先輩自炊人たち、スパゲティを考える。その6
〜500円でつくるごちそうパスタ〜
●和のスパゲティを愛せよ
これまで先輩自炊人たちによる
数々のスパゲティ・ソースを紹介してきたわけじゃが、
わしはその底深くに流れる、共通の思いを見た。
それは、
われらがスパゲティは一皿で満足
でなければならん、ということじゃ。
ここが自炊と外食の違うところじゃな。
伊太利料理店のスパゲティはコースのなかの一品、
スープやリゾットと同じ位置のプリモ・ピアットであり
(なんだかスノッブじゃな、わし)、
肉料理や魚料理への前哨戦じゃ。
しかし、自炊のスパゲティは、違う。
「それだけでうれしい」「これだけでごちそう」
であることが、望まれるからのう。
さて、今回は、
スパゲティのなかでもとりわけ一皿満足度の高い
「和」のスパゲティじゃ。
覚えておるかな? わしがこの課題を出したとき、
「醤油はキッチンにある」と言ったことを。
そのことを先輩自炊人たちがどうヒントにしたか、
わしは非常に楽しみにしておったのじゃ!
ではまず、「材料を切らない」という
果敢なレシピじゃぞ!
●初めてこういったメールを書きます。緊張してます。
さて、毎回楽しく拝見しています。
みなさん、切ったり炒めたりと、
実にお料理してます。
でも、暑い夏の夜(朝でも昼でもいいですけど)には、
あまり手間をかけたくありません。
そこで、手間を最小限に抑えたスパゲティを
紹介したいと思います。所要時間約10分!!
しかも超安い!! けっこう旨い!!
栄養はちょっと心配ですが。
・作り方
(1)お湯を沸かしてパスタをゆでる(塩少々)
(2)その間にワカメを水でもどす
(パスタのゆで時間と同じくらいなので)
(3)パスタをざるにあげる
(4)パスタをゆでた残り湯でゆでたまごを作る
(5)ワカメを水からあげてかるく塩をふる
(6)ゆでたまごは半熟(ゆで時間3〜5分くらい)
(7)ソースをつくる
・ごま油と醤油を同じくらいの割合で混ぜる。
若干ごま油の方が少ないほうがいいかも。
でも、このへんはお好みで。
・さらに好みで鳥がらスープ、塩、コショウを
ブレンドしてもうまいっす。
(8)パスタの上にワカメと半熟たまごをのせ、
ソースをかけます。
お好みで紅しょうがを添えてもいいです。
(もちろんたまごの殻はむいてください。)
・召し上がり方
ぐちゃぐちゃに混ぜて頂いてください。
これぞ、男の料理!
冷やし中華みたいですが、けっこういけます。
パスタのつるっとした喉ごしと、
余計な具がないおかげで、一気に食べられます。
(まめ)
なるほど、和風(疑似中華風)サラダスパゲティ、
といったところじゃろうか。旨そうじゃ。
しかし、レシピに穴があるぞ!
スパゲティは茹でたあと、冷水でシャッキリ
冷やしておくべし、じゃな。
さらに、「ゆでたあとにゆで卵」では、
スパゲティものびる。
ソースはスパゲティを茹でる前につくり冷蔵庫で冷やし、
ゆで卵もあらかじめ作っておく、のがよいじゃろう。
しかしオリーブオイルではなく
ごま油を使うあたり、アイデアじゃな。
次はカンヅメを使った、しかし、豪華な一品じゃ。
●いわしスパゲティです。
1.めんをゆでます。ぐつぐつ。
経験上、こいつは細めんの方がおいしいです。
1.4mmとかオススメです。
塩は多め。お湯が海水になるくらい
ごぼっと入れてください。
あとで塩は使いません。
2.ゆでる間、フライパンにオリーブオイルを
ひたひたたっぷりたらし
押しつぶしたニンニクをほりこんで、
超とろ火にかけてください。
「超」です。2分位したらぎりぎりぷつぷついう程度。
タマネギはうすくスライスして待機。
オイルサーディンは缶を空けて出したほうが
食べやすいです。
3.パスタゆで上がりまであと1分くらいで
もうザル+ボウルにあげます。
ザルはお湯から「あげないままで」置いときます。
余熱で最後のひと茹で、ですね。
この時間に具を炒めましょう。急いで。
4.超とろ火を一気に強火に。タマネギを入れて
さっと炒め、お酒を適量振りかけます。
すかさずいわしをポン。缶のオイルは
半分くらい入れてみましょう。
フライパンにフタをして30秒蒸し焼き。
5.ここでザルからパスタをあげ、フライパンへ。
パンは強火のままです。
具がなめらかに絡まるよう、茹で汁を少し入れます。
この塩味がまたいい塩梅に効きます。
6.パスタが水気をうまいこと吸ったら出来上がり。
フライパンに油や茹で汁がほとんど残らないことが
成功の目安です。
お好みで醤油をかけて喰ってください。
<アレンジ>
・ツナ缶にするとさらにリーズナブル
・鯖の味噌煮缶は意外に合いますが、
さんまの蒲焼き缶ははずします。
イワシの場合は味なしのものにしないと、
ひどい目に遭います。
・カラミを効かせる場合は鷹の爪投入。
タイミングは超とろ火段階です。(オカモトヒロユキ)
オカモト殿、かなりの試行錯誤の結果じゃな!
さぞやひどい目に遭ったのじゃろう(さんまやいわしで)。
君の失敗のおかげで、後輩自炊人たちがどれだけ助かるか、
礼を言うぞ! ありがとう!
フト思ったのじゃが、ここに「レモンとわさび」を
ほんの少しトッピングしてみたくなった。
彩りとして、あさつきもよいかもしれんな。
続いては……「完全メニュー」じゃと? どうれ、どれ。
●本日は「あら、ゴーカ」版を
紹介させていただきたいと思います。
いつもいつもペペロンチーノでは
飽きる方もいらっしゃるでしょう。
また、彼(彼女)の突然の訪問で
格好のいいところを見せたい時もあるでしょう。
しかし、人間突然のことで焦ると
たいてい思わぬ失敗を招くものです。
しかしこれはどんなに焦ろうが初めて作ろうが
絶対に絶対に失敗しない「完全メニュー」です。
是非ぶっつけ本番で作ってみてください。
材料:経験から言って二人前
皮のついた鶏肉(ササミはダメです)300g
にんにく 一片
生姜 にんにくと同量位
紙容器に入ったマーマレードジャム1瓶
醤油
みりん(みりん風味でもよい)
作り方:
鶏肉を一口大に切ります。
にんにくと生姜は薄切りにします。
すべてをそのまま鍋に放り込みます。
マーマレードジャムを一瓶丸ごと鍋に入れます。
(スプーンで容器の周りをくるりと一周させると
ぱこっと取れます)
その空になったジャムの容器に醤油を
瓶の半分位まで注ぎ鍋に入れます。
空になったその容器にこんどはみりんを
醤油の半量位注ぎ鍋に入れます。
もう一度その空になった容器に
こんどは水をなみなみ一杯注ぎ鍋に入れます。
全体が混ざるように(大体でいいです)
かるく5回くらい混ぜます。
あとは鍋にふたをして弱火で20分程煮ます。
焦がさないようにたまにふたを開けて
やばそうだったらさらに弱火にして混ぜてみてください。
これでソースは完成です。
あとはゆであがったパスタをお皿に敷き
ちぎったレタスをその上に敷き
その上に飴色になった鶏肉を乗せ
最後に鍋の底でぐつぐつしているソースを
たっぷりかけます。
このレタスのおいしいことと言ったらありません。
ホット照り焼きチキンドレッシングといった感じです。
鶏肉をササミなどの皮(油)の少ないものにしてしまうと
このおいしさは出ません。
ここさえ押さえれば絶対に失敗はありません。
是非おためしください。
もちろん若芽スープも忘れずに。(そのだもちこ)
マ、マーマレードを2人でひと瓶とな!?
これは予想がつかんが、
鳥(の、モモなど脂の多い)肉は
甘辛く煮るとたしかに旨いから、
そういうことなのじゃろうな。
なによりそのだ殿の自信あふれる語り口に
わしも、たじたじじゃ。やってみるぞ、わしも。
続いては、「和風冷製」じゃ。
●最近、自分でお昼を作るのが楽しくなってきた
19歳の専門学校生です。
「夏バテ気味は梅風味で行こうパスタ」を紹介します。
<材料>
・パスタ......一握り
・しめじ......少量
・ニンジン......少量
・きゅうり......少量
・レタス......少量
・ハム......1枚程度
・めんつゆ......大さじ3杯ぐらい
・水......大さじ4杯ぐらい
・市販のしそドレッシング
......小さじ1/2より少し少ないぐらい
・梅干し......1個
・塩......少量
・コショウ......少量
・オリーブオイル......本当に少量
こんなもんだったかな?
<作り方>
1.ニンジン、キュウリ、ハムは細長く切る。
しめじとレタスはお好みの大きさにちぎる
2.しめじとニンジンはお湯の中にいれて火を通す
(ちょっと煮る)
3.めんつゆを水で薄める。甘口のめんつゆなら
水は多めに、薄めたら、
しそドレッシングを少量加える。
*しそドレッシングは多くいれるとやたら
しょっぱくなるので注意。
そしたら包丁で叩いて練った梅を加えて
よくかき混ぜる。
4.1、2、3の行程でできた材料を
冷蔵庫か冷凍庫の中に入れて冷たくしておく。
5.パスタをゆでる
(袋に書いてある時間よりちょっと長めにゆでる)
6.パスタがゆで終わったら、湯切りをした後水で
洗う。その後、オリーブオイルを少量垂らして、
塩とコショウを少量まぶしたらよく混ぜる。
7.そしたら3で作ったたれを大さじ1〜2杯ほど
入れてよく絡める。
からまったら1と2で出来た具を入れ、
少しずつたれを入れていきながら
パスタと具を絡めていく。
たれの量は個人で調節しよう。 (sina)
これはフォークではなく箸で食べたくなるのう!
涼やかでよし!
ハムのかわりに、蒸し鶏や焼豚を使っても旨いじゃろうな。
さて次は……と思ったが、欲張るのもいかんのう。
和風スパゲティの女王「たらこ・めんたいこ」が
控えておるが、 それはまた明日、ということにしよう。
待たれよ!
-------------------------------------------------
みなさんのレシピ、引き続き募集していますよ。
メールでjisui@1101.comまでお送りくださいね。
もちろん、通常のおたよりもお待ちしていますよ!
ワシじゃ。メール待っとるぞ。
|