今日の「ほぼ日」ニュースまとめ
真っ暗な空間を体験する
『ダイアローグ・イン・ザ・ダーク』に
行ってきました。
開催は9月12日まで、
視覚以外の感覚が刺激される時間を
ぜひ体験してください。
news!
昨年の「今日のダーリン」に記されていた
『ダイアローグ・イン・ザ・ダーク』
今年も開催されていると聞いて、
糸井重里、大貫妙子さん、
ほぼ日乗組員というメンバーで体験をしてきました。



『ダイアローグ・イン・ザ・ダーク』が
どのようなイベントか説明するのは、
非常に簡単なようで、
非常にむずかしいのですが、
昨年、糸井重里が
このイベントを体験した直後に
記した言葉を借りると、こうなります。

=
(2005年10月5日『今日のダーリン』より)
 昨日、行ってまいりました。
 『ダイアローグ・イン・ザ・ダーク』。
 何も見えない、まっ暗闇のなかを行くだけです。
 途中、足の感触で地面の変化を知ったり、
 吊り橋や、駅のホームのようなところを通ったり、
 何も見えないバーで、飲み物をつくってもらったり。
 鼻は匂いを嗅ぎ、手は触れたり握ったり、 
 耳は人の声、景色の音を聞く。
 まっ暗闇を行くために、リードしてくれる人がいます。
 視覚障害のある人が、その役割をしてくれます。
 こう書いた通り‥‥それだけのことなのです。
 経験する前に、こういうことなんだろうなぁ、と、
 なんとなく思っていたこと、そのまんまなのですが。
 ちがう! ちがうんです。深度がちがうのです。
 実際に行って、あの暗闇を体験すると、
 行かなきゃわからなかったと、つくづく思うのです。
 じーーんと感じるのです。
 ああ、大きな打ち上げ花火の音が、
 腹にまでずずーんと響く、あの感じかなぁ。
 ものすごく強烈なエンターテイメント、とも言えます。
 終わってからも、自分に何が起こったのか、
 参加した「ほぼ日」のメンバーも、ぼくも、
 ついさっきまでの「思いで」を反芻してました。
 詳しくは、『ダイアローグ・イン・ザ・ダーク』のサイトを
 ごらんください。まだ予約が空いていたら、ぜひ!!


今年の『ダイアローグ・イン・ザ・ダーク』も
基本のコンセプトは同じ、
まっ暗闇の空間をただただ進んでいくのです。
(暗闇の中で用意されているものは
 2006年バージョンで、
 2005年のものとはちょっと違うようです)

少しでも私たちが体験している様子を
お伝えできればと思い、
主催者の方にご了承をいただいて、
暗闇の中のみんなの声を録音したのですが‥‥

「なんかいいにおいが‥‥」
「床が変わった?!」
「あ、なんか水辺っぽい」
「おぉ、すごい!」
「これ、だれですか?」
「すみません、蹴ってしまいました!」
「うわっ、これは怖い」
「やばいっ」
「水、触りたいっ」
「あれ、後ろにいるの?」
「踏まれた!」
「ぼくのまたぐらをつかまないで!」
「えぇっ!」
「あれ、どっちですか?」
「取っ手がついてる? あけちゃおうか」
「知らない人の声はちょっと、こわいね」
「これ、なんの音?」
「あった! あった! うれしい、うれしい」
「えぇーーー! おぉーーーーー!」
「いいなーー!」
「もらいましたー」
「あんまりにも●●で、泣けてきた‥‥」
「60枚ぐらいほしい!」
「はいはい、ぼくが先に行きますよ」
「ここ、空いてるよ」
「だいじょうぶでーす」
「あれ、大貫さんのいる場所がみんなと違う?」
「こっちでーす」

すみません‥‥。
支離滅裂ですね。
どうやらこのメンバーは
暗闇の中でも
感じるままに自由にしゃべりつづける、
ややうるさめな集団だったようです。
同じ空間を共有していても
感じることは人それぞれ。
ただ、みんなが
この空間と時間を満喫していたことは確かです。

最後に、暗闇での時間を
反芻しながら
ひとり、またひとりと
語り合ったこの時間の感想を
記させていただきます。

「自分の肉体がなくなった感覚。
 闇のすべてが自分の身体であり、
 あるいは、記憶の回路だけが闇に存在している
 という感じ。
 すごく自由な感じがして
 もっと歩きたかった」
(大貫妙子さん)

「ぼくは二度目だったのですけれど、
 そのほうが、純粋に大胆に
 いろんなものを感じられたみたいですね。
 同じ真っ暗闇なのに、演出しだいで
 いろんな表情を表わせるというのも、
 たのしい発見になりました」
(糸井重里)

「ぼくは『閉所恐怖症』の気配があるので、
 その『まったく見えない空間』を、
 もしかしたら怖いと思うのかもしれない、と考えていて、
 パニックにでもなったらどうしよう、
 と思っていたのだけれど、
 それは逆で、『広い』と感じました。
 なんにもこわい感じではなかった。
 閉ざされた空間なんだけど、
 その世界はものすごく広く、
 そして、なんというか、自由。
 いや、不自由なんだけれど、
 可能性に満ちているというのか、
 うーむうまく言えないな」
(シェフ)

「音だけで相手の距離や方向、空間の大きさなどが
 意外にわかるということに驚きました。
 日常の生活の中でも、
 無意識に感じていたんですね。
 また、皆から少し離れて
 声が遠くなったときの不安は
 思っていた以上に大きく、
 人が近くにいることが
 どれだけ安心を与えてくれていたか
 再確認しました」
 (ベイ)

「自分は、思っている以上に鼻が利くし、
 嗅覚はイメージを喚起しやすいのだなあと感じた。
 さらにいうと、自分が『におい』は
 かなり大切に感じているということもわかった」
(モギコ)

「触感で目が見えなくても
 何かわかるのが不思議でした。
 触って、水だとかスイカだとか、
 見えないのにわかって感動したり‥‥
 日常生活で手から情報は、
 少ないと思っていたけど、
 結構感触を覚えているんだなぁ、
 とびっくりしました」
(ナンちゃん)

「普段つよく意識をすることなく使っている
 『視覚』を遮断されると、
 『聴覚』とか『触覚』とか
 『視覚』以外のあらゆる体の感覚を駆使して
 こんなにも必死に感じ取ろうとするものなんだと
 『BODY』の力について
 改めて、驚かされました。
 体って、頑張っているんだなぁ」
(コイケ)

「体のあらゆる部分が
 自分の周りにあるものを
 感じ取ろうと、
 触角をのばしていく。
 そんな不思議な感覚を
 暗闇の中で味わいました」
(アロハ)

体験した感覚を言葉で伝えることは
簡単ではなく、
どこまでみなさんにわかっていただけたか
はなはだ不安なのですが
もし興味を少しでも持っていただけるようであれば
ぜひ体験していただきたい! と思うばかりです。
ずっと真っ暗な空間で時間を過ごすと、
自分がどのように反応するか、
どのようなことを感じるのか。

開催期間は9月12日までなのですが
かなり人気が高く、
非常に残念ながら
すでに事前予約チケットは完売してしまったようです。
当日券のご予約は、当日朝から電話にて
受付けているようです。
詳しくは『ダイアローグ・イン・ザ・ダーク』のサイト
ご確認ください!

Dialog in the Dark 2006 Tokyo
(ダイアローグ・イン・ザ・ダーク 2006 東京)


期間:2006年8月1日(火)〜9月12日(火)
※毎週月曜日は、メンテナンスのため休館
ツアー:1日20ユニット(定員8名・約1時間半)
参加費:[事前予約]一般3500円/小学生2500円
    [当日券]一般4000円/小学生3000円
    ※小学生は保護者同伴(大人1名につき小学生2名まで)
    未就学児は入場不可
    ※ドリンク等含む
会場:梅窓院祖師堂ホール(東京メトロ外苑前駅)
主催:特定非営利活動法人 ダイアローグ・イン・ザ・ダーク・ジャパン
   株式会社 TBSラジオ&コミュニケーションズ
公式ホームページはこちらからどうぞ
2006-08-23-WED
 
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