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幽霊のつくりかた |
JホラーをJホラーたらしめている
重要なポイントのひとつに、
幽霊表現の新しさがあります。
それまでの幽霊は青いライトに照らされていたり、
二重露光で背景が透けていたり、
血まみれで恨み言をつぶやきながら
こちらに襲いかかってくる‥‥
というスタイルが王道でしたが、
リアルさを追求したJホラーにおいては
よく見ると不自然な位置に人影がある‥‥
といった、心霊写真や実話怪談にヒントを得た
演出方法が基本になっています。
初期作品に画質の荒いビデオ映像や劇中映画が
アイテムとしてよく登場するのは
その、ぼうっとしたあいまいさを
表現するためだと思われます。
その後、ポーズや服の色だけで
生身の人間(俳優)を幽霊に見せることに成功し、
それが動いたり言葉を発したりしても
恐怖を損なわずに表現できるようになり、
Jホラー幽霊の手法自体は
成熟の域に達してきましたが、
どうやら真に怖ろしい映像を撮るには
先天的な才が必要なようで、
全体の底上げはされても、
次々と傑作が生まれるという状況は
残念ながらいまだ訪れていません。
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