モノポリーエッセイ

2007年度モノポリー日本選手権
全国大会結果報告(その3)



こんにちは。
モノポリー日本一を決める大会、
モノポリー日本選手権のレポート、第3回目です。
ただいま、日本一を決める大会に出場できる
最後の椅子をかけた「ラストチャンス大会」の様子を
お伝えしております。

13時15分、ラストチャンス大会が開始されました。
10卓でいっせいにダイスが振られます。
最初に決着したのは、13時40分。
なんとわずか25分で決着です。
この25分という時間は、
モノポリーの公式大会としては非常に短時間です。
勝利したのはベテランプレイヤーの佐藤英一さん。
イエロー経営でのモノポリー。
佐藤さんの名札には金色のシールが貼られて、
これで誰が見ても
「1勝」していることがわかるようになります。
佐藤さんは続けて2試合目を開始します。

続けてほかのテーブルでも続々と決着していきます。
関根さん、清原さん、山本さんの3名が
いずれもオレンジで勝利し、
幸先のよい1勝目を上げました。
早めの勝ち名乗りは
スムーズに次のゲームにも移れるために断然有利なのです。

この後も続々と勝者が名乗りを上げ、
なんとゲーム開始後1時間を経過した時点で
早くも8名が1勝目を上げたのです。
こんなハイペースな大会は他にはそうそうありません。
この独特のスピード感覚が
「たまらなく面白い」
と興奮する選手もいるようです。

さらに驚くことが起こりました。
大会開始91分経過の14時31分、
佐藤英一さんが2勝目を上げたのです。
佐藤さんの名札には2枚目の赤色のシールが貼られます。
これは
「この選手にあと1勝させると勝ち抜けされますよ」
という強烈なメッセージとなって
他の選手たちの目に映るはずです。
こんなに早い連勝は、
まだ1勝もしていない大半のプレイヤーにとっては
大変なプレッシャーです。

続く3ゲーム目でも佐藤さんは優勢に進めていましたが、
救済交渉などのキーになる場面で
他選手たちの条件提示がかなり厳しくなり、
思うような展開にならずに最後は逆転されてしまいました。
さすがに「赤いシール」の名札をつけていると、
マークが厳しくなるようです。
こんな状況の中で最初に3勝目をあげるのは
いったい誰でしょうか。

15時56分、
その3勝目を上げたプレイヤーが、とうとう出ました。
京都からやってきた荒川弘樹さんです。
コンスタントに1ゲームあたり1時間弱の短期決着で
3連勝し、
この「1抜け」へと繋がりました。
荒川さんは日本選手権へのうれしい初出場が決定です。
月末には挙式が決まっている荒川さんは満面の笑顔で
「幸せすぎて怖い」
とコメントしたのが印象的でした。

さて、1人目の荒川さんが決定し、
残るはあと「2枠」。
大会の残り時間も少なくなってきました。

この時点で2勝している選手は、
前述の佐藤さんを含め、2名です。
もう1勝すれば通過できる「リーチ」の位置ですね。

その次グループとなる1勝の選手は、
なんと20名近くいます。
彼らはもうここからの3勝ライン到達こそ厳しいですが、
1勝と2勝では
実は後述するように「非常に大きな違い」があるのです。
ですから何とか積み上げをしたいと、
誰もが「せめてあと1勝」と、必死です。

そしてこの時点で残念ながらまだ未勝利、
つまり名札にシールが貼られていない選手も、
20名以上います。
しかしこの未勝利グループの選手も、
まだまだ絶望ではありません。
残り時間でなんとか1勝だけでもあげることができれば、
他力ではありますが、
プレーオフの「ダイスでGO」開催の際には、
堂々出場できようになるのです。

要するに、参加者全員が最後まで
全力で勝利を目指し続ける立場となっているです。
終盤に及んでも、
いわゆる「もうあとは消化試合」的な立場の選手は
ありえません。
これがこのラストチャンス大会の最大の特徴点である
と言っていいでしょうね。

さあ、荒川さんに続き
3勝目に到達する選手は出るのでしょうか。
それともこのままタイムアップとなり、
プレーオフ「ダイスでGO」へと舞台が移るのでしょうか。
その様子は、次回のお楽しみとしましょう。

(原文:1999年モノポリー日本チャンピオン 宮野徹
 監修:日本モノポリー協会専務理事・
    2000年モノポリー世界チャンピオン 岡田豊)

2008-01-10-THU

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