耳袋 - ふたりぼっち編 -」より
監督:豊島圭介
原作:中山市朗・木原浩勝「新耳袋」
メディア:DVD
販売元:キングレコード
理由は語られぬまま、幽霊があらわれ
それに取り憑かれていく様子が
淡々とつづられていきます。
窓からのぞく血まみれの女幽霊の
造形がとにかくおそろしい作品です。
怖さ:★★★★☆
血糊:★★★★☆



『幽霊屋敷と呼ばれる家』(2004年)
「怪談新耳袋 - 御祓いは効かない編 -」より
監督:佐々木浩久
原作:中山市朗・木原浩勝「新耳袋」
メディア:DVD
販売元:キングレコード
一見、廃屋を舞台にした
スタンダードなJホラーなのですが、
なぜか2度繰り返して見たくなる作品です。
その理由は‥‥ぜひご自身でお確かめ下さい。
怖さ :★★★★☆
リピート:★★★★☆



『ビデオ』(2003年)
「怪談新耳袋 第1夜」より
監督:木原浩勝
原作:中山市朗・木原浩勝「新耳袋」
メディア:DVD
販売元:キングレコード
原作者のひとりである木原浩勝氏が
自ら監督をてがけている作品です。
夜、ひとりでホラーのビデオを
見ているときについ浮かんでしまう
妄想が見事に映像化されています。
怖さ:★★★★☆
三輪家:★★★★★



『怪談新耳袋 劇場版』(2004年)
監督:三宅隆太、豊島圭介 ほか
脚本:三宅隆太
原作:中山市朗・木原浩勝「新耳袋」
メディア:DVD
販売元: キングレコード
テレビシリーズ同様、短編オムニバス形式で
構成された劇場版です。
ただ1話の分数は長くなっているため、
物語としての見応えがでてきています。
TVシリーズはシーズンごとに
漠然とした傾向があるのですが、
この劇場版はスタイルが分散していますので、
「怪談新耳袋」最初の1本としていかがでしょうか。
怖さ:★★★☆☆
バラエティ:★★★★☆



読むJホラー
Jホラーで追求されてきた、
「現代的でリアルな恐怖」を
書籍サイドから定着させてきたのが、
『新耳袋』と『「超」怖い話』の
2大実話怪談シリーズです。
『新耳袋』はそれまでの怪談の
お約束であった因果説明を極力省いた
叙事に徹した文章構成で、
スタイリッシュな装丁もあいまって、
ひんやりとした不気味さが特徴となっています。
『「超」怖い話』は都市伝説や残酷描写など
暗くアンダーグラウンドなムードが漂い、
『新耳袋』とは違ったリアルさを持っています。
時代物で趣向はやや異なりますが、
杉浦日向子氏によるコミックス
『百物語』も叙事的な実話怪談のルーツとして
おすすめいたします。

イラスト:藤本和也

2007-08-14-TUE





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