ぼーっとしたミーハー通信。

「ほぼ日」創刊からいちども休まずに毎週連載されていた
『ぼーっとした女子高生通信』のゆーないとさんが、
大学生になってしまった時には、
『ぼーっとした青春』と改題しましたが、
学生を卒業したので、またまた改題いたしました。

人間には、ミーハー欲というものがあるような気もします。
大統領やら総理大臣でも、タレントと会ってる写真は、
完全にひとりのミーハーになってるもんねー。

いいのわるいのじゃなく、どうやらいつも
「ミーハーめがね」をかけてるらしいゆーないとさんが、
その視線で見える世界を、毎週報告してくれます。

2回目の卒園式。

わが家の保育園生活が、今、終わろうとしている。
0歳から始まって、6歳まで2つの保育園に通った。
本人は、よくわからないうちに
スタートしているので、ドギマギしたのは親の方。
(「親の方」という文字を見ると、
自動的に、脳内に「親方」風の人が
現れるのやめて〜。ごっつぁんです!)

初めて保育園に行った日は、門を出て号泣した。母が。
永遠の別れかってくらい、泣いた。
・・・たった、1時間のことなのに!
1時間が、こんなにつらいことだとは。
あのときの涙の理由は、
いろいろ混ざってぐちゃぐちゃだった。
ネガティブだけじゃない、ポジティブもあった。
まわりのからまっちゃったものを
1本ずつほぐしていくと、
「ごめんね」だったと思ってる。

さらに思い返すと、
まだ名もなき赤ちゃんが、わが家にやってきた日。
それは、自分と赤ちゃんが退院した日。
甘えん坊の「牛」という名のねこが、
わたしを見つけると、
わたしの足元に、ものすごい頭突きをしてきた。
自分の名に恥じないくらい、立派な頭突き。
それはいつものことで、
毎日そうだったし、
そのおかげで、わたしの足元は
いつだって毛だらけだったのだけど、
その日は、ひさびさなぶん、容赦なかった。
赤ちゃんを抱っこしたままソファに座ると、
赤ちゃんの上に乗っかって、
抱っこをしてもらおうとする。
赤ちゃんをなめようとしたり。
顔の上にお尻を乗せたり。
ねこがきれい好きなのは、存じ上げているけれど、
おしっこや、うんをしたところをなめているその口や、
うんを踏んづけたりするその足は、
この赤ちゃんには、ちょっとまだ早い。
どんなに引き離しても、すごい吸引力で戻って来る。
遠くに置きに行っても、
ライオンがのっそのっそと、かっこよく登場するように、
やってくる。

「だーめ」

「ぐるるるるるる(喉を鳴らせて)」

「だーめ」

「ぐるるるるるる(喉を鳴らせて)」

そこで、ぽろりと、泣けてきた。
「ごめんね」って。
今までみたいに、
1番にかまってあげられなくなっちゃった。
・・・ごめんね。
この、気持ちの葛藤と、どうにもならなさで、
わたしはぽろりしちゃうのであった。
(そのあと牛は、
「オレもオレも」とアピールの強い
ちょっと嫉妬深いベビーシッターになった)

今回は、保育園の卒園式の話がしたかったのに、
つい、入園や、生まれたときから、
振り返っちゃってるじゃないか!

そんなふうに、本人も、親たちもはじめてのことで、
子どものいる生活、保育園の生活に慣れていく。
保育園でたくさんのことを教えてもらって、
安全で、安心の日々を送らせてもらった。
オムツだって、いつのまにか、とれちゃったし。
お箸だって、いつのまにか、使えるようになった。
文字だって、読めるようになったり、
書けるようになったり、な〜んにも教えてない。
栄養満点のお昼ごはんがあるから、
手抜きしても安心できた。
本当に、ありがたかった〜〜〜。
そこからの、卒園。
自分ちの子どもはもちろんだけど、
まわりのあの子や、あの子、
みんなの成長が感慨深くて、泣けてくるのであった。

卒園式でさんざん泣いた(親が)後に、
園の外で、みんなで遊んでいたとき。
長い時間一緒にいると、
必ず1人、2人は泣く子が出るし、
ケンカもたくさん勃発するけど、
それぞれのことを理解して、
お互いのキャラクターを認め合って、
付き合ってるのがよくわかって、
うちの子が、変なことを言っていても、
誰もおどろかないし、
誰かが泣いていても、あんまりおどろかない。
そこに、わたしたち親が知らない時間の
たくさんのことが見えたようで、じーーーーん。
こんなふうに、わかってくれている仲間に
出会えてよかったねぇ。じーーーーーん。
お別れがますますさみしくなるけど、
きっとまた、新しい仲間と出会えるのでしょう。

卒園式の練習を、家でぜんぜんしてくれなかったので、
ほんとうにだいじょうぶなのかな?と思ったけど、
だいじょうぶそうだった。
歌も元気に歌った。

「どうして家で練習しなかったの?」

と父がたずねると、

「びっくりさせたかった」

という返事が返ってきたんだって。
それにこっちがびっくりだよ。

卒園式の興奮冷めやらぬ中で、先生たちに
「ありがとうございました〜〜〜」
と、軽〜く感謝を伝えて、
「また来週〜」と言って別れる。
保育園は、卒園式が終わっても、まだ続くのであった。
本当は、先生もひと息つきたいだろうなぁ。
「やれやれ」とか言う間もなく、すぐに次の年度が始まる。
先生たちに、健康でしあわせに暮らしてもらうことが、
わたしたち保護者の願いだなぁ。と思ったのでした。
ありがとう、保育園!先生、お友だち!

冬に植えたチューリップが
ようやく咲いた。

さ、今週も、がんばってこおおおお!うぉ〜〜〜!

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