モノポリーエッセイ

こんにちは。
モノポリー日本一を決定する大会、
2006年度日本選手権全国大会の様子を
レポートしています。

2007年度のモノポリー界も、
5月3日開催の
日本モノポリー協会会長杯モノポリー大会から
はじまってしまうというこの時期に、
遅ればぜながらのご報告ですみません。
「秋田県モノポリー」という
素晴らしいボードが登場した大会でしたので、
じっくり原稿を仕込んでおりました。
「秋田県モノポリー」については、
ほぼ日読者の皆様から大きなご声援をいただき、
本当にありがとうございました。
そのような方にこそ、ぜひ読んでもらいたいのが、
この全国大会のレポートです。
もう少しのお付き合いになりますが、
よろしくお願いいたします。

さて、この文面中ではいよいよ全国大会当日になりました。
全国大会は2006年11月4日、5日の2日間にわたり、
都内の中野サンプラザにて行われました。

まずは11月4日。
この日にはもう恒例となった
「ラストチャンス大会」が開催されました。
「ラストチャンス大会」とは、本大会直前に、
文字通り最後の出場枠を争って戦うという大会です。
ここで優勝すれば、次の日に開催される全国大会に
そのまま選手として出場できるとあって、
これまで全国各地の大会で涙をのんだ方が
敗者復活戦として参加される色合いが濃い大会です。

しかしそれだけではありません。
この大会の参加者は、たとえ優勝できなくても、
その後の全国大会をディナー付き開会式から同席でき、
選手とともにイベントの参加感を味わえるのです。
いわば「嬉しい当たりくじ付」の「観戦券」
または「パーティの参加費」だという感覚で、
気軽に参加される方も近年はかなり増えてきたようです。


開会式のディナーの数々

おかげさまでラストチャンス大会のエントリーは
例年順調で、
今年も40名の定員が早々に埋まってしまいました。
まさに熱戦となりました。

この「ラストチャンス大会」のルールは
基本的にはシンプルです。
まず制限時間(3時間)内に可能な限り
何ゲームでもしていただきます。
そして1回以上勝利した人には優勝のチャンスがあります。
優勝者の決定は
「ダイスでGO」というミニゲームで行われます。
これはモノポリーボードを最初に一周した人が勝つという、
モノポリーをすごろくに見立てたゲームです。

この「ダイスでGO」では、今回は勝利回数1回ごとに
ダイスを振る回数が与えられるというルールでした。
つまり2勝した人は自分のターンで
2回ダイスを振れるのです。
当然ながら2勝の人は1勝の人よりも断然有利ですが、
「ぞろ目」ルールがあるため、
(2つのダイスの目が同じだった場合には
 振り続けることができる)
運の要素の方が大きいですから、
1勝の人でもチャンスは十分にあります。

ちなみに3勝した人が出た場合には
その時点でその人が優勝というルールでしたが、
今回は制限時間内で3勝は出ず、
2勝が1名、1勝が14名という結果でした。

唯一2勝したのは、山田利治さんです。
早速この山田さんからダイスを振ります。
1回目は8、2回目は7でした。
山田さんの駒はGOから15マス目の鉄道へ進みます。
山田さんに置いて行かれてなるものかと、
1勝の選手14名が続けてダイスを振っていきます。

注目を浴びたのは石黒さんでした。
7を振って「小野小町の恋文」(チャンス)をめくり、
「湯沢市へ進め」(イリノイ通りに相当)を引きます。
一気に山田さんを抜き去って24マス目まで進み、
かなり有利な位置をキープしました。
ギャラリーもこれには盛り上がります。

このカードの指示も有効なので
いつどこからでも一発逆転がありうるのが特徴なのです。
極端な話、
「内陸鉄道(リーディング鉄道)へ行け」を引けば、
その瞬間に勝利するわけです。

続く笹田さんもなかなかいい目を出しました。
まずは「6ゾロ」、更に続けて9を振って、
21マス目の「東成瀬村」まで進み、
石黒さんには一歩及びませんが
これまた山田さんを追い抜いており、
ギャラリーは盛り上がります。
このように「2回振ることが出来る」山田さんが
圧倒的に有利というわけでは決してないのが
このゲームの肝です。


すごい盛りあがりの「ダイスでGO」

2ターン目。
ここで山田さんが意地を見せます。
なんと1回目2回目とも11の目を振ります。
一気に37マス目のダークブルーの土地
「男鹿市」まで到達してしまいました。

GOまで残りあと3マスしかありません。
次のターンで間違いなくゴールインです。
となると残された選手達は、
このターンのうちにGOを通過しない限りは勝てません。
いきなり瀬戸際に立たされてしまいました。
普通に1回ずつしかダイスを振ることが出来ない
ほかの選手たちにとって、
2ターン目というのは、
最初のコーナー(刑務所見学)を
ようやく曲がれるかどうかという位置が標準的。
かなり絶望的な表情を見せながらも、
それでも前述のような一発逆転がまだありえる以上、
幸運を願ってダイスを振っていく姿がみられました。

先ほどトップにつけていた石黒さんは9を振りますが
これは33マス目の「秋田犬」(協同基金)止まり。
残念ながらこれでは勝てません。
続く笹田さんはまたもぞろ目を振り、
5ゾロで31マス目の「大館市」まで進みます。
ぞろ目なのでもう1回振ります。
ここで10以上の目を振ればGOを通過して優勝できます。

この瞬間が最大の見せ場でした。
結果的には8。
なんとGOの1マス手前の「秋田市」です。
文字通りあと1歩というところで終了です。

他の選手もこれ以上の目をふることはできず、
そのまま2ターン目終了。
続く3ターン目で山田さんは8を振り、
GOマス通過一番乗りで
秋田内陸鉄道(リーディング鉄道)へ。
山田さんの優勝が決定しました。

結果的には、モノポリーゲームで
一人だけ2勝を上げた選手が
そのまま大会の優勝者となったわけですから、
うまく納まったといえるでしょうか。
一方では参加選手40名中15名が
最後まで優勝の可能性が残っていたことから、
うまく盛り上がることもできたいい大会だった
という声も聞こえていたようです。

さあ、出場選手がすべて揃いました。
いよいよ2006年度のモノポリー日本一を決める
全国大会の開催です。
その様子は次回へ。

2007-04-26-THU

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