モノポリーエッセイ |
世界選手権2004日本大会報告 〜第12回:植田選手の3回戦。 ダイス運は好調でしたが‥‥〜 こんにちは。 前回の連載からかなり時間を経てしまいごめんなさい。 モノポリーもイベントが集中しがちで‥‥ なとどいいわけせず、 どんどん連載を進めさせていただきます。 さて、文面では昨年2004年の10月、 予選通過をかけて日本代表の植田選手が ギリギリがけっぷちで奮戦しております。 ミスターモノポリーの「幸運の杖」の力により、 植田選手のダイス運は現在、最高調。 これなら勝てそうです。 しかし、大きな落とし穴がありました。 「いいダイス目が出ますように」 確かにダイス目は最高によかったのですが、 モノポリーではもうひとつ、大きな運の要素があります。 カードです。 植田選手は「教育費」150ドル、 「次の鉄道へ進み倍のレンタル料」400ドル、を 続けざまに引いてしまい、 一気に手持ち現金がなくなって苦しくなり、 そして! ‥‥最後に「修理費」を引いてしまったのです。 誰の土地にも入らなかったのに、 レッドの9軒がガラガラと崩壊。 「ダイスだけじゃなくて、 カードもお願いしておけばよかった」 ここまでくるともう、 オカルト以外の何ものでもありませんが、 植田選手は後日このように苦笑いしながら コメントしてくださいました。 結局、植田選手はこのゲームでは生き残りの3位でした。 ポイントが僅かに入りますが、 これでは決勝進出は望めません。 岡田選手に続いて、 植田選手も決勝進出の目がほぼなくなりました。 別室で報告を待っている日本の応援団には、 このような経過は一切知らされていませんでした。 「きっと勝ってくれているのだろう」 と信じてひたすら祈り続けている応援団の願いもむなしく、 この時点で日本勢の決勝進出は、 そして世界チャンピオン連覇への望みは絶たれました。 植田選手は、続けて次の試合にも出場します。 予選の3回戦です。 メンバーは、日本、ポーランド、シンガポール、イギリス。 まず、日本とポーランドがライトブルー、 ライトパープルで「ツーペー」になります。 交渉して互いにカラーグループをそろえられる状況で、 非常に有利です。 お金は十分にあるので、この交渉がまとまれば 早くも一騎打ちに近い展開まで持っていけそうです。 イギリスとシンガポールの選手を置き去りにして 一気に走りたいところ。 この大会では外国人選手の間で 「現金に余裕を持ってライトブルーを経営する」ことを 好む傾向が結構あったようですね。 4年前のようにひたすら高額の土地、 グリーンやダークブルーばかりがもてはやされたような 極端なカラーの人気の偏りは、 今回はそれほどなかったようです。 現金が潤沢にあるので、 植田選手はライトパープルを経営することを選びます。 9軒建築してなお手元に現金が700ドルも残る、 余裕の形。 今度こそ、今度こそ勝ってくれ、 せめて最後に1勝してくれと、願いたいところです。 ところが植田選手は、 ここでまた、「修理費」を引いてしまい、 無意味に現金を減らしていきます。 ゲームはポーランド有利な展開へ。 そこでシンガポールの少年が ダークブルーを無理やりに経営に入ります。 植田選手は彼に協力するように 少年から残りの権利書を買い上げて 増築費用を「提供」、ポーランドをけん制します。 一方のイギリスはオレンジを2軒スタート。 どうやら端切れの権利書を 植田選手に高く買ってもらって増築する目論見のようです。 しかし植田選手には もう端切れを買うようなお金は残っていません。 見込み違いでしょうか? オレンジは育つはずもなく、 家はすぐ崩れて、権利書も借金のために抵当入りに。 誰がお金を持っているのかを判断ミスすると こうなるという典型例のような崩れ方でした。 少年の夢を乗せたダークブルーも 羽ばたくことはありませんでした。 そのままポーランドが勝利形へ。 植田選手はイギリスに対する救済交渉でも がんばろうとしますが、 イギリスの選手は「もう時間の無駄だ」と救済を拒否。 日本では禁止されている「自殺」(注)を選択してしまい、 オレンジをポーランドへ渡してしまいます。 これでは万が一にも逆転はできません。 結局、ポーランドはこのゲームに勝ち、 予選の成績が1位となり、 明日の決勝へ進出することとなります。 (注)「自殺」: モノポリーは終盤まで逆転の可能性が 残されるゲームなので、 どんなに不利な状況になっても「破産」しない限り、 希望をもてます。 ただし、中には不利な状況になったことを嘆くあまり、 破産が回避できる状況にあるのに、あえて破産を選び、 ゲームをあきらめてしまうことがあります。 これが「自殺」です。 この場合、イギリス選手は 植田選手の交渉を受け入れていれば 破産しなかったのですが、 交渉を受け入れず破産した形になりました。 おそらくこのイギリス選手は 決勝進出・世界チャンピオンの夢が あまりに遠のいたことを嘆くあまり、 思わずこのゲームをあきらめてしまったのでしょう。 植田選手は最後のゲームでも「カード運」に見放されて 破産してしまいました。 お守り代わりにずっと握り締めていた ルイヴィトンのストラップも さすがにもう力を失っていたのでしょうか。 しかし日本代表として 最後まで紳士的に正々堂々とプレイしてくれました。 拍手を送りたいですね。 その植田選手と入れ替わるようにして、 今度は岡田選手が会場に入っていきます。 世界チャンピオンの最後のプレイを歴史に刻むべく、 予選最終ゲームに望みます。 |
2005-11-05-SAT
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