BRUTUS糸井重里特集の舞台裏その3任天堂の岩田聡社長と糸井重里が、『MOTHER4』について語ってます。

一昨日からお知らせしていますように、
4月1日発売のBRUTUSは、
「糸井重里特集号」。

「糸井重里は、なにものなのか?」
ということをテーマに、BRUTUS編集部が
じつに2ヵ月間、糸井重里に密着。
打ち合わせや取材、プライベートまで
可能な限り取材した総力特集となっています。

この特集には、当たり前のことですが、
私たち「ほぼ日」も、可能な限り協力しました。
資料の手配、スケジュールの共有はもちろん、
企画やテーマについて印象を述べたり、
登場してほしい人をリクエストしたり‥‥。

そして、特集のなかで、
はっきりとこちらから提案した企画が
ひとつ、あります。

それが、任天堂の岩田聡社長と、
糸井重里による対談です。
テーマは、ずばり、
「『MOTHER4』は出ないのか?」。

当初、特集のなかで、任天堂の岩田聡社長は、
いろんな人が糸井重里のイメージを語る
「私の糸井重里」というコーナーに
ご登場いただく予定でした。
けれども、せっかくの「糸井重里特集」だし、
糸井と岩田さんは古くから親交のある
ちょっと特別な関係でもあるので、
一歩踏み込んだことを、というか、
「いつもはできないんだけど、
 こういう機会だから」というようなことを、
やってもらいたいなぁ、と思ったのです。

自己紹介が遅れました、永田です。
ほぼ日刊イトイ新聞の『MOTHER』担当者として、
また、古い『MOTHER』ファンのひとりとして、
今回のふたりの対談を提案させてもらいました。
こんにちは。

はじめに言っておくと‥‥
あの、がっかりさせるかもしれませんが、
はじめに言っておかなくてはいけないと思うので
はじめにしっかり言っておくと、
『MOTHER4』は、出ません。
それはもう、糸井重里が何度も言ってますし、
ぼくもそれがひるがえることだけを
ワクワクと期待しているような
あどけないゲームファンではありません。

その企画を思いついたとき、
ぼくはまず、特集される本人に確認しました。
「難しいテーマだと思いますけど、
 岩田さんと、『MOTHER4』について
 話してもらえませんか?」と。

とくに新しいことはなんにも言えないよ、
と、糸井重里は言いました。

それでかまいませんとぼくは言いました。
なぜなら、いまの糸井重里の口から、
いまの気持ちで、
「やっぱり『MOTHER4』は出ないよ」と
言ってもらえるだけでも、
ファンとしてはうれしいと思ったからです。

ああ、このあたりの気持ちは、
ファンとしてのものと、
編集者としてのそれが交錯してますね。
そのへんはちょっと申し訳なく思いますし、
実際、この企画を提案しながらも、
自分に自分が「どうなの、それ?」と
問いかけるような気分にもなりました。

けれども、
はっきりと感じたことが
ひとつあって、
それゆえにぼくはそれを提案し、
進めていくことをためらいませんでした。

「糸井重里とは、なにものなんだろう?」
というテーマで話が進んでいくときに、
彼がゲームクリエイターであること、
いえ、『MOTHER』の作者であることは、
絶対に、欠いてはならない、と感じたのです。

ですから、ぼくは、この特集に、
『MOTHER』の話が入るべきだと思いました。
そして、単なる思い出の振り返りや
データの表記に終わるのではなく、
少しでも「いまの話」として
『MOTHER』が語られるとき、
その最良の組み合わせは、
糸井重里と岩田聡をおいて、ほかにありえない。
そこにもはっきりとした確信がありました。

ふたりの対談は全4ページ。
すべて『MOTHER』についての話です。
たいへん読み応えがあり、おもしろいです。

そうそう、もうひとつ。
ページ全体にまたがるグラフィックを、
『MOTHER3』のアートディレクターを務めた
ブラウニー・ブラウンの今川伸浩さんが
手がけてくださいました。

こちらも、どうぞ、お楽しみに!

2011-03-30-WED
BRUTUS表紙
BRUTUS 706号 特集 今日の糸井重里 2ヶ月間の全記録と127の言葉。
2011年4月1日 
全国の書店、コンビニエンスストにて発売。
(流通の都合で発売日に
 店頭に並んでいない可能性もあります)

発売日以降は、
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