主婦と科学。
家庭科学総合研究所(カソウケン)ほぼ日出張所

研究レポート72
イケメン科学者を探せ!



ほぼにちわ、カソウケンの研究員Aです。

2006年になって初めての「主婦と科学」になりますが
みなさま、今年もどうかよろしくお願いします。
(1月も終わりに近づいているのに〜)

今年初めてだから‥‥というわけでもありませんが
今回はいつもと違って少しくだけた科学の話題を。
っていうかそもそも科学じゃないかも、です。

物理学系、いい男多し!

先日「サイエンスライティング友の会」
という集まりに参加しました。
この会は、寺田寅彦だのアシモフだのホーキングだの
古今東西の科学的読み物を題材にして
あれこれ議論を交わす‥‥という
極めて志の高い有志の集まりなのです。

その中で

「男前の科学者って意外といるよね。
 せっかくだからイケメン科学者の
 データベースを作らない?」

 
なんて話題が持ち上がりました。
‥‥繰り返しになりますが、この会は
サイエンスライティングについて議論する
極めて真面目な集まりですとも。

というわけで、今回の主婦と科学のテーマは
「イケメン科学者を探せ!」。
科学界にいるいい男鑑賞(?)を
楽しんでみましょう〜。

まずは「物理学界イチの色男」の誉れ高い
シュレーディンガーから取り上げることにします。

E.シュレーディンガー
量子力学の祖を築いた一人とも言える
20世紀の物理学者です。
彼の導いた波動方程式は量子力学の出発点となりました。

線の細い、いかにもインテリ風で
好みは分かれるかもしれませんが
このシュレーディンガー、
ひっじょーに女性にモテたらしい!

彼は自らのことをこう書いています。

「私と一夜をともにした女性が
 一生を私と共にしたいと
 願わなかったためしはない」


なにそれ〜なんかヤな男。‥‥でもちょっと良いかも!
そもそも「あの」シュレーディンガーだし!
(物理できる人に弱いらしい研究員A)

このシュレーディンガーがはじめて
波動方程式を書き下ろしたのは、
ある女性とともにスキーリゾートに
来ているときだったとか。
この謎の女性(ちなみに妻に非ず)が彼に霊感を与え
狂ったような創造力のほとばしりを
その年いっぱい維持させた、らしいです。

ふむ、芸術家にとっての
ミューズのような存在なんですね。
科学者にとっても
そんな「霊感」の源となる女性がいるなんて
ちょっと素敵な気がします。

研究員Aは学生時代
シュレーディンガー方程式に悩まされて
「この人が存在したおかげで
 私は苦しめられているんだ。むきー」と
試験前に八つ当たりをしたものですが
そんな色男で、
しかも波動方程式のそんな由来を知っていたら
もうちょっと頑張って勉強したかも。

シュレーディンガーと並んで量子力学の祖となったのが
ハイゼンベルグです。
彼は行列力学理論だけでなく「不確定性原理」を
発表した人としても有名。
不確定性原理というのは
ある物理量の組み合わせにおいては
(例えば、「エネルギー」vs「時間」)
測定精度に限界があるんだよ、ってことをいう定理。
どんなに正確に測ろうとしても
無理なモノは無理〜!ってこと。
発表された当時は物理学界にショックを与えたものです。

その不確定性原理について
「ユークリッドの窓」という本の中で、
L.ムロディナウがこう書いています。

不確定性原理を発見したのが、
女性関係において百発百中の
シュレーディンガーではなく、
ハイゼンベルクだったのも
うなずけようというものだ。


うーん、なんか酷い言われようですね。
というわけでハイゼンベルグの画像を
探してみたところ‥‥あれっ?
むしろシュレーディンガーよりも好み!
こんなことだとわかっていたら
行列力学も頑張って勉強したかもしれないのに。
(ウソをつくなウソを)

20世紀の物理学系にも、いい男多し!

彼以外にも、20世紀の物理学者には
「いい男」が目立つ気がします。
上記のサイエンスライティング友の会のメンバーである
S女史イチオシなのがオッペンハイマー

J.R.オッペンハイマーも
20世紀の量子力学に貢献した物理学者。
第二次大戦中、アメリカの原爆開発に
指導的役割を果たしたという「悪評」でも
有名かもしれません。
でも、その「後悔」の念からか
戦後は核兵器反対の立場をとり
公職を追われて不当な扱いを受けた‥‥という経緯も。

アブラハム・パイスは彼に会ったときの印象を
こう書いています。

外見はほっそりしていて、
痩せこけているというほどではなく、
小づくりの顔立ちだが、
容易には動じない鋭い目をしていた。


なるほど、甘いマスクに鋭い眼光。良いかも!
そもそも「あの」オッペンハイマーだし!
(物理できる人に弱いらしい研究員A)

そして‥‥この話題をブログに書いたときに
「ダントツでボーア」との
コメントを下さったのがcan@co.さん。
N.ボーアは20世紀の物理学者のなかでも
大物中の大物。
ファインマンが
「いわゆる物理学者の大御所にとってすら、
 ボーアといえば神様のようなものだった」と
書いているくらい。

研究員Aの中では、
おじいさんのイメージしかなかったんだけど
‥‥と画像を探してみたところ‥‥

なるほど〜「ダントツ」であるかどうかはともかく
(ごめんなさーい、can@co.さん)
なかなかの男前であることは確かですねん。

上でオッペンハイマーについて書いたパイスは
ボーアのもとで研究していたのですが、
ボーアについてはこう語っています。

ボーアの顔かたちは並外れてごつごつしている、
あるいはいかついともいえる。
けれどもボーアを知るすべての人たちの記憶に
とどめられているのは、活気にあふれ、
温かく明るい笑みをたたえた顔である。

強面の外見だけど「活気」と「明るい笑顔」。
良いかも!
そもそも「あの」ボーアだし!
(物理できる人に弱いらしい研究員A)

そして、20世紀の物理学者といったら
忘れちゃならないのがファインマン

カソウケンでも何度も取り上げているので
しつこいのは承知。でも愛してるんですもの。
やっぱり素敵ですよねー。いい男ですよねー。

‥‥‥‥‥‥‥‥はっ、すみませんでした。
他にもこの時代の物理学者のなかでも
フェルミディラック
(この人は老けたときの方が素敵かも)、
朝永振一郎‥‥などなど思いつくのですが、
物理系ばかり取り上げているのもナンですので、
ここらで化学系にも目を向けてみましょう。

化学系にも、いい男多し!

時代は少し遡って19世紀。
過去に「主婦と科学」でも取り上げたことのある
ファラデーであります。
上で研究員Aは
「かなりの男前、科学者にしておくには〜」
なんて書いていますよ。
失礼な表現でごめんなさいです、科学者の皆さま。

そして、彼の師であるデービーもなかなかのものです。

デービーは、ファラデーの陰に隠れてちょっと地味ですが
彼だって重要な業績をたくさん残した科学者。
カリウム・ナトリウム・カルシウム‥‥と
いろんな元素の発見者でもあります。

彼の講演会には貴族のご婦人方に大人気だったとか。
なるほどー、現代だって
そんな講演会があったって良いのに!
講演会をすると、女性ファンが
大挙して押しかけるような科学者。
きっと、深刻な(?)科学離れも
食い止められるに違いありません。

なんて具合にリストアップしてみましたが
圧倒的に物理系に偏っているのは
研究員Aの趣味‥‥なのでしょうか?
これではデータベースとして
不完全であることは間違いないので
読者の皆さまの提案もお待ちしております〜。
特に、生物系! 自薦・他薦を問いません。
自薦の方は写真を添えてメール下さい。

今 回 の レ ポ ー ト の ま と め

研究員Aは物理学系の色男に
弱いらしい。




参考文献
  『物理学者たちの20世紀』
 アブラハム・パイス著 杉山滋郎他訳 朝日新聞社
『ユークリッドの窓』
 L.ムロディナウ著 青木薫訳 NHK出版
『ご冗談でしょう、ファインマンさん(上)』
 R.P.ファインマン著 大貫昌子訳 岩波書店


2006-01-20
-FRI


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