モノポリーエッセイ |
2007年度モノポリー日本選手権 全国大会結果報告(その17) こんにちは。 モノポリー日本選手権の 決勝卓の様子をお送りしています。 局面はまさに山場を迎えつつあります。 「カラーグループを揃える」 という最も基本的かつ重要なテクニックにおいて 日本一を争う場面では どのように交渉を進めているのでしょうか? 読者の皆様にはぜひ 交渉のタイミング、権利書を含めた大胆な交渉手法などを、 少しでも感じ取っていただければ幸いです。 さて、石川さんがダイスを振って 「DINOCO HELICOPTER」(ペンシルバニア鉄道に相当)まで 進みます。 本当はもう少し進みたかったかもしれません (次に4以下を振るとまだオレンジに 止まる可能性がある)が、もう待ったなしです。 石川さんと白井さんとの間で、 白井さんがオレンジをそろえる交渉開始です。 白井さんは権利書2枚を放出してオレンジを揃えます。 まだ手元には他にも権利書が3枚残っており、 楽々9軒スタートできる条件。 これはちょっと安かったかもしれません。 いずれにしても、 レッド経営者の岡田さんを 直接狙い撃ちできるオレンジ経営により、 俄然有利な位置に浮上しました。 9軒 モノポリーの家の建て方では、 各土地に3軒目を建てるのが 最も経営効率が良いとされます。 レンタル料が2軒の際と3軒の際では かなり違うからです。 9軒を建てるということは、 3箇所の土地がセットのカラーグループで、 (3軒、3軒、3軒)というふうに、 どこか一つが3軒目になっている状態を指します。 勝負できる状況だといえましょう。 オレンジ カラーグループの中で止まる確率が高いだけでなく、 コーン(家)の建設費も割安で、 すぐに増設ができるため、 最も勝利に近いとされるカラーグループの一つです。 日本人の中では最も人気があります。 オレンジの9軒を見て 山本さんもイエローを5軒に増築。 山本さんとしては このあと自分の行き先である グリーンが揃うことを見越して、 多少の「守備力」も残しておきたかったのでしょう。 しかしこの展開では様子見をしている時間はない、 と判断したのだと思います。 ▲オレンジが揃った直後の盤面の様子。 数字が書いてあるのが、コーン(家)の数です。 ギャラリーにはなかなかわかりやすいので好評です さてオレンジに狙われているのは、 刑務所見学にいる岡田さんです。 その岡田さんが振った目は、2ゾロ。 続けて7を振って無事にオレンジを抜け、 無事に自宅のレッドである 「SULLEY & MIKE'S APARTMENT」 (ケンタッキー通りに相当)に着地します。 思わず会場からも「今日は大丈夫でしたね」との台詞が こぼれ、場内は緊張の糸が切れて爆笑。 ひょっとすると、ここで一瞬 油断してしまったのかもしれませんね。 「今日は大丈夫でしたね」 岡田さんは2002年の決勝、優勢ながらも 同じような局面でオレンジに止まり、 優勝できませんでした。 その印象的な局面とかぶらせて、 この決勝を見ていた方が少なくなかったのでしょう。 岡田さんはレッドを6軒まで増築して、 今度はオレンジ経営者の白井さんに カウンターを仕掛けます。 このように一瞬で攻守が入れ替わるのも モノポリー中盤以降の醍醐味のひとつでしょう。 ところがここで、長崎さんが先に オレンジに突っ込んでしまいました。 550ドルの支払い。 もちろんまだ払えますが、 これで白井さんのオレンジは ますますの脅威となったでしょう。 一同の警戒心は盤上のオレンジにぐっと移ってきました。 ▲長崎さん(右端)がオレンジに止まった場面。 さすがに長崎さんも苦しそうです 白井さんのオレンジがまず、火を噴きました。 岡田さんのレッド、山本さんのイエローも、 この後爆発する隙をうかがっています。 このまま3人の殴り合いになるのでしょうか。 一見、取り残される形になりかけているのが石川さんです。 しかしまだ、石川さんには長崎さんからグリーンを揃える、 という道が残されています。 今度こそ不退転の決意をもって、石川さんは交渉を申し込みます。 流れはどう変わるのか。 続きをお楽しみに。 (原文:1999年モノポリー日本チャンピオン 宮野徹 監修:日本モノポリー協会専務理事・ 2000年モノポリー世界チャンピオン 岡田豊) |
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