番外編
この本から知った、モノポリーの“快楽”
新刊『快楽モノポリー倶楽部』担当編集者のつぶやき
「快楽モノポリー倶楽部」優 慧太 著
「ボードゲームの面白さに、そろそろ
再び人々の目が向く時じゃないかな」。
およそ10年前に弊社より刊行された
「快楽モノポリー講座」を
ヴァージョンアップするにあたり
そんな気持ちでこの企画にとりかかりました。
デジタル全盛の時代に、
紙製のボードに繰り広げられる人生の縮図。
家族や友人たちとおしゃべりしながら興じる温かみ。
ファイナルファンタジーで1人徹夜するのと、
ひと味違うこの「温かみ」こそ、
本来のゲームの面白さだと思ったからです。
そこでボードケームの王様「モノポリー」。
不動産売買をめぐる交渉ゲームですね。
初心者の私も、ちょくちょくやってました。
いつも破産ばっかりだったけど。
「んー俺は資産活用の能力がないかもしれない」。
なんて将来をちょっと嘆いてみたりして。
しかしこの本を編集するにあたり、
モノポリーの奥の深さに気付くんですね。
フリークであるホイチョイ・プロダクションズの
馬場康夫さんが言うように
「アメリカ文化ファン必読の書」なのです。
大恐慌の時代に生まれ65年の歴史がある
このゲームの舞台はアトランティックシティ。
街の歴史とゲーム自体に切っても切れない縁があります。
また映画のスクリーンにも頻繁にでて、
私たちにアメリカ文化の日常の匂いを伝えてくれます。
ゲームの基本ルールをみても
「交渉」「自己責任」「フェアプレイ」が求められます。
アメリカンスピリットそのものじゃないですか。
そして、アメリカン・グローバル・スタンダードばりに、
全世界でモノポリー人口は5億人。
世界80カ国で発売。
30カ国の言語バージョンがあり、
4年に1回は世界大会もあります。
欧米では一家に一台の必需品だし、
スターウォーズをはじめ200のバージョンがあるんですよ。
そして、4月13日には
ポケモンバージョン(2980円)が発売予定。
家族でモノポリーを囲む風景が
珍しくなくなる日も近いでしょう。
序章で日本モノポリー協会会長の糸井重里さんが
「モノポリー道」を説いています。
「技や法則の〜無限のループに入り込んだ」と。
アメリカンカルチャーに「道」を見出す私たち日本人。
私は、まるでジャズのようだなと感じました。
ジャズに「魔」があるように、
このモノポリーにも遊びとしての
「魔」が潜んでるようです。
糸井さんはそれを
「『過ぎちゃう』可能性を含んでいる」と
書いていますけど。
夜通しの欲望と挫折。そしてそれゆえの「快楽」。
糸井さんによる本書の帯コピー
「天使と悪魔が徹夜する!」は、
ボードゲームの温かみと、モノポリーが秘めてる快楽を
言い当てたものだと私は読みました。
ゲームに興味のもたれた方は、ぜひこの1冊を!
読者プレゼントコーナー
「快楽モノポリー倶楽部」を15名の方にプレゼントします。
氏名、郵便番号、住所、電話番号を書いて、
sakana@1101.com にメールで応募してください。
応募のしめきりは、2月17日(木)午後3時です。
当選者は、このコーナーで発表します。
「快楽モノポリー倶楽部」優 慧太 著
定価:本体1500円+税
TBSブリタニカ
ISBN4-484-99216-7
目次
序章・モノポリー道入門 糸井重里
第1章・モノポリーの歴史
第2章・モノポリーの正しい遊び方
第3章・モノポリー中級講座入門
第4章・モノポリー達人による誌上中継
第5章・モノポリーで世界を知ってみよう
第6章・モノポリー名人にロングインタビュー
第7章・モノポリーおもしろコラム
第8章・モノポリーの日本最新情報
第9章・モノポリースーパーコラム
著者プロフィール
優 慧太(すぐる けいた)
本名・亀和田俊明(かめわだとしあき)。
横浜モノポリークラブ代表。
1987年にモノポリートーナメントチャンピオンになり、
1989年には朝日カルチャーセンター横浜校において
モノポリー講座の講師を務めた。
現在、出版・広告・マーケティングを中心に
プロデュース業に携わる。
著書に『快楽モノポリー講座』
『うわさの三姉妹物語』(いずれもTBSブリタニカ刊) |