モノポリーエッセイ

2007年度モノポリー日本選手権
全国大会結果報告(その20)


こんにちは。
モノポリー日本選手権の決勝戦。
岡田@2000年世界チャンピオンが
密かに待っていた「チャンス」を生かすことができず、
起死回生の交渉も実らなかった局面からの続きです。

石川さんはグリーンを9軒に増築します。
そして、なんと!
白井さんが続けて岡田@2000年世界チャンピオンと
同じ土地に止まって、オレンジも崩れることとなります。

9軒
 モノポリーの家の建て方では、
 各土地に3軒目を建てるのが
 最も経営効率が良いとされます。
 レンタル料が2軒の際と3軒の際では
 かなり違うからです。
 9軒を建てるということは、
 3箇所の土地がセットのカラーグループで、
 (3軒、3軒、3軒)というふうに、
 全てが3軒目になっている状態を指します。



▲グリーンにコーン(家)が増築された直後の盤面の様子。
 数字が書いてあるのが、コーン(家)の数です。
 レッドのコーン(家)がなくなり、
 グリーンが全て3軒ずつとなっています。
 グリーンがかなり有力になってきましたね


そして、岡田さんの振り番。
チャンスを逃し、交渉も実らず、という状況下で、
やや落胆しながらサイコロを振ります。

ところが、出た目はなんと「1,1」。
レンタル料1000ドルとなった
「RAMONE'S HOUSE OF BODY ART」
(ペンシルバニア通りに相当)の土地へ。
今度は耐えられません。
ついに破産となってしまいました。
なんと世界チャンピオンの、
そして今回も予選を1位通過の岡田さんが、
この決勝戦では真っ先に破産です。

破産
 モノポリーの勝利条件は
 自分以外の他のプレーヤー全員を破産させ、
 全ての資産を独占(モノポリー)すること。
 でも、破産は簡単にはできません。
 例えば、手持ちでは融通できる現金が
 ほとんどないものの、多くの権利書を抱えている場合。
 わずかの支払いさえも「間に合わない」状況が
 予想されますが、たとえ自らが支払い現金を
 融通できなくても、他のプレーヤーが
 融通してくれれば大丈夫。
 例えば権利書などの資産を他のプレーヤーに売って、
 その現金で支払うことができます。
 つまり、他のプレーヤーと共同して、
 支払いができればいいのです。
 どんな資産であっても「無料」ではないはず。
 購入する場合の価格は必ずつけることができます。
 皆さんも自分だけで融通できる範囲で
 たとえ支払いができなくても、
 決してあきらめないでください。
 ただし、今回のケースはあまりに巨額の負債を
 負ったため、他人と協力しても支払うのが無理。
 こうなると、破産となって、
 このゲームから除外されます。
 残ったプレーヤーで全員の資産を独占する
 「ただ一人」の座を争うこととなります。


「今年はピンゾロに助けられ、ピンゾロに泣きました」
試合後、岡田さんは開口一番、
こうコメントしてくれました。
既にお伝えしたとおり、予選の1回戦でも2回戦でも、
相手の「ピンゾロ」によって
ペースをつかんできた岡田さんが、
決勝戦では自分自身がピンゾロを振ってしまいました。
事故は誰にでも起こりうる、ということを
身をもって示してくれました。

会場内は異様などよめきに包まれています。
グリーンの経営者である石川さんは
破算した岡田さんの資産を全て受け継ぎます。
このまま石川さんが初優勝するのでしょうか。
それとも別の誰かが逆転するのでしょうか。
まだまだ何が起きても不思議ではありません。
続きをお楽しみに。

(原文:1999年モノポリー日本チャンピオン 宮野徹
 監修:日本モノポリー協会専務理事・
 2000年モノポリー世界チャンピオン 岡田豊)

2008-11-06-THU

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