フライパンひとつで何をつくる? その10
〜どんぶり、餃子、イタリアン〜
京都の漬物を、また、いただいた!
(京都に行くたび、買ってきてくれる友人がおっての、
ああ、便利じゃー)ああ、うまいったらない。
白菜、壬生菜、赤かぶ、すぐき、ゆず大根、
菜の花の古漬、千枚漬。みーんなうまーーーーっ!
めしがすすんで、いかんなー。
ちなみに、おかずは、湯葉と生麩の炊きあわせと
フライパンでソテーしたかじきまぐろじゃったよ。
さて、今日はこの質問から。
●拝啓、自炊老人様。
先日は私のつたないレシピを掲載してくださいまして、
ありがとうございました。
自分の投稿をメディアのなかで見る、という
生まれて初めての体験、それはもう筆舌に尽くせぬ
感動でした…。
早速夫にもメールで知らせました。正月休みも終わり、
また赴任先で頑張っています。
ところで、9日付のコンテンツのなかで、
“あらじお”についてふれられていましたよね。
我が家でも博多の天然塩を使っています。
天然塩って、精製塩に比べて、
とてもしっとりしていますよね。
薄く、まんべんなくふりたいとき、
ちょっと使いにくいなあ、
と思うのですけど、天然塩のおいしさをそのままに、
サラサラにする、または使いやすくする方法は
あるのでしょうか?
それともやはり、こんなことを考える私は
まだまだ修行が足りないのでしょうか。
どうか自炊老人様、この未熟な主婦に、道をお示し下さい。
(さんご)
むむむむ。たしかに天然塩はうまいが、水分があるし
粒が粗いから仕上げ用には向かんな。
わし「シチリアの塩」というのを使っとるが
これははじめから、しっとりタイプとさらさらタイプを
売っておったよ。そういうのを用意する、というのもテじゃ。
でも、あらじおをサラサラにしたいのなら、
フライパン(油はひかずに、な。あ、テフロンがいいか、
こういうときは!)を熱し、木ベラでまぜながら
中火で煎る。しばらく根気よく煎ると、
水蒸気が飛んでサラサラになるよ。
しかし粒子は粗いままじゃから、もっと細かくしたければ
岩塩用のミルで挽いてみてはどうかな?
(↑しかし、やったことはないから、有効かどうかは知らん)
ところで、なぜ天然塩が「うまい」のかというと、
ナトリウムだけの精製塩にくらべ、
天然塩には自然のミネラル(微量元素)が
たーっぷりだからじゃよ。
さて、今日も元気に「フライパンひとつ」行くぞーっ!
まずは、以前紹介した、小林画伯の「トマトと卵を炒める」
への、アンサーメールを紹介じゃ。
2つ続けて行くぞー。
●自炊老人様
いつも楽しく拝見しています。
本日掲載の小林画伯の「トマたま」ですが、
これはれっきとした中国家庭料理です。
(料理の名前は忘れちゃいましたが)。
以前中国に旅行した時に食べて以来時々作っていますが、
調味料に砂糖を加えるのがコツのようですよ。
私は卵とトマトが嫌いですが、
なぜかこの料理は大好きです♪
御参考まで。
(Fumi/25歳OL)
●トマたまスープ
使うのは中華鍋ですが、
小林さんの「トマたま」をスープ仕立てに
したようなしろものです。
油を熱し、卵を炒めトマト、次いで水を投入。
味付けは塩、唐辛子(好きなだけ)しか使いません。
トマトはジュースでも可です。
まず、ラーメン、素麺などを茹でておいて、
スープのでき上がり寸前に入れるとか、
ご飯にかけたり、雑炊風に煮込むのも悪くないです。
蒟蒻ステーキ
蒟蒻は茹でて灰汁抜きし、
両側表面に斜め格子状に切り目をいれます。
ごま油を熱し、水気を拭き取った蒟蒻を入れ、
火膨れ状になるまで両面焼きます。
火を止め醤油を絡ませてでき上がり。
スペイン風オムレツはフライパンに合わせ、
じゃがいも中3個、卵6個程度使いますが、
賽の目に切ったじゃがいもは、油で揚げて使うと
コクも、ボリュームもたっぷりのおかずになります。
(千早)
トマトと卵はキライなのにトマたまは好き、
というのもすごいな、Fumiどの。
よっぽどうまいんじゃろう!
トマトは、それじたいにうまみがたっぷりあるから
ほかの調味料がなくても、じゅうぶんにうまいんじゃな。
砂糖、は、酸味をおさえる役目かな?
(これは、好き好きで。)
千早どのスープ版も、うまそーじゃ。
で、蒟蒻ステーキじゃが、
わしはタカノツメ(トウガラシ)をきざんで
タネごと入れるのが好きじゃよ。
ものすんごく、辛くなるが。
続いてはこちら。
●なんか簡単すぎてなんですが・・・
エビです。
お正月に各自一人暮らしの3人家族が寄ったとき
夜中の1時に作って好評でした。
エビ:アルゼンチン産赤エビ(なんでもいいんだけどね)
香辛料:フェンネル(多め)・ローズマリー
オリーブオイル、またはバター
エビを背開きにして上記香辛料をガッパリふります。
フライパンを熱して
オリーブオイルまたはバターを加えた中に
エビの腹側から焼きます。
フライ返しでジュッって押して焼きます。
ひっくりかえしてさっと焼いてお皿へ・・・
エビを冷蔵庫から出してから「いただきます」まで
10分かかりません。うまいですよ。
(でもほんとは、香辛料をふってから
15分ほど置いたほうがおいしいみたいだけどね。)
(Chii)
赤エビ? 甘エビ(ほっこく赤エビ)のことかな。
あ、でも、この調理法じゃから、きっとイタリアンでも
使われるところのスカンピ(あかざエビ)かな?
これは「ごちそう感」があるから、
気楽な友人をもてなしたりするときに
たっぷりつくると、ええと思うよ。
次はこれ。黒七味を使うとな!!!
●はじめまして!! 自炊老人様。
ほぼ日、毎日楽しませてもらっています。
かれこれ自炊暦も7年目になり、
いろいろ作りましたよーー。
自炊をより楽しくするヒケツ=調味料にこだわる!
だと気づいてから、
いろんな調味料を捜し求めてマス。
調味料ひとつで、「ここ料亭??」って感じの料理が
できてしまうので、びっくりです。
そんな私の最近のヒット商品は
「京都・原了郭の黒七味」!!
これはもお、ほんとに絶品!
その黒七味をつかったカンタン料理を・・。
☆☆☆オイルサーディン丼(1人分)☆☆
オイルサーディン缶・・1缶
長ねぎ・・4/1〜1/3本くらい
ごはん・・どんぶり1杯(好みの量で)
しょうゆ・・少し
黒七味・・適量
1.ねぎはあらみじん切りにする
2.フライパンを熱し、オイルサーディン缶の油をいれて
熱し、油に火がとおったら
オイルサーディンを入れて炒める
(油の量は好みで・・いれすぎは×)
*勢いが大事なり。
3.ねぎを加えて十分に炒める
4.しょうゆで味をととのえる(フライパン半周くらい)
5.どんぶりにごはんをよそり、4でできた具をかける
6.黒七味をたっぷりかける!!
こんなにカンタンでほんとにおいしいんです!
黒七味がないとできないジャン!
なんて突っ込みもありそうなので、そーゆー場合は
普通の七味唐辛子でも、アリ・・・ですが、
是非「原了郭の黒七味」で食べていただきたい!
あ、ちなみにこの前どっちの料理ショーで、
関口宏さんもしょうかいしてました、黒七味。
(天丼にかけてた)
そんな感じで、調味料にこだわる自炊っつーのも
楽しいものです。ではまた!!(NORICOM)
うんうん、わかるわかる。わしも調味料好きじゃ!
沖縄のコショウは、まだ大事に使っとるし
エスニック食材に行くと、ついつい、
わかのわからん調味料買っちまうし。
(タイ食材屋で買ったのが、虫をすりつぶしたものじゃと
わかって、驚愕したこともある!)
で、黒七味、うちにもあるよ。うまいよなあ。
あれ、ふつうの七味よりも、念入りに練り込んであるんだ
そうじゃな。NORICOMどののこのレシピ、
シンプルだけに、黒七味が欠かせないんじゃろう。
(やってみよっと)
次も「どんぶり」じゃよ!
●自炊老人様
毎回楽しみにしています。
ご飯が用意してあるということですので、
家族に好評だった「変わり親子丼」を紹介したいと
思います。基本的には親子丼の鶏肉が
「トリの唐揚げ」に変わっただけの代物ですが
親子丼よりボリュームがあって喜ばれています。
我が家にはどんぶり家さんが使っているようなパン
(あれの正式名称はなんて言うのでしょうか)がないので、
丼を作るときにはフライパンを利用して
人数分を一度に作ります。
材料(一人分)
トリの唐揚げ 3〜4個
タマネギ 1/4〜1/2個をスライスする
卵 1個
だし汁 カップ1/2程度
酒 大さじ2
砂糖 大さじ1
塩 小さじ1/2
醤油 小さじ1
作り方
1 フライパンに唐揚げと卵以外の材料を入れて煮立てる
2 タマネギがしんなりと煮えてきたら唐揚げを加える
3 唐揚げに煮汁が絡まったところで溶き卵を回し入れ
蓋をする。
4 火を止めて卵を蒸らす
(卵の固まり具合は好みで調節する)
5 暖かいご飯をよそった丼にのせる
作り方は以上です。普通の親子丼と大して違わない
のですが、一度鶏肉に火が通った物を使っているので、
肉に火が通る時間を短縮できるのと火の通り具合を
神経質にチェックしなくて良いところが気に入っています。
これは「昨晩唐揚げを作りすぎた」とか、
「お総菜で買ったトリの唐揚げが食べきれなかった」
というときに覚えておくと便利です。
そう言えば、我が家ではとりの唐揚げも
フライパンで作っていますよ。
ということで、おまけのトリの唐揚げの作り方です
材料(2〜3人分程度)
鶏もも肉 200g程度(唐揚げ用にカットしてあるのを
買ってくると便利)
酒 適量
醤油 少々
塩 こしょう 少々
ひとかけ分のおろししょうが
片栗粉 適量
あげ油 適量
作り方
1 鶏もも肉を一口大にカットし
(カットしてあると手間が省ける)
塩こしょうをした後、片栗粉と揚げ油以外の材料に
つけ込んで15〜30分程度おく
(これをすると、ブロイラーのぶよっとした食感が
取れる)
2 ビニール袋に片栗粉を入れ、1を順番に入れながら
ビニール袋の口をしっかり握って空気を含ませながら
付け汁のべたべたが無くなるくらい
“思い切りシェイク”する
3 フライパンに揚げ油を入れて熱し、
適温(唐揚げの衣をつまんでいれるとじゅーという位)
になったら、2をいれて、揚げる。
4 油の量が少ないので、色を見ながら
時々ひっくり返したりかき混ぜたりしながら
油の温度と揚げ具合を調節し好みの色に上がるまで
揚げる。
5 網にとってさます
自分なりに得た唐揚げのコツは、
・1で付け汁と肉をもみこんでから30分くらいおくこと
・片栗粉はけちらずたくさん使うこと
・火を中火にしながらじっくりとあげること
だと思っています。
簡単にするつもりが長くなってしまいました。(YA)
いやいや、懇切丁寧なレシピ、ありがとうじゃ!
わしは、唐揚げの下ごしらえに、生卵をひとつ落とすよ。
そうすると中がジューシーに揚がるでな。
なお、どんぶりには、三つ葉をぱらっと落とすと
客人にも出せる一品になるぞー。
それでもちょいと栄養が偏るでな、
おひたしとか、豆腐とかをつけるよーに!
続いては、お、レンコン。
意外な人気なんじゃよな、レンコンて。
●こんにちは。
一人暮らしを始めてやっと1年。あまりレパートリーは
増えてませんが日々、ミニキッチンの電気コンロ1つで
何とか暮らしています。
つまり、私にとってはフライパン一つといえば
まさに私の自炊スタイルそのものです。
そんな私のお気に入りはレンコン餅です。
<材料>
れんこん
タレ
<作り方>
レンコンの皮をむいておろし金ですりおろして
フライパンで焼く。
好きな大きさでかまいませんが、
わたしは直径5cmくらいの円になるように焼きます。
ポイントとしては、あまり水っぽいようなら
少しカタクリ粉を入れる
ことぐらいでしょうか。
あとはお好みのタレをつけて食べるだけ。
基本的にレンコン餅は甘さがありますので、
わたしはコチュジャンと
そばつゆを混ぜたもので食べるのが好きです。
焼き肉のタレの辛口でも良いと思います。
さっぱりいきたいときには、醤油に七味を入れて食べます。
ちなみに、フライパンでじっくり焼くのがかったるい方は、
お皿にすこし油を塗ってその上にレンコンを
すったものをのせてチンしてください。
だいたい火がとおったらフライパンで焦げ目を
つけると早いです。(えつこ)
わあ、これも、ほくほくで、うまそう!
いろんなソース(つけだれ)が楽しめそうじゃ。
そうじゃなあ、にんにく醤油とかでもいいじゃろうし
ぽんずとかの、柑橘系が入った醤油もいいかも。
酢醤油に溶きがらし、というのもいいかもな。
続いては、イッタ〜リアンじゃよ。
●じっちゃん! 自炊してますか〜!
今日は、最高に簡単なとっても美味しい
イタリア料理をご紹介します!
材料
しめじ ひとやま
こめ 2合弱
白ワイン
固形ブイヨンで作ったスープ600ml
塩・コショウ
オリーブオイル(サラダ油でも可)
深めのフライパンひとつ
これだけ!
軽く米を洗い、なんとなく水気を切った後、
深めのフライパンにオリーブオイルをひき
米、炒めます。
そこにイシヅキを取った(洗わない)しめじを、
ほぐして入れ、米としめじ炒めます。
米が透明になってくるほど炒めたところで、
白ワインを適量入れ、ジャー!! と音を立てます。
アルコールを飛ばした後、あらかじめ沸かしておいた
スープ(ブイヨン)を半分入れ、また、シャー!!と
音を立てた後、少し間を置いて残りのスープを
注ぎます。
ここで適度に味付け塩・コショウ、
その他お好みでチーズなども良いのですが、
しめじの香りを飛ばす可能性があるので、
あまり多量の味付けは要りません。
シンプルイズベスト。
そして、そのまま弱火で12分〜18分程度煮詰めます。
米になんとなく芯があるようなぐらいで、出来あがり。
ざっくりと混ぜて、適度に蒸らして、
ガーリックトーストなんかと一緒に召し上がれ。
しめじって、本当に美味しいモノだと、
実感することでしょう。最初、ベーコンやら玉ねぎやら、
色々と入れていましたが、
それだと、なんとなく美味しいリゾットなのです。
やっぱり、突き抜けて美味しいリゾットは、
シンプルなのです!
シイタケ、えのきだけ、エリンギ、マッシュルームなども
美味しいのですが、しめじにはかないません。
しめじ最高! しめじLOVE! しめじフォーエバー!
超超超しめじ! 超超超超しめじ!(ヨッシーロ)
ほう!!!
いろいろためして、行き着いた先がシンプル、ならば
これは確実に「うまい!」じゃろう!
しかしヨッシーロどの、そうとうなシメジファンじゃな。
しめじにもいろいろあるが、やっぱ「本しめじ」が
いちばんうまい。しかし、スーパーで
「ほんしめじ」の名で売っとるのは、たいてい、
ぶなしめじ、なんじゃよなあ。
(それもけっこう、うまいが、な)
あとは、思い切ってトリュフとかポルチーニとか、
というのにも、挑戦したくなるな。
(乾燥ポルチーニなら、手に入れやすいし!)
で、フライパンじゃが、こういうもののときは
深めのものがおすすめじゃよ。
次は、そうか、これもあったなあ!
●こんばんは
フライパン一つで作れて今私が食べたいものは、餃子です。
久しく作ってないけど、私の餃子は焼き加減がうまいと
いうのでなかなか評判いいんですよ。
パリッと焼けた餃子はビールにもごはんにも、
とてもおいしいですよね。
ということで私の焼き方ですが、
まずその前に包むときにしっかり
皮と皮を接着しておくことが重要です。
でないと焼いたときに肉汁が流れてしまって
もったいないし、何より焦げ付いて焼き上がりに
重大な支障をきたすからです。
できれば空気を抜いておくとさらにいいです。
焼くときはフライパンからうっすら煙がでるくらい加熱し、
ごく弱火にして油をやや多めに入れます。
餃子を1個ずつ入れますが、
このときに軽くフライパンの底に押しつけて
餃子の形を作ります。
こうすることで餃子の皮とフライパンの底の間に
油の層ができてくっつきにくくなくなります。
それからそのまま餃子を滑らせて並べていきます。
すると餃子の側面にも油が付いて
餃子同士がくっつきにくくなります。
並べ終わったら強火にして
時々フライパンごと揺すりながら餃子の底を焼き固めます。
左手にふたを用意して右手で水を差し、
すぐにふたをして弱火にします。
水の量は100ccでは多いと思います。
餃子が水に足を浸すぐらい、ってかんじでしょうか。
表現が難しいですね。
ふたを取るタイミングは音で判断します。
グツグツと水が煮え立つような音が
パチパチと軽い音に変わったらふたを取って
強火に水分をとばします。
フライパンを揺すって餃子が滑るようなら成功です。
平皿をかぶせて気合いとともに
フライパンごとひっくり返せば、すばらしい焼き色の
パリパリした皮がたまらない餃子に
焼き上がっていることでしょう。
健闘を祈ります。(かまうち)
ひゃあ! うまそう! 焼き方だけで
これだけうまそうなんじゃから、たいしたものじゃー。
だが……レシピがなーい!!
んもう、かまうちどの、レシピ送っとくれ。
これじゃ、ナマゴロシじゃよー。
ちなみに、わしの餃子はちょっと手抜きで、
皮は、買ってくる。タネは、ニラ、キャベツ、白菜、
鶏皮のミンチ、豚ひき肉、にんいく、塩、コショウ、
ショウガ、醤油、ごま油、紹興酒、日本酒、
などをガーッと練る(ニラたっぷりが、わしの好み!)。
ほんとーは皮からつくればもっといいんじゃろうがな。
というところで、今日はこれまで。
また次回じゃ! ハバナイウイーケン!
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「フライパンひとつ」への投稿はもちろん、
みなさんの得意なそのほかのレシピや、
自炊に関することがらのメールも、
じゃんじゃん お待ちしてます!
jisui@1101.comまでお送りくださいね。
TINTIN,
SNOWY!♪
イラスト 小林ひろこ
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