モノポリーエッセイ

2007年度モノポリー日本選手権
全国大会結果報告(その15)


こんにちは。
今回は、今年の日本チャンピオンを決定する
大一番の決勝戦がいよいよ開始されるところからです。

13時59分、決勝戦が厳かに開始されました。

最初の交渉は、岡田さんと白井さん。
パワー(電力水道)を揃えあう交渉です。

パワー(電力水道)
 ピクサー版モノポリーでは、
 「スクリームパワー」
 (叫び声を電力に変えるということ)と
 「ラフパワー」(笑い声を電力に変えるということ)が
 あります。
 ディズニーアニメ「モンスターズインク」にちなんだ
 マスですね。
 これはスタンダード版モノポリーの
 電力水道にあたります。
 レンタル料は安く、勝負の行方を左右することは
 ほとんどありません。
 そのため、電力水道だけの交渉はそれなりに
 気軽にできます。
 もちろん、今回のようにカラーグループの権利書も
 からめた交渉に発展すれば
 勝負に直結する可能性があります。



▲交渉する岡田さん<左>と白井さん<右>。
 なおプレーヤーを囲むようにギャラリーが見学してますが、
 視線が遠くにある方が少なくないのは、
 決勝の様子を再現している大盤に見入っているためです


白井さんは初手で「全員に50ドル払う」のカードを
引いてしまっていることもあり、
お金は出したくないと主張します。
これを受けて岡田さんは、
レッドとダークブルーをもらうかわりに
パワーとヘリコプター(鉄道)に
お金を300ドルつけると提示します。
白井さんは400ドルを要求し、これは成立。
序盤から大きな金額が動きました。
白井さんは資産の少ない序盤のビハインドを補うために
現金を補填する内容で、
一方の岡田さんは現金を失ってでも
有力カラーを手にする内容で、
それぞれの思惑が一致したようです。

ヘリコプター(鉄道)
 ピクサー版モノポリーでは、
 スタンダード版の鉄道の代わりに
 「ヘリコプター」や「カーズ」など、
 ディズニーアニメにちなんだマスが登場します。
 スタンダード版モノポリーの鉄道は、
 投資効率の良い物件でして
 手持ち現金が不足気味のプレーヤーにはねらい目です。
 しかし、これだけで勝利できるわけではありません。
 鉄道で稼いだ上で、勝負に直結するカラーグループを
 経営していく必要があります


続いて山本さんから石川さんへの交渉です。
ここでの焦点は既に3枚売れ切れているグリーン。
山本さんと石川さん、そして長崎さんが
1枚ずつを持っています。
特に権利書があまり買えていない山本さんとしては、
価値が高いうちにこのグリーンを
有効活用したいところでしょう。
山本さんは、
「これがあれば石川さんが主導権を握る形ですから」
とのセールストークで、
グリーンの権利書1枚に現金を100ドルつけ、
代わりに石川さんからはイエローとライトパープルを
出してほしい、との内容を提示。
この交渉は成立します。

グリーン
 グリーンは手持ち資金豊富な「お金もち」が経営する
 「高級住宅街」。
 外国のプレーヤーは大好きです。
 そしてもうひとつの特徴は、投資効率の悪さ。
 それゆえに、日本では不人気です。
 でも他のカラーグループが売り切れる前に、
 先行して経営して攻撃する「速攻」に適した
 カラーグループともいえます。
 あまり毛嫌いせず、グリーンでいろいろ
 試してみることをお勧めします。


続けて石川さんが長崎さんへ交渉を申し込みます。
石川さんは自分が経営したい様子でしたが、
ここは長崎さんも様子を見ます。
4軒スタートできる現金残しの条件まで出ましたが、
いったん決裂します。


▲序盤の各プレーヤーがもつ権利書とコマ位置が一目でわかる大盤。
 今回の決勝は珍しく、全員はそこそこ買えた展開でした


さて、石川さんと長崎さん。
どちらがグリーンを経営することになるのでしょうか。

また一方では、岡田さんから白井さんへ、
レッドを揃える交渉もはじまりました。
こちらは成立するのでしょうか。

次第に、決勝テーブルは、
周囲の観客も含めてボルテージが上がってまいりました。
どうやらゲーム前半の山場を迎えてきたようです。

(原文:1999年モノポリー日本チャンピオン 宮野徹
 監修:日本モノポリー協会専務理事・
 2000年モノポリー世界チャンピオン 岡田豊)

2008-10-27-MON

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