先輩自炊人たち、スパゲティを考える。その5
〜500円かけてつくるぜいたくパスタ〜
●カルボナーラの黄金律
中世伊太利の民間伝承にこんなものがある。
次男のベーコンは意地張りなきこり、
三男のパルミジャーノは頑固な蹄鉄打ち、
卵はすぐ泣く赤ん坊。
芸術家の生クリーム兄さんは
気まぐれな恋人の黒コショウにお熱さ。
けれどカルボナーラ母さんにだけは
みんな頭が上がらない。
あいや、ウソじゃ。わしがいま考えた。
カルボナーラを構成する素材の
わがままさ、個性の強さを伝えたくての。
しかし。わがままだけでは
味のハーモニーは出せないはずじゃ。
先輩自炊人たちは、そこをどう考えておるかのう?
今日は、ベーコンを使ったぜいたく編、
カルボナーラじゃ!
まずは、簡易カルボナーラからじゃな。
●わたしがよく作るスパゲティを紹介します。
お皿に、牛乳とベーコンを切ったものと、
とろけるチーズをいれて、
レンジにかけて溶かします。
そこへ、塩湯でしたスパゲティと、
溶き卵を入れて混ぜ、
レンジに数秒入れては取り出し、かきまぜる。
好みの状態になったら、コショウをかけてできあがり。
フライパンを使わない、かんたんカルボナーラです。
わたしは、これを、きしめんで作ってます。
スパゲティよりも、もちもちして、うまいのだ。
とろけるチーズは、パンにぬるチーズを使うと、
くどくなくて、いいですよ。(稲生 恭子)
ここにはさまざまな工夫があるぞ、よし!
素材はコンビニでもそろえることが出来、
調理用具も少なくて済む。
さらにきしめん……これはちょっと想像外じゃがな。
(やってみようかのう?)
●<和風カルボナーラ>
1.スパゲティゆでる
2.1をオリーブオイルでいため、しょうゆで濃い目に味付け
3.2に生卵1〜2個をまわしかけ固まらないうちに皿へ。
(saya)
こ、これは黒コショウも、 チーズも、使わないのじゃな。
それをカルボナーラと呼んでいいものかどうか?
いっそネギを刻み、海苔をかけて食したくなるのう。
卵ぶっかけ飯、のようにな。
続いては本格的な作法でのカルボナーラじゃ。
●ボウルに、卵+牛乳+パルミジャーノ・アッジャーノ
(粉チーズ)+黒コショウ+塩を混ぜておく。
(卵は白身は絶対絶対使用禁止。黄身だけより分けて使う!
ナゼって、君だけに作るから! もとい、
だまだまになっちゃうから食感悪化必至)
(さらに、コショウは粒々のやつをミルで挽いて!
しかもネジをゆるめて粗挽きに)
スパゲティはアルデンテ一歩手前! にゆでる。
オリーブオイルでベーコン(厚切りがうれしいところ)を
炒めておく。
そのフライパンに芯が2本残ったスパゲティを入れて
ベーコン&オイルと合わせる。
ちょっと加熱したら、ボールのソースに入れる。
ソースが予熱でトロッとしたら、
そのタイミングを逃さずすぐ食べる!
とにかく、絶対に譲れないのが、
・卵は黄身だけ使う。
・ソースは直火で加熱しない。
この2点。あとは変更可。(TATZ)
わしが知っとるイタリアンのシェフは
卵の白身も半分だけ使うと言っとったが
温度の加減がムズカシイじゃろうな。
以前わしも白身を全部入れてしまい
(もったいなくてのう)
ダマダマの非常に感じ悪いものができ上がって
辟易したことがある。
続いては、自信に充ち満ちたメールじゃ。
●カルボナーラの黄金比は
卵黄1、チーズ1、生クリーム1です!
材料は、茹でるスパゲティの半分の量のベーコン、
卵黄1人に1個分、パルメザンチーズ1人大さじ1、
生クリーム1人大さじ1(もしくは牛乳大さじ1+
バター小指の一関節分) 粗挽き黒胡椒、
白ワイン大さじ2×人数分(なくても可)。
1:塩を入れた湯でスパゲティを茹でます。
塩の加減は、海水より弱め。
2:油をひかないフライパンで、
好きなように切ったベーコンを
ごく弱火でいためます。
じっくり、油が出るように。
ベーコンがかりかりしてきたら、
白ワインを入れて、煮詰めます。
水気がなくなってきたら、
スパゲティを茹でているお湯を入れて、
焦がさないように。
3:ボールに、卵黄、生クリーム、
パルメザンチーズを入れて、よく混ぜ合わせます。
粗挽き黒胡椒を表面を覆うくらいたっぷり入れて
さらに混ぜておきます。
4:スパゲティが茹で上がるやいなや鍋からざるにあげ、
ベーコンの入ったフライパンに入れて
ひと混ぜし、すぐさま3のボールに移して
えぐりこむように混ぜるべし! 混ぜるべし!
5:あたためておいたお皿に移して、いただきます。
寒い冬場は、茹でたスパゲティをざるにあげ、
ふたたびもとの空の鍋にスパゲティを戻し、
そこにフライパンのベーコンとボールの
中身を入れて混ぜます。熱が逃げないようにね。
でも、卵が固まっちゃわないように、
注意してください。(RIKA)
黄金比とな! 古代ギリシア人も仰天じゃ!
非の打ち所がない、と言えようが、
ここでわしはあえて一言申し上げよう。
「パンチェッタを使ったらどうじゃな?」と。
この食材は“熟成ベーコン”とも呼ばれる
彼の地伊太利ではまさしくかつおぶしのように
使われている食材じゃ。最近は大手デパートや
スーパーにも並んでおるから、ぜひ試してみるのも
一興じゃろうて。
旨いぞ。ベーコンにこんな世界があったのか、
と思うくらい旨い。
禁断の扉を一枚開けてしまうがごとしじゃ。
しかし、手に入らない場合はどうしたらよいじゃろうか。
おお、よいアイデアが寄せられておった!
●ベーコンを使ったスパゲティ・ソース、
その前に自分でベーコン(のようなもの)を
つくってみるのも
自炊ならではの楽しみではないかと思います。
豚バラのブロックを購入し、
周囲に塩と胡椒をたっぷりと叩き込む。
その後冷蔵庫に放り込み(網のようなものの上に置いて)
乾燥するまで放置。ベーコンとは違うので
食べるとき加熱しなければなりませんが、
安い値段で本格的なパンチェッタ
(もどき)を味わえます。
これで作ったカルボナーラ、最強です。
(カロリーもね)。(かえる)
そうかそうか、その手があったか。
簡単なことじゃったな。
欲しいものがなければ、自分でつくる。
これぞ自炊の原点、じゃな!
明日は「ごちそうパスタ」の続編じゃ。
旨そうなレシピがたっぷりじゃぞ。待たれよ!
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