自炊初心者のための道具ガイド 番外編
〜我はこう炊く〜
自炊老人じゃ! そもさん!
と、勢いよく次の議題を出そうと思ったのじゃが、
世の自炊人たちから「我はこう炊く」のメールが
どさどさ届いておる。
(電子メールじゃから「どさどさ」という音はせんが。
しかしわしのメーラーは「キョロ〜ン」じゃからなあ。
へんな音じゃ。あ、いきなりわき道それた、すまん)
というわけで今日は「鍋」番外編を続けることにした。
これが、読むと、腹が減るのじゃ。
とくに「コメ好き」の者は、覚悟!
まずは「こんなんでめしを炊く!?」がテーマじゃよ。
●今日初めてアクセスしました。
自炊(たいがい一人分ですよね)の場合、
横川の「峠の釜飯」の釜で炊くのが一番だと思い、
長年そのようにして炊いております。
時々割れてしまうという欠点があるものの、
長野新幹線開通後も、幸いなことに釜飯は
しぶとく生き残り、当分の間補給にも
問題は無いかと思われます。(針魚)
にゃあるほど! 峠の釜飯が旨いのじゃから
その器で炊く白米も、旨いにちがいないな。
しかしテクがわからん。どうすりゃええのじゃ?
と思っていたら、この自炊人への援護メールが来た。
●はじめまして。
自炊、したくても、したくなくても、
しなければならないシュフです。
「おいしいごはん」の炊き方について
話題沸騰のようなので
私のお気に入りのワザをご紹介します。
圧力鍋で炊くごはん、スピードは魅力だけど、
少ない量を炊くには向いてないですよね。
それは炊飯器でも似たようなもんで、1合のごはんは
炊いて炊けないことはないけど、いまいち。
で、普通は一度にある程度の量をまとめて炊いて、
♪ラップして、ジップして、フリージングして、チンよ!
となるわけだけど、これは「具なし炊き込みごはんもどき」
よりは格段においしいものの、
やっぱり炊きたてのホカホカにはかないません。
そこで、1合のごはんをおいしく炊く、よい方法をひとつ。
それは、あの「釜めし」のお釜で炊くこと。
量が少ないだけにすぐに炊けて、おまけにおいしい!
カリカリと香ばしい、モノホンの「おこげ」も楽しめます。
炊き方は簡単。よくといで水加減したお米をお釜に入れて、
はじめチョロチョロ、なかパッパ・・・のとおり。
水加減を間違えない限り、
基本的にはおいしく仕上がります。
少々失敗したところで、
おいしく炊けないってことはない・・・はず。
白いごはんとして食べられる量がちょっとばかり
少なくなって、「おこげ」と呼ぶにはあまりにも
「炭」に近い部分が増えるだけのこと。
気をつけるのは、あの「お釜」でお米をとがないこと、
かな。まぁ、あの中に手を突っ込んでお米をとげる人は
少ないだろうから蛇足かもしれないけど、
ザブザブ水流してぬれたままのお釜を
そのまま火にかけるってのはキケンなのでは!?
私はやったことないから、ホントのところは
わからないけど、底がぬれたままの土鍋を火にかけると
割れるってことだから、同じ構造(だと私は思う)の
土のお釜をぬれたまま火にかけたら
割れるかも知れないでしょ?
後始末を想像しただけでコワイ!
お釜をどこで手に入れるかについては、
別に横川駅まで行かなくても、
陶器やさんで扱ってるところがあるので、さがしてみてね。
もちろん、デパートの「全国駅弁大会」で
調達するっていう手も・・・(笑)。(Akie Cyo)
にゃあるほど。釜飯の釜は土鍋の一種なのじゃな。
「はじめチョロチョロなかパッパ」というのは
「赤子泣いてもフタとるな」というやつじゃな。
最初は弱火で、沸騰したら強火にし、
水がなくなってきたらとろ火、ということじゃ。
フタとるな、と言われるが、ふきこぼれることがあるので
フタと鍋の間に割りばしをさしても、まあ、平気じゃよ。
しかし、釜飯用の釜は土鍋じゃから
ふつうの土鍋でも炊けるということか?
と思っていたらこんどはこんなメールをいただいた。
(自炊人たち、なんでこんなに思いが一つなんじゃ!?!?)
●圧力鍋の話題で盛り上がっているようですが、
私は土鍋炊飯をおすすめしようと思います。
圧力鍋はちょっと敷居が高いなあ、と思う方は
是非お試しください。
以前、我が家の電気炊飯器が壊れ、暫時土鍋で炊飯しよう、
ということになりました。
普通の鍋物用の8号土鍋でチャレンジしたのですが、
意外と簡単に、しかもおいしくごはんが炊けたのには
驚きました。
おかげでその後も新しい炊飯器を買うことなく、
土鍋炊飯が我が家の定番となってしまいました。
土鍋炊飯のメリットは、その保温力にあります。
炊飯の最大のポイントは、
火を消してからの「むらし」にあります。
土鍋は保温力が高いため、多少いい加減に炊いても、
むらしがきっちりできるおかげでカバーできるのです。
おいしく炊けたごはんは、冷や飯になったときに
味が歴然と違います。
土鍋炊飯のデメリットとして、
鍋物の時期に土鍋が占領されていると困る、
と言うのがあります。
我が家では、とうとう陶芸家の友人に頼んで、
めしたき専用の土鍋を焼いてもらいました。
羽釜のように内部の対流がよく、
ふっくらおいしいご飯が炊けます。自慢です。↓
http://member.nifty.ne.jp/shizumin/tool/mesinabe.htm
(水底 沈)
これは、すごい! HPを拝見したが、
吹きこぼれないようにフタが落ち込み式になっとる。
それにカニ穴!(炊き立てのゴハンの表面にできる
プツプツの穴) あ〜うまそうじゃ。
この土鍋、ほし〜〜〜! あいやすまん、物欲が。
水底どののHPには、炊きかたの詳細も出とるで、
ぜひ参考にしてほしい。わしもやってみるよ。
続いてはアンチ物欲というか、
「これでも炊けるぜベイベエ」な骨太メールじゃ。
●いつも楽しく読ませてもらっています。
今は実家にいるので自炊していませんが、
大学に通っていたときは自炊でした。
私は、山登りをします。圧力鍋を山に持っていけません。
ご飯は、いつもはんごうで炊きます。
それで十分おいしいのが炊けます。
別にはんごうでなくても、普通のなべで十分です。
山から下りると、電子ジャーで炊いていましたが、ある時
「電子ジャーなんぞ、つかわんでもご飯は炊ける。
保温で電気代もたこーつくし、
便利とかコマーシャルに騙されているんじゃないか?」
と思い、それからはずっと、はんごうか普通のなべで
ご飯を炊いています。
おいしいです。
僕の炊き方です。
水は、はんごう(なべ)によって、微妙ーに違いますが、
大体、人差し指の第一間接(くるぶしと言う人もいる)。
はんごう(なべ)をコンロにかけ、火力は
(そのコンロが出せる)最大。
吹きこぼれたら、火力は(そのコンロの)最小。
とろとろで、火が消えるぐらいまで落とす。
蓋が、パカパカ言わないように、上に何か置く
(皿とか、山なら石)。
後は、待つ。ひたすら(そんなに待たないけど)待つ。
水分がなくなって、プクプク言わなくなったら、
火を止める。
心配だったら、蓋開けてみてもぜんぜん大丈夫です。
あとは、蒸らす。
簡単です。
部活で、新入生と山に行った時のことです。
テント場について、さー飯だ、となべと米を渡しました。
すると「米、どれぐらい洗えばいいんですか、
水どれぐらい入れるんですか、僕、わかりません」
同期の奴と唖然としてしまいました。
怒るわけにもいかず「水がもったいないから、
一回ごみを取る程度に洗って、大丈夫、死なない。
水は、適当。僕は、人差し指の第一間接あたりを
目安にしてる。そんなにきっちり計らなくても
ご飯はおいしく炊けるよ。」
よくよく考えれば、電子ジャーでしか
ご飯が炊けない人って、結構いるかも。
ご飯は、電子ジャーで炊くもの、食べるもの。
という常識は、少し怖いことかもしれません。
(奥本康之)
むかぁし、さだまさし氏が「ガスで炊くはんごう飯は
ウマイ。僕はずっとそうしてた」と
なにかで話しておったのを覚えとるよ。
はんごう飯の旨さは、薪で炊くという飯ごう炊さんの
「場」が与えるムードゆえ、かと思っとったが、
そればかりでもないようじゃな。
わし、思うのじゃが、
「自分で苦労して炊いた飯は、うまい」
ということでもあるかもしれんな。
飯ごう炊さんの飯は、缶詰めのオカズでも
じゅうぶん旨いしのう。
さて、圧力鍋の余波もまだあっての、
わしの好きな「牛すじカレー」の応援メールじゃよ。
●初めまして。
お盆あけくらいから、自炊人も読み始めた新参者です。
実家生ですが、自炊好きですので、
いつかメールを書きたいと思いつつ
なかなかきっかけをつかめず。
しかーし!!!
「牛すじカレー」6文字を見てしまった以上、
今書くしかないでしょう。
我が家では(私は23歳ですが)、
圧力鍋は物心ついたときにはあったように思います。
しゅっしゅっしゅっしゅと夕方になると
圧力鍋は活躍していました。
そんな圧力鍋の用途として、私が一番心ときめいたのは
言うまでもなく「牛すじカレー」です。
スーパーへいくと、必ず牛すじをチェックしてしまうのは
小さい頃から、あのおいしさを叩き込まれたせいでしょう。
初めて好きな男性に作った料理も「牛すじカレー」でした。
彼的には、「ふ、カレーね。」という感じだった
らしいのですが、材料を見て、びっくり、
食べてまたびっくり。
ふふふ。私の読みどおりの結果となったことは
いうまでもありません。
高い牛肉にも、決して劣らないと思います。
というより、勝っている! と。
あの柔らかさ、あの甘さ。
カレー自体をどれだけ辛くしようとも、
一服の清涼剤のようにほんわかした甘さで、
お口を癒してくれるのです。
友人に言っても試してくれませんが、
食べさせるとはまります。
そしてその友人たちは、普通のなべで挑戦して、
戦いに敗れ、我が家へやってきます。
細かいことはいいません。
おいしいカレーライスを食べるためだけに
圧力鍋を買ったとて、決して損はしないでしょう。
(ハニ)
ああ牛すじカレーが食いたいのう……。
よく煮込んだ牛すじとトマトのカレーに
最後に茄子を入れてみようかのう?
決めた。週末はカレーじゃ。
しかし牛のアキレス腱でオトコをメロメロにした女は
ハニ殿、あんたぐらいのものかもしれんな。
かっかっか。
さて圧力鍋だけでなく、
ほかの便利な鍋にかんするメールもいくつかいただいておる。
まとめて御紹介しておこう。
たぶん、これでも、カレーはうまく作れそうじゃな。
●電気炊飯器が壊れました。
思い切って「はかせ鍋」で米を炊いてみました。
おそろしく美味く炊けました。しかも加熱時間は約5分。
修理に出すのを止めようかと思っています。
ちなみにカタログハウスの回し者ではありません。
(ゆいこ)
●自炊老人さま、はじめましてでございます。
ここのところ、圧力鍋のお話で
盛り上がっているようですね。
確かに圧力鍋で炊いたご飯はもちもちしていて
美味しいです!! 私の実家でも25年ほど、
圧力鍋のお世話になっています、が!!
私自身はどうしてもダメなのです。
あの「シュッ・シュッ」も怖いですし、
ちょっと目を離す・・・ということができません。
どちらかというと手際のよろしくない私には、
使いこなせません。
そんな私のおすすめのお鍋はサーモスの
「シャトルシェフ」です。
ステンレスの魔法瓶と同じしくみの保温容器と
普通に火にかけて使うお鍋でワンセットになっています。
ガスや電磁調理器で短時間加熱した後、
保温容器に鍋ごと入れると高温を保ってくれるので
「とろ火」調理のような状態になります。
シチューやおでんなど、煮込み料理にはもってこいで
朝のうちに材料を切って、10分ほど加熱します。
あとは保温容器に入れておけば、出来上がりでございます。
ご飯も30分水につける
→中火で加熱
→沸騰したら弱火で8分
→保温容器で15分・・・でできあがり。
圧力鍋に勝るとも劣らない炊き上がりですよ〜〜〜。
パスタを茹でるのにも大活躍しておりまして、
ふきこぼれる心配もなく、
しっかりアルデンテ〜でございます。
このお鍋の一番の利点は、保温状態にしたら、
火を使わないことでございましょうか。
仕込んで外出もOKなら、汁物を入れておけば
温めなおさずにすむのでございます。
ガス代も安くなりますよ。
我が家は5リットルの大きなものを1万5千円くらいで
購入しましたが、単身者には2リットルか3.5リットル
のほうがオススメです。(ひめこ)
●真空保温調理なべ。
私は独身時代、殆どコレにお世話になっていました。
朝に10分早起きして、鶏肉と野菜を突っ込んで、
シチューの素と水を入れて10分煮込んで、
火から下ろして保温なべの外側となる
頑丈な容器に入れて出社。
帰宅したらよ〜く煮こんだシチューが出来あがっています。
残業も気分的に余裕を持って出きるもの。
鍋の構造は早い話がマホービンの原理なんですけれどね。
シチューの以外には寒い日に豚汁、カス汁、夏はカレー、
ハンガリーグーラシュ、
帰宅後の楽しみがこの鍋を買って一気に増えました。
朝の早起きで夜はヨユー。煮物も作りましたねぇ…
豚の角煮は下ごしらえだけ前の晩にやっておいて、
後は会社で上司に嫌味を言われている間に、
勝手にとろ〜っとなってくれちゃうわけですから…
えへへ。日本酵素から出てます。(rica)
ふうむ。ゆいこ殿、ひめこ殿、rica殿、
メーカーは異れど、どうやら同じようなタイプの鍋について
書いてくださったようじゃな。
これは存在は知っておったが、使ったことがないのじゃ。
圧力鍋と同様、使ってみると非常に便利、という
カルト的人気の鍋だときくぞ。
さて、今日はこのへんで。
次回こそ次のお題発表じゃ!(たぶん)
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みなさんのレシピや、
自炊に関することがらのメール、お待ちしてます!
jisui@1101.comまでお送りくださいね。
よっこらせっと。
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