そのころは自分たちが怒りをぶつける先というのが すごくハッキリしていたのですよ。 それが、今の人たちには なくなってきてしまったと思うのです。 僕らは、たとえば父親の権力に対する反発だとか、 教育システムに対する反発だとか、 沖縄だとか安保だとか、 そういうものが目の前にありながら、 それに対して勘違いかもしれないけれど、 とにかく怒りをぶつけていた。 ところが今はぶつける相手、怒りをぶつける矛先がない。 仮想敵国が、アメリカでもロシアでも なくなってしまった時代には、 「ひょっとしたらマイクロソフトを敵として考えたら 面白いんじゃないか」、 とマスコミに煽られた瞬間に、 マイクロソフトのイメージなり、 ビル・ゲイツのイメージが作られてしまった という部分はあると思うんです。 ちょっと、話の視点を変えて なんで僕らがパソコンを始めたか、というと。
1998-09-23-THU