伊藤まさこさんが
友人が持っているすがたに
「おやっ?」と惹かれたというニットバッグ。
つくっているのは
「OLU PRODUCTS(オル プロダクツ)」。
作り手はディレクターの吉田けえなさんと
グラフィックデザイナーの𦚰田あすかさん、
プランナーとして自身のセレクトショップを主宰する
伊部志保さんの3人。
伊藤さんが「こんなバッグは見たことがない」という
「GLID」のデザインがどんなふうに生まれたのか、
𦚰田さんの事務所を訪れて、吉田さん、𦚰田さんの二人に
インタビューをしました。
同席してくださった「SAC’S BAR」の
川﨑優衣さんからも、
販売や製造現場のこぼれ話が聞けましたよ。

OLU PRODUCTSのプロフィール

OLU PRODUCTSは、
グラフィックデザインの発想から生まれた
東京発の新しいプロダクトブランド。
“身につけられる軽やかなグラフィック”
をコンセプトに、ユニークで遊び心のあるアイテムを展開。
株式会社サックスバーホールディングスの
1ブランドとして展開している。

𦚰田あすか
わきだ・あすか
1993 年生まれ。東京藝術大学デザイン科卒業後、大学を修了し、コズフィッシュを経て独立。あらゆる文化に対してのデザインに携わりながら、豊かな生活をおくることにつとめる。

■instagram

伊部志保 
いべ・しほ
オンラインショップ 1BE(アイビー)主宰。
OLU PRODUCTS では
ブランドのコンセブトメイキングからネーミング開発、
コミュニケーション戦まで手がける。

■instagram

吉田けえな 
よしだ・けえな
国内外を飛び回り、様々な物を見、触れ、食べ、
その知見を生かして他業種のマーケティングや
アドバイザーを務める。
OLU PRODUCTSでは「このメンバーで
東京から世界へ向けた物をつくってみたい」
と言い出した張本人として、
全体調整と時々の口出しを担当。

■instagram

川﨑優衣 
かわさき・ゆい
株式会社サックスバーホールディングス所属。
創業から80年を超え、全国約600店舗と
直営オンラインストアを展開するファッショングッズ業界の
リーディングカンパニーのPR担当。
「バッグがコーディネートの主役になる
プロダクトをつくりたい」という
サックスバーの想いから生まれたOLU PRODUCTSでは
調整役を務める。

■instagram

■OLU PRODUCTSのwebsite

02
かわいいのが一番

伊藤
川﨑さんは、販売する観点から、
でき上がったものをどんなふうに思われましたか。
川﨑
私たちSAC’S BARで作っているものは、
デザインももちろん大事にはしているんですけど、
「バッグ屋さんが作っている」
という期待に応えるためにも、
機能性を重視することが多いんです。
伊藤
ポケットがたくさんついている、とか?
川﨑
まさにそういうことです。
私は接客もしていたんですけれど、
店頭では特に女性のお客さまから
「ポケットは多いほどいい」というお声をいただいたり。
そんな中でこの「GLID」シリーズはポケットもないし、
いわばデザインに振り切っていますよね。
最初はどうなんだろうという不安もあったんですけど、
実際にポップアップで店頭に立った際に
「かわいければ大丈夫」という方も多くて、
私たちが思っているほど、
お客さまは機能性だけを求めている
わけじゃないんだな、と。
伊藤
「かわいいのが一番」という言い方もできますよね。
川﨑
はい、意外とそういう方が大勢いらっしゃって。
ポケットについては
セットのポーチがその役割を担ってくれるので、
「このポーチを入れたまま
バッグを使えばいいですね」と
納得して買ってくださる方がけっこう多かったです。
バッグって世の中にたくさんあるものなので、
作る側としては他と被らないようにと考えるんですが、
「OLU PRODUCTS」は
考えすぎることをいったんやめて、
逆にシンプルさとデザインを突き詰めたところが
すごくいいなと思いましたし、
バッグの新しい可能性を感じました。
伊藤
じゃあ、お客さまも
最初から好感触だったんですね。
川﨑
横浜ルミネのPOP UPで店頭に立ったときに、
デザインが目立ちやすいのか、
手に取ってくださる方が多くて、
意外だったのが男女問わず買ってくださったことでした。
おもしろいのが、
地域で人気のカラーが全然違うんですよ。
伊藤
えっ。例えば?
川﨑
横浜は青い「POOL」というバッグが
圧倒的に人気でした。
サッカーも野球もチームカラーが青だからか、
あるいは海に親近感があるからでしょうか。
伊藤
おもしろいですね! 
川﨑
大阪は派手な色が売れる‥‥かと思いきや、
ダークグレーの「GOMA」や
緑の「YOMOGI」みたいな渋い色が人気でした。
北海道だと「CONCRETE」という
グレー地に黄色のグリッドが入ったカラーが
一番先になくなりました。
地域性って、不思議なんです。
伊藤
ほんと不思議ですよねぇ。
各地の美術館とかにも置いてもよさそうですね。
伊部
まさにそうしたいと思っていて、
ポップアップでは京セラ美術館だったり、
今は松本市美術館で扱ってくださっています。

(左から順に 伊部志保さん・吉田けえなさん・𦚰田あすかさん)

伊藤
私、冬は特にコーディネートが
単色になりがちなんですけど、
バッグにちょっと柄が入っているとポイントになるし、
こういうデザイン、
バッグでは見たことないなぁと思いました。
𦚰田
そう感じてくださって、
本当にうれしいです。
伊藤
フラットになるからスーツケースに
サブバッグとして入れられるし、
私はもともと荷物が少ない方なので、
これさえ持っていれば買い物したものも全部入るんです。
デザインもかわいいし、
いろんなバリエーションも広がりそうですよね。
𦚰田
そうですね。
コンセプトの中に「方眼紙」という要素もあるので、
このバッグをベースに
自由にカスタムしていけたらという
未来を描いています。
𦚰田
最近だと格子の中にハートを入れたり、
unpisさんというイラストレーターの方に
グリッドに合わせて柄を描いてもらったりして、
遊び心があるものも増やしていきたいなと思っています。
伊藤
格子を飛び越えて、
いろんなことができるんですね。
性別も年齢問わず持てるものだなあと思いました。
伊藤
ところでブランド名の「OLU」には
どんな意味が込められているんでしょう。
𦚰田
紙を「折る」のと、布を「織る」を
かけたものになってます。
伊藤
カラー名も、ホワイトが「TOFU」、
というようなところがおもしろいですよね。
名前はみなさんで決められたんですか?
伊部
はい。
かわいい名前にしようって。
𦚰田
なんとなく日本っぽい名前がいいねということで、
「TOFU」とか「NORI」がぴったりきましたね。
伊藤
うん、うん。
愛着がわく感じがします。
𦚰田
モノ自体がシンプルなので、
選ぶたのしさみたいなものを
少しでも増やしたい気持ちがありました。
それで初めから色数を多めに用意したり、
名前もおもしろがってもらえるものを考えて。
伊藤
見ているだけでたのしいです。
バッグを開けたときの
内側のデザインもいいですよね。
地の色と格子の色が逆転して。
𦚰田
そうそう、
裏面もかわいいというのは狙いじゃなく、
サンプルができてからハッと気づいたんです。
伊藤
私ももともと「TOFU」を持っていたんですけど、
裏もかわいかったから、
裏を表側にしたバージョンを
今回「weeksdays」オリジナルで
作っていただきました。
実現してうれしいです! 
川﨑
ネーミングも「NORI」ですしね。
𦚰田
黒海苔(笑)。
伊藤
ふふふ。
海苔、ほんとにこういう形ですものね。
今日はお話が聞けてもっと愛着がわきました。
どうもありがとうございました。
全員
ありがとうございました。
(おわります)
2026-03-17-TUE