モノポリーエッセイ

2007年度モノポリー日本選手権
全国大会結果報告(その8)


こんにちは。
モノポリー日本一を決定する、
モノポリー日本選手権全国大会。
前回までのレポートで、
初日の熱戦が終わったところまでをお伝えしています。

さてその前に。
ほぼ日読者の皆様は
今週、駅などで並べられている「R25」を
読まれましたでしょうか?
その中では、世界の著名都市を掲載する
「モノポリー全世界版」が紹介されています。
ネット投票は1週間後の、
日本時間で29日午前9時にて終了
(東京に投票できるのが29日午前9時までで、
その後はワイルドカードの投票となります)。
日本の「東京」は現在、当選ラインギリギリのところで、
激しく他都市と競り合っております。


(c) 1935, 2007 Hasbro. All rights reserved.

こちらのバナーのリンク先からネット投票できますので、
皆様の最後の一票を、何卒よろしくお願いいたします。


全国大会のお話に戻ります。
予選の1回戦が終了し、
ここまでのトップは、
120ポイント獲得の荒川さんと白井さんです。
まだ過半数の選手は0ポイント。
しかしまだまだ全員に優勝の目は十分残っています。
むしろ近年の傾向としては、
なまじ序盤にリードすると
その後のプレイが硬くなってしまい、
予選終盤に逆転されるというシーンが
多いような気すらします。
そういう意味では、まだ誰が決勝へ進むのかは
まったくわからない状況だといっていいでしょう。

予選の2回戦では、3番卓に注目です。
世界チャンピオン岡田豊さんと
ディフェンディングチャンピオン大木勝裕さんが、
昨夜に続き同席。
そしてなんと、
たったいま紹介した、
「暫定トップ」の荒川さんと白井さんも
この同じテーブルにつきます。
対戦相手のポイントまで考慮される
本大会のレギュレーションを考えると、
この卓の勝者はかなりの確率で予選を通過できそうです。


(厳しいメンバーがそろって「しまった」3番卓の様子。
 心なしか各プレーヤーの表情も固い。
 なお真ん中で背中のみ写っているのは専属審判。
 全国大会では各卓に専属審判をつけ、
 バンカーもやってもらっている)

この熱いテーブルでは、
岡田・大木・白井の3選手が
1枚ずつ購入したオレンジの権利書の行方が
まず注目されました。
*オレンジ
 レッド、イエローと並んで勝率のよい場所で、
 使い勝手の良さから、
 序盤から終盤までゲームの鍵を握る可能性が高い。


(真ん中が、2000年世界大会出場者のポロシャツを
 身に着け、
 もつれた交渉をどうほぐそうかと、思案顔の岡田さん。
 その後方右で、もつれた展開を楽しんで!?
 観戦しているのが、
 99年チャンピオンの宮野さん。
 日本チャンピオンだけに贈られるジャケットで
 モノポリー界的には「正装」。
 なお宮野さんは連載記事の原文を
 ほとんど書いてくださいました。感謝!)

ここで岡田さんは交渉中に荒川さんにある妙手を授けます。
岡田さんがお金のあまりない荒川さんに
あえてグリーンを揃えさせ、
荒川さんがそのグリーンを経営せずに、
乗り物経営でお金のある船越さんへ放出し
代わりに乗り物(普通のモノポリーでは鉄道に相当)と
ダークパープルを荒川さんが経営できる、
だから荒川さんは白井さんにレッドの土地を授け、
岡田さんとの交渉に役立つオレンジの土地を
白井さんからもらってきて欲しい、
というものです。
これが突破口となり、
荒川さんは白井さんからオレンジを引っ張ってきて
岡田さんへこれを託します。
*グリーン、乗り物
 グリーンは手持ち資金豊富な「お金もち」が経営する
 「高級住宅街」。
 一方、乗り物は
 手持ち資金が厳しい場合に経営するのがよいとされ、
 グリーンと対象的な資産です。

荒川さんはこの交渉の前に
レッドの権利書をめぐっての
白井さんとの交渉が難航しており、
一連の交渉の結果は、
白井さんとの「縁切り交渉」ともいうべき
結論となっています。
かくしてレッドの権利書は
白井さんと大湊さんとで決着をつける形、
オレンジは岡田さんと大木さんとの交渉で決める形、
とそれぞれ状況が整理されました。
交渉が一時的に難航していても、
互いの利害関係を冷静に整理すれば、
「もつれた糸をほぐす」ように、
交渉がまとまるいい事例のように思います。

(原文:1999年モノポリー日本チャンピオン 宮野徹
 監修:日本モノポリー協会専務理事・
    2000年モノポリー世界チャンピオン 岡田豊)

2008-02-23-SAT

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