NHK_PR1号さん、こんにちは。 |
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こんにちは。 |
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いつも、弊社の社長と ツイッター上で遊んでいただきまして ありがとうございます。 |
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こちらこそ、 いつも、勉強させていただいております。 |
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そして、このたび みごと『中の人などいない』というご本を 出版されたということで 本当に、おめでとうございます。 |
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ありがとうございます。 この本は、あとがきにも書きましたが 御社の乗組員である 西本(武司)さんという人が 「PRさん、うちでなにか書きませんか?」と 声をかけてくださって 「私に、できるのかな‥‥」と不安に思いながら 書きはじめたものです。 |
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‥‥ええ、聞いております。 |
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でも、その後、当の西本さんからは なんの音沙汰もなく。 |
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放置プレイに遭った‥‥と。 |
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しばらく経ってから相談をもちかけたら 「あ、あれ? 書いてたんだ? じゃあ、いっそ、 どっか別の出版社とかに持っていく?」 と言ってくださったおかげで このたび、 新潮社さんから刊行となった次第です。 |
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‥‥同僚としては、実にズッコケます。 |
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でしょうね。 |
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まったく、すみませんといいますか、 なんと、もったいないことを‥‥というか。 |
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しかし、ともあれ この本が「西本さんのおかげ」というのは 紛れもない事実です。 |
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‥‥気を取り直してもよいですか。 |
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どうぞ。 |
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この本では、PRさんが ツイッターをやることになったきっかけから、 試行錯誤しつつ 「コミュニケーション」について気づいたり、 「広報」について改めて考えたり、 そんな過程が まさに「NHK_PR1号」的な筆致で書かれていて たいへん、おもしろく読みました。 |
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ありがとうございます。 |
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240ページくらいありますけれど サクサク読めちゃったのも、不思議でした。 |
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もともとが「ツイッターの出」なものですから。 |
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そうか、それで文章が簡潔なのかも。 |
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余白の部分、つまり「1行アケ」が多いんですが、 その点を指して、 御社社長も「読みやすくて、スキ」と。 |
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なるほど、たしかに。 ちなみに、東日本大震災のときのことも 本の後半あたりから、出てきますね。 |
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ええ。 |
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その部分が、やはり、読みでがありました。 震災直後、 被災地などテレビの見られない状況もある中、 「どこかの中学生が勝手にはじめた NHKのニュース番組のインターネット中継を PRさんが ツイッターで『個人的』に許可した」 という「事件」のくだりとか‥‥。 |
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ええ。 |
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そのできごとについては だいぶあとになってから知ったんですが、 男性か女性か知りませんけど 「NHK_PRさん‥‥男前や!」と。 |
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‥‥関西の人じゃないですよね? |
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そのときのエピソードは この本の中でも、もちろん触れられていますが 今日は、ツイッターの過去ログを見ながら 震災から数日のできごとを より詳しく、振り返っていければと思うんです。 |
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なるほど、この本では 当時のことを 時系列で書いているわけではありませんからね。 承知しました。 |
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何といいますか、PRさんのご本の 「サブテキスト」みたいに読めたらいいな、と。 ‥‥西本の尻を拭うわけではないのですが。 |
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いえ。 この本が「西本さんのおかげ」というのは 「紛れもない事実」ですから。 |
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それでは、よろしくお願いします。 まず、震災直後のPRさんのツイートを見ると、 いくつかのポイントが、あると思います。 |
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やはり、いちばん大きなターニングポイントは 「地震発生の瞬間」ですよね。 |
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はい。 |
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そして先ほどの、巷で話題になってしまった、 中学生の動画配信を紹介したツイート。 |
そこが、ふたつ目のターニングポイントですね。 ええと‥‥(ログを繰りながら)これですか。 |
情報感謝! RT @******: @NHK_PR は ustでNHKが見られることを ツイートしたらどうなの? ここだよ→ http://****** @NHK_PR: 停 電でテレビがご覧になれない方も多くいらっしゃいます。津波情報 を出来るだけ拡散して下さい。 posted at 17:20:51 2011/3/11 |
中学生が、「Ustream(ユーストリーム)」という インターネット中継の仕組みを使って NHKの映像を、そのまま流していたんです。 |
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これ‥‥地震発生から2時間半後くらいの 「事件」だったんですね。 |
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パソコンなのか、携帯端末なのか、 何を使ったのかは、わからないんですけど テレビの映像を そのままネットで生中継していたんです。 |
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中学生が。 |
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はい。 |
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すごいなと思う反面、 非常時ということを脇に置くと 基本的に、それは「マズい行動」ですよね。 著作権というか、法律的な意味では。 |
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マズいです。 でも私は、そのUstreamのアドレスを ツイッター上で知り、 そのまま、リツイートしました。 |
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あ、まずは「リツイート」だったんですか。 つまり、誰かの発言を そのまま「転送」するかのように伝えたと。 |
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はい。「情報感謝!」というコメントを付けて リツイートしました。 |
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それでも、かなりの「問題行動」ですよね。 NHKの職員としては。 |
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本来は「おやめください」と言わなければ ならない立場ですから。 |
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ええ、ええ。 |
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でも、このときは、そうしました。 |
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ためらいは、なかったんですか? |
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一瞬は‥‥あったかもしれないです。 でも、私たちが緊急放送しているのは、なぜか? と考えたら、自ずと答えは出ました。 |
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つまり? |
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あのとき、私たちが緊急放送していたのは、 「一人でも多くの命を救うため」です。 |
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ええ、ええ。 |
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停電でテレビを見ることができなくても 携帯電話などで インターネットを見られるなら NHKの放送を 届けることができるかもしれません。 |
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はい。 |
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ですから、ためらいはあったかもしれませんが 後悔などは、ありませんでした。 |
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でも「NHKが認めたぞ」ということにも なりかねませんよ‥‥ね? |
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ですので、そこを明確にしました。 NHKが認めたわけではないので 私が責任を取りますとツイートしたんです。 |
責任というのは、つまり「クビ」ですか? |
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そうですね、具体的には。 |
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たぶん、その「覚悟」が伝わってきたので 「男前だなあ」と思ったんです。 ‥‥男性か女性かは、知りませんけど。 |
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ただ、褒めていただくことも多いんですが、 そんなに大したことではないです。 |
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そうでしょうか。 |
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あのときの私の立場に置かれたら たぶん、誰もが取る行動だと思います。 |
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そう思われますか。 |
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はい、思います。 あのとき、NHKが放送していた情報は 絶対に、 一人でも多くの人に届くべき情報だったので。 |
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<つづきます> |
2012-12-17-MON |