モノポリーエッセイ


モノポリーで発見する地域の潜在的な魅力!
〜教育におけるモノポリーの可能性〜


日本モノポリー協会では、
近年、教育機関におけるモノポリーの活用に、
様々な形で協力しています。
今回は、その中の九州大学における試みについて、
紹介したいと思います。


九州大学での講座、昨年度に引き続いて、
学生の皆さんがいくつかのチームに分かれて、
彼らが考える地域版モノポリーを発表する機会を
設けています。
昨年は福岡を素材にする4つの提案がありまして、
福岡出身の芸能人で構成される地域版モノポリーを
提案されたチームが最優秀となりました。

昨年度はこの最優秀作品以外もなかなかレベルが高く、
さすがは大学生と感心していたのですが、
今年度はさらに驚くべき水準の作品が続出しました。

今年度は新入学したばかりの学生の皆さんが
対象となっています。
昨年度は2年の後期に行われたので、
今年度は丸1年以上、昨年度より早い時期に開催される
講座となりました。
これはいろんな意味でハンデがあると思っていました。

第一の難関は、学生の皆さんにとって新入学早々に、
知り合ったばかりのお友達と
チームを組むことになることです。
息の合ったチームプレーは
なかなか難しいのではないかと思っていました。
地域版モノポリーは一人で作るのではありません。
チームでいろんな意見を出し合って、
話し合いを通じてコンセプトを固め、
細部までこだわって作る必要があります。

次にプレゼンを行うことは
新入生にとってなかなかの難関と思っていました。
プレゼンというのは高校生までで
あまり体験できないもので、
たとえばパワーポイントなどで
見栄えの良い資料を作成したり、
それを使ってわかりやすく説明したりするのは、
大学生はもちろん社会人といえども
そんなに簡単ではないと思います。
ましては大学生になったばかりの新入生です。
難易度はかなり高いとみました。
そのうえ、このプレゼンでもチームプレーは重要です。

でもいい意味で今年度は期待を裏切ってくれました。
どのチームもプレゼンがすばらしく、
特に最高評価を得たチームのプレゼンは、
社会人でさえなかなか達することができないレベルに、
すでに到達していました。

さらに驚いたのは地域版モノポリーの内容の濃さです。
どのチームもよく練られたもので、
工夫の跡がはっきりと見られました。

まずは優勝チームのものをみてみましょう。


▲クリックすると大きい画像でご覧いただけます。

今年のテーマは九州でしたが、
このモノポリーは九州各地の祭りを取り上げました。
各カラーグループは祭りのテーマ別に決められております。
さらにはここでは紹介できないのですが、
チャンスカードやコミュニティチェストカードに
該当するものも、すべて考えられていました。
スタンダード版では交通機関にあたるところに、
「人力車」が設定されており、
それぞれユニークなキャラクターを登場させて
「笑い」を取るあたりも、
プレゼン的にはすばらしいものがあります。
「完成度」という点ではものすごく高かったといえます。

ただし、私が審査員特別賞的な意味合いで、
最優秀としたのは次の地域版モノポリーです。
九州各地の方言をテーマにしたものです。


▲クリックすると大きい画像でご覧いただけます。



私もこれまでいくつかの
地域版モノポリー作成に携わってきて、
方言をカードやお札に盛り込んできましたが、
方言そのものをテーマにしようとは
考えたことがありませんでした。

私は地域版モノポリーには
新たな発見があるものが望ましいと思っています。
誰もが知っているような地域の名物を並べるのは
ちょっとつまらないですね。
遊びながら地域の潜在的魅力を発見できるようなものが
よく、まさにこの方言モノポリーこそぴったりの素材です。
学生の皆さんも九州版モノポリーに取り組まれて、
いろいろな九州の潜在的な魅力を
発見できたのではないでしょうか。

もちろん細部をみれば完成度では、
前述の祭り版モノポリーには劣るのですが、
方言モノポリーはなんといっても
「オリジナリティ」に富んでいます。
私は完成度よりもオリジナリティを評価して、
この方言モノポリーを最優秀にしました。
ほぼにちの読者の皆様のご感想はいかがでしたか?

この講座は7月に終わります。
先生と学生の皆さん、本当にお疲れ様でした。
学生の皆さんにとってきっといい成績に
終わるのではないかと思いました。
そして来年度にどんな地域版モノポリーが登場するのか、
今から楽しみですね。

(文章:日本モノポリー協会専務理事・
    2000年モノポリー世界チャンピオン 岡田豊)

2011-07-17-SUN

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