モノポリーエッセイ |
世界選手権2004日本大会報告 〜第13回:岡田選手の3回戦。 華麗に舞い、サクラチル〜 こんにちは。 予選のゲームも残るはあと1ゲームのみ。 「世界チャンピオン・岡田豊」の最後のゲームが はじまろうとしています。 お伝えしているように既に連覇の夢は絶たれていますが、 涙を拭いて、最後のゲームの生き証人となりましょう。 メンバーは、日本・ギリシャ・ポルトガル・グァテマラ。 4人ゲームです。 会場内にあれだけいたメディア陣も ほとんどが引き上げており、閑散としています。 岡田選手は最後まで 楽しんでプレイしようというスタンスのようです。 そして当然、最初に動いたのも岡田選手。 まだ2週目でカラーグループも ほとんど売れ残っている段階で、 グァテマラにレッドを揃えさせます。 全力で5軒建つ条件。 先行して経営する条件としては非常に魅力的であり、 もちろん成立。 グァテマラがレッドの経営を開始し、 岡田選手は鉄道3枚となります。 この早いタイミングでの交渉成立には、 他の選手たちも驚いているようです。 この先手先手を打つ動き方は、 普段の岡田選手を知っている人にはお馴染みなのですが、 外国人には驚愕でしょう。 遅まきながらこの雰囲気はトロント大会を思い出させます。 さてレッドは順調に成長して9軒になりますが、 そのころには残り3選手で ライトブルー・オレンジ・鉄道を揃えあうことができる 「3人3色」(注)の体制となりました。 この盤面で交渉を成立させないでいると グァテマラ以外の全員が不利でしたが、 なぜかギリシャの女性はかたくなに動くことを拒否。 ぐるぐる回っているうちに グァテマラがどんどん独走状態になります。 そしてギリシャは真っ先に苦しくなりした。 「これはギリシャが苦しくなってからが 本番だと思っていた」 岡田選手にとって、局面打開の大きなのチャンス! この結果、ようやく岡田選手が 鉄道4枚とオレンジを揃える体制となります。 (注)「3人3色」: モノポリーではどこかのグループを経営して、 自身の資産の収益性を高めていく必要があります。 したがって、グループ経営のための交渉には 多くの代償が必要になりがちです。 しかし、3人のプレーヤーが3つのグループを それぞれバラバラにもっている場合、 交渉を進めれば全員が何かのグループを経営できるため、 交渉がスムーズに進みます。 前述の「ツーペー」と同じ状況ですね。 さあ反撃開始と行きたいところですが、 どうも一周するたびにレッドに止まってしまい、 建築資金が思うようにたまりません。 やはり追撃の交渉をまとめるのに手間取ったことが 大きく響いているようです。 最後のチャンスとして、 鉄道を全部抵当に入れればオレンジに ぎりぎり7軒くらい建てられそうなタイミングも ありましたが、 さすがにワンチャンスに賭けるにしては条件が厳しすぎ、 しかもグァテマラは1回くらいオレンジ3軒に止まっても 痛くもかゆくもないくらいに潤沢に現金を持っています。 これは思い切ることもできず、 結局反撃らしい反撃もできずに討ち取られていきます。 ゲームが終了しました。 岡田選手は破産。 このゲームは 結局グァテマラがそのまま逃げ切って勝利です。 予選最終ゲーム敗退後に 満足げにゲームを振りかえる岡田選手 この最後のゲームだけを見ても、 岡田選手らしく「暴れて」、 世界選手権らしく交渉で「苦しめられて」、 最後はダイス運つたなく「沈められた」といった、 ところでしょうか。 なんだかこう書くといいところなかったかのようですが、 始終ゲームを主体的に動かしていたのはやはり岡田選手。 勝っても負けても存在感だけは 誰にも負けないといったところはさすがだと思いました。 予選の全てのゲームが終了。 日本のお二人の最終成績はどうだったのでしょうか。 岡田選手がトータル4ポイントで、39人中38位。 植田選手はそのひとつ上の37位という成績でした。 数字の上では残念ながら惨敗です。 これがモノポリーです。 実力だけで順当に勝つことはありえないのです。 逆に言えば、誰にでも勝つチャンスがあるゲーム。 これこそがモノポリーの魅力なのですけれどもね。 決勝戦へ進んだ4人はどの選手だったのでしょうか。 続きは次回、いよいよ決勝戦。 |
2005-11-06-SUN
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