主婦と科学。 家庭科学総合研究所(カソウケン)ほぼ日出張所 |
研究レポート59 理系が苦手! というみなさんへ。 その2 好き・キライと、得意・苦手は違うのかも?! ほぼにちわ、カソウケンの研究員Aです。 実はわたくし、研究員Aは 理系科目が得意ではありません(ぼそぼそ)。 でも、好きだったり憧れていたりするわけで 諦め悪くずーっと理系科目にしがみついてきた ‥‥というわけです。 苦手だけど、好きだった。 そんなご意見も寄せられました。 「苦手だけど物理が好きで諦めきれず 大学に再入学した」という、てつさんの報告です。
というわけで、「好き」は「苦手」を超えるのだ! 他にも
なんて方も! 他にも思い当たる方、いらっしゃるのではっ? 次は「苦手意識を持ったきっかけ」というところを 考えてみましょう〜。
デフレ・スパイラルみたいなものかしら‥‥ このように 「まわりについていけずに苦手意識が」って方は 少なくないと思います。 他にも
というご意見もありました。 たしかに、理系科目(特に、数学・物理)は 他の教科に比べると 「理解するまでにかかる時間」 に個人差が大きい気がします。 かといって、実は「理解が早ければよい」ってわけでも ないんですよね。 理系の研究者(に限らないのでしょうが) 理解が早い人が必ずしも 研究に向いているとは言えないのです。 数学者の森毅さんのエッセイ『エエカゲンが面白い』に こんな人が登場しています。
最近ドラマ化された 「天才柳沢教授の生活」という漫画の 「ソネット83番」という話でも 質問されてもいつも答えられず 教授陣からの評価が低い学生が登場します。 でも、その学生の担当教官は 「お前は研究者にとって なにより大切な資質を一つだけ持っている。 それは自分が心底納得するまでは 決して次には進まないことだ」 という具合に、彼の研究者としての 素質を見いだしています! というわけで、ひょっとしたら 「授業についていけなかった」人たちは そんな人たちの予備軍だったかもしれないのです。 カソウケンに対して 「理系科目苦手なんですが」と断り書きしつつ 鋭い質問をお寄せ下さる人は このタイプが多いのではないかと 研究員Aはにらんでいます。 とはいえ、上の数学者たちのように 「わからないことに しつこく、しつこく、しがみつける」 ことは、やはり一種の才能であり そして根底に「好き」があるからこそだとは思います。 国際教育到達度評価学会が 世界各国の小中学生を対象にして 数学の成績・好き嫌いを調べたデータが あるので、ご紹介します。 そのテストによると 日本の生徒は、世界的に見ても とてもよい数学の成績を修めています。 どの年も上位1位〜5位の好成績!! しかし、数学の好き嫌いを調べたところ 「数学が好き」と答えた割合は 37ヶ国下から2番目。 要するに 「数学の成績は良いけど嫌いな人が多い」 のです。 今回頂いた意見に
のような意見もちらほら見られました。 「得意だけど嫌い」より 「苦手だけど、好き!」な人が増えるといいな〜 ‥‥と個人的には思います。 「理系科目は難しい、でも面白いよね」 というような空気が欲しい。 苦手から「嫌い」に移行しないようにするには ‥‥うーん、いったいどうしたらいいのでしょうか? と解決策を見いだせないまま次回につづきます。 次回は、これまた「あるある」というご意見が 多く聞かれそうな 「親・先生がきっかけで理系科目を嫌いになった」 をテーマにお送りしたいと思います。 (来週につづきます!)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 参考文献 理系白書 毎日新聞科学環境部 講談社 エエカゲンが面白い 森毅 ちくま文庫 天才柳沢教授の生活 11巻 山下和美 講談社 |
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2005-05-06-FRI
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