『ブレアウィッチプロジェクト』みたいなやつ、観たいな。

こんにちは。オリタです。
今日もぼくが観た日本製ホラーの中から
いくつかの作品をご紹介いたします。

今日のテーマは、
「学校を舞台にしたホラー」です。

1990年代中頃から
学校を舞台にした都市伝説ホラーがブームになり、
劇場版『学校の怪談』シリーズや
『トイレの花子さん』に代表される
映画、アニメ、ドラマなどが
数多く制作されました。
そのほとんどはJホラーの流れとは
異なる作風なのですが、
少数ながらJホラーを担う監督、脚本家による
ものも存在しています。
今回はそんな学校ものの作品を
ピックアップしてご紹介いたします。



『亡霊学級』(1996年)

監督:鶴田法男
脚本:小川智子・鶴田法男
原作:つのだじろう
メディア:VHS
販売元:大映
Jホラーといえば短編オムニバスや
TVドラマがほとんどだった当時にしては、
珍しい長編作品です。
原作のコミックスはアレンジされ、
鶴田法男監督の得意とする、
少女心理の揺れを軸にした、
メロウなストーリーに仕上げられているのですが、
それがいっそう要所要所の
恐怖演出を際だたせています。
黒沢清監督が役者として
友情出演しているのも
マニアックな見所のひとつです。
怖さ :★★★★☆
少女:★★★★☆



『何かが憑いている』(2001年)
「学校の怪談 物の怪スペシャル」より
監督:鶴田法男
脚本:三宅隆太
メディア:DVD
販売元:大映
女子校生の友情の悲しいズレを描いた、
幽霊も超常現象もない
どちらかといえば「いい話」系の
ホラーなのですが、
淡々と綴られる人間ドラマに
効果的なショッカーが
たくみにちりばめられ、
深みのある作品になっています。
怖さ:★★★☆☆
思春期:★★★★☆



『廃校綺談』(1997年)
「学校の怪談f」より
監督:黒沢清
脚本:大久保智康・黒沢清
メディア:VHS
販売元:ポニーキャニオン
取り壊しの迫った学校で、
それまで語り継がれてきた
学校によくある怖い噂や幽霊が
実際に姿を現し、こちらに浸食してくる‥‥
そんな世紀末的な世界を描いた作品です。
ローテクながらバラエティに富んだ
幽霊描写、恐怖演出が試されていて、
のちの黒沢作品の習作としても
見ることができます。
怖さ:★★★★☆
幽霊:★★★★☆



『木霊』(1998年)
「学校の怪談G」より
監督:黒沢清
脚本:高橋洋
原作:網野成保
メディア:VHS
販売元:大映
黒沢監督の作品では
設定上生きている人間も
この世のものではないのでは?
と思わせる演出が多々あるのですが、
まさにそんなムードが、オープニングのシーンから
ラストまでをおおっている作品です。
異形の怖ろしさより、
踏み入れてはいけない異界の怖さが
美しく描かれています。
怖さ :★★★★☆
超能力:★★★★☆



『花子さん』(2001年)
「学校の怪談 物の怪スペシャル」より
監督:黒沢清
脚本:香川まさひと
メディア:DVD
販売元:大映
黒沢監督は1994年にも
同じテレビシリーズで「花子さん」を撮っていて、
これは2001年版、2代目の「花子さん」です。
ストーリー自体も、
取り壊しの決まった母校に卒業生が集まり、
ふたたび花子さんを呼び出す‥‥という、
先にご紹介した過去の自作を
ふりかえるような内容になっています。
短編であることを活かした恐怖密度の濃い、
隙のないホラー作品です。
ちなみに黒沢監督の最新作『叫』では
この作品で登場する赤い頭巾の
花子さんを進化させたと思しき
女幽霊が登場しています。
怖さ:★★★★★
都市伝説:★★★☆☆



廃版VHSを求めて
Jホラー作品は劇場公開を主目的としない、
オリジナルビデオ(いわゆるVシネマ)
である場合が多いのですが、
1990年代のDVD移行途中に
VHSで発表されたものの中には
いまだDVD化されていない作品もあり、
今回もやむを得ず、廃盤のVHSタイトルを
3作品ご紹介しています。

数年前まではこういったレンタル難易度の高い作品も
古くからあるレンタル店を根気よく回れば
見つけることが出来たのですが、
最近レンタル店ではDVDへの切り替えが
急速に進んでいて、VHSの投げ売りや
払い下げ処分が目立つようになってきました。
こういった廃盤VHSは、
一度棚からおろされてしまうと、
復活することはほとんどありませんので、
気になる作品は見られるうちに見ておくことを
おすすめいたします。

イラスト:藤本和也

2007-08-21-TUE





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