世紀またぎ番外編 その4
〜プラハからの手紙〜
あーモチがうまい。たまーにしか使わない
(というか、ほとんど、正月しか出さない)
塗りの椀に切り餅3個、白菜、オカカたっぷり。
あーうまうま。しかし、まぐろを使った昆布巻きは、
まぐろにあぶらが多く、ちとしつこい仕上がりに。
これはやっぱり赤身のほうがよかったかな。
かずのこは、ちょっと塩出しが足りず、
やや、しょっぱかったが、うまかった。
鴨の酢煮は成功。蒸し鶏は、烏龍茶がなかったので
プーアル茶でやってみた。ショウガとネギのせてな。
そしたら、意外に、これまたうまかった!
(これ、おすすめじゃよー。塩胡椒した鶏モモを
プーアル茶葉を入れた湯で蒸すんじゃー。
中火で10分、火を止めたらその汁につけこんで
室温にもどし、斜め薄切りにして供するんじゃよ)
今日はのんびり、たつくりと、なますをつくるぞ。
さて、正月二日、帰省中の自炊人も多いなか、
きょうは、プラハでひとり正月を迎えるshinoどのからの
こんなメールを紹介しよう(31日に、いただいた
メールじゃよ)。shinoどのはせんだって、
鼠穴のダイニング部で腕を振るわれた方じゃよな。
遠い町でおせちをつくるshinoどの、エライ!
●こんにちは、プラハからです。
そちらは大晦日もそろそろ終わりですね。
自炊老人さんもおせち料理が完成した頃でしょうか。
私はおせちの仕上げの途中、小休止です。
名付けて「限界に挑戦−プラハでおせち」
すでに4回目を迎えました。
そもそも駐在していた商社マンの奥様が、
こちらを引き払う時に日本食の材料を
しこたま私にめぐんでくれたのがきっかけでした。
ゴボウ、ハス、里芋などの素材缶がたくさんあったので、
どうせならおせち料理にしようと。
プラハで日本食材は月に一度買えますが、
注文制で旧東ドイツから運ばれてきます。
値段は日本の3〜4倍。とても手が出ません。
その当時は私もほとんど日本に帰らない生活を
していましたので、いただいた食材は
本当に貴重品でした。
最近は私も日本に帰る機会が増えているので
材料を用意することもできるのですが、
あえてそれをせずに、いきあたりばったりを
楽しんでいます。それでも到来物や、
大切に使っている日本製の乾物類、調味料は必需品です。
最近では冬でも色の付いた野菜が買えるように
なりましたが、かつては通称「フランス八百屋」と
いう外国人御用達の高級八百屋だけが頼みの綱でした。
そこに行けば、「普通」の野菜と果物が手に入ります。
でも、何てことはない野菜でも高級品なので、
そうしょっ中は買い物できません。
最近は周りの物価が追いついてきたせいか、
飛び抜けて高いということもなくなり、
気軽に利用できるようになりました。
今回はここで、さつまいも、絹さや、いんげんを購入。
あとの野菜類は市場やマーケットで
揃えることができました。なます用の大根は
しょぼくれたのしかなくて、3件も探し歩きましたが・・。
白インゲンと黒豆はカントリーライフという
ヴェジタリアン・ショップで購入。
ここは梅干しやちょっとした乾物類の他
時々納豆も売ります。でも味はかなり怪しい。
以前は日本の醤油(ただしフランス製)も
手に入ったのですが、
それがなくなってとても困っています。
こちらには肉屋と薫製屋があります。
鶏肉(他の鳥類も)は別扱いです。
私はいつも近所のマーケットで買います。
量り売りはしてもらえませんが、新鮮なのと、
鶏や兎、ダックなども一緒に並んでいるので。
今回は鶏肉を予定してましたが、クリスマスの売れ残りで
ホールかレッグしかなく断念。
もともと丸のままが一番安く、手羽先など
各部位ごとに売るようになったのはここ数年です。
鶏はささみ以外はみな骨付きなので、
下ごしらえが手間ですが、
骨はスープをとるのに使えるので慣れると便利です。
牛や豚の薄切りはもちろんありません。
鶏肉(その他の鳥類も)は魚と同じくくりで、
以前は鯉や鱒と一緒に売られていました。
海の魚は、最近は大きなマーケットに少し
出回るようになりましたが、全て冷凍。
市内にはベルギーからの魚屋が2件あるので、
新鮮な魚が必要な時はここへ行きます。
と、なんとなくプラハの食事情を書きましたが、
今年予定しているおせち料理は・・・
■栗きんとん
■黒豆と白インゲン
■なます
■錦(二色)卵、味付け卵
■高野豆腐の炊き寄せ
■きんぴらごぼう、切り昆布の煮物
■鮭缶のテリーヌ(蒲鉾の代わりに)
■チェコ代表「豚肉のゼリー寄せ」
■豚の照り焼き
■ぬた
これに到来物の「昆布巻き」「鮎の甘露煮」。
出来合いのものはこの2品だけです。
栗きんとんの栗は秋に日本からお土産にいただいたもの。
茹でて皮を剥いて冷凍しておきました。
きんぴらはフリーズドライのゴボウを使って。
豚肉のゼリー寄せはお隣のお婆ちゃんのお手製。
ぬたは、おつまみ「酢ダコ」で作ります。
ごまめを作ろうと思っていたのに、いりこが切れて
ました。うちのは甘辛の醤油タレではなく、
砂糖に生姜汁と酢を数滴落として火にかけ、
泡立ってきたところに、いりこをいれてからめます。
白い砂糖衣がかかったごまめ。美味しいですよ。
桜エビで代用して作ってみようかな・・・
青物がたりないと思ったら、珍しく生のほうれん草が
ありました。ごま和えにでもするかな。
おっと、長くなってしまいました。
そろそろ台所に戻ります。
では、どうぞ良いお年をお迎え下さい。
2001年も自炊生活者に愛を。
(shino)
うんうん、shinoどの、がんばっとるのー。
チェコといえばガラスや磁器が有名じゃから
shinoどののおせちも、お重ではなく、
そういった器に盛られるのかのう?
甘いごまめ、知らなかったぞ。
すし酢であえてゴマをふる、というのは
わし、日常的につくるがな。
しかしうまそうなのが、隣のおばあちゃんの
「豚肉のゼリー寄せ」じゃ。チェコ料理なのに、
とてもおせち的に思えるのう。
さて、もう一通、こちらも一人暮らしの雑煮。
●一人暮しを始めてからも、
元旦のお雑煮は欠かしたことがありません。
家にいる時ももちろんそうでしたから、
もう35年くらいやってるんだなぁ・・・。
家のお雑煮は野菜とかいっぱい入ったやつでしたが、
自分で作るのはトリと椎茸とネギか三つ葉を入れた
シンプルなものです。
お餅は四角い焼いた餅。
ちょっと濃い目のしょうゆ味で、
最後にお湯を足して汁を飲むんだ。
ちなみにワタシは岩手出身です。(よっち)
お湯を足して飲む、ということは
かなりしょっぱーい、んじゃろうな。
わしも明日はちょっと違う雑煮をつくってみよう。
ほんでは、正月を楽しんどくれな。
また明日!
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イラスト 小林ひろこ
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