今年『ナイン』は大当たりする!
去年は知らなかったくせに、応援します。

               
いよいよ今週末で大阪公演は終了!
27日からは東京公演です!

               


シェフ
「カルラ! ここでいったい何を?!」

べ3
何をしてるんですか。
あーあ、そんなの買っちゃって。

シェフ
「バチカンから電話だ!」

べ3
グイドごっこは
いい加減にしてください。
小道具の黒電話もしまってください。

シェフ
ちぇっ。古道具屋で
仕入れてきたのに。

べ3
それよりぼくは例のものを
手に入れましたよ。

シェフ
なに? なに?

べ3
1983年ブロードウエイ公演の
CDです!
なんと、ラウル・ジュリアが
主演しているんです!

シェフ
誰それ。

べ3
ラウル・ジュリアですよ!
「アダムズ・ファミリー」の
お父さん役だった‥‥

シェフ
あ! あの亡くなってしまった
名優のひとだ!
え? 彼が1983年版で
グイドを演じてたの?

べ3
そうなんですよ。
ことし別所さんが演じているグイドは
2003年にアントニオ・バンデラスが、
1983年にラウル・ジュリアが
演じているんですよ。

シェフ
そっか。
アントニオ・バンデラス版と
今回の日本版は、
デヴィッド・ルヴォーさんが
演出してるけど、
ラウル・ジュリア版は違うの?

べ3
別の演出家です。
楽曲は同じなんですけどね。
それだけに、
演出家によって、役者によって、
こんなに歌の表現も
変わるんだっていうのが
CDを聴くとわかって、
すごく面白いですよ。
ロンドン版もあるはずなんで
こんど探してみようと思ってます。

シェフ
演劇、ミュージカルって
面白い世界だよなあ‥‥。
まったくの新作と、
演出や演者をかえたリバイバル作品が
しのぎを削るんだもんね‥‥。
ところで、大阪も今週末で終演だねえ。
そしていよいよ27日からは東京公演!

べ3
チケットをお求めのかたは
ここをクリックしてどうぞ!
そして大阪をごらんのみなさま、
毎日メールをくださり
ありがとうございます!
今日もご紹介しますね!

=
シェフさん、べっかむさん、
二日目マチネロビーでお会いしたAYAです。
朝、お見かけして、似顔絵と似ていらっしゃる方が、
っと思い声をかけてしまいました。
実物にお会い出来て嬉しかったです。

「ナイン」はニューヨーク公演で
バンデラスの後のジョンで
クローズ寸前に見てきたのですが
大阪ナイン初日は、もうブロードウエイの記憶が
吹っ飛ぶくらい熱く、素敵なステージでしたね!!
去年も2度見ていて、
なんていい舞台だろうと思っていて、
その舞台がさらにグレードアップした
(再演の良さ!)事を感じました!

グイドの熱い思い、グイドに愛された女達の
グイドへの愛がもうぐいぐいと伝わって!
さらに、追い詰められるグイドの切なさに、
1幕の終わりから涙が止まらない状態でした。

そして、再演での発見はグイドの“おちゃめ”さです!
辛いことがあっても、女性を見ると、
ついそちらに目が行ってしまうグイドの目には
ちょっといたずらっ子のような光が宿って、
「グイドの歌」はそんなグイドを良く出していて
楽しめました!!

そういう意味で、今回のナイン再演は
ウイットに富んでコミックな、それでいて、
切ないミュージカルに成っていると思います!!

16人のグイドに愛された女達のように、
すっかりグイドを愛している自分を発見、
又グイドに会いに行こうと思っています。

あ、つい、グイドグイドと書いてしまいましたが、
映画プロデューサーリリアン、今の恋人カルラ、
心の支えのクラウディア、妻のルイザ、
そしてそして、もう書ききれないくらい
女達が生き生きと素敵に切なく
グイドに迫る様子がとってもいとおしく、
楽しめましたし、登場人物だけでなく、
生のオケがおしゃれな配置で、
舞台美術をたっぷりと堪能出来!!
もういろんな意味でお勧めな作品なので、
ほんとに、沢山の人に見て欲しいと思っていました。

このコーナーのレポと記事は私に欠かせない栄養剤、
企画してくださったほぼ日と
こまめなレポを書いてくださるキウチさん
ほんとにありがとうございます!
(AYA)


シェフ
そうなんですよ!
この似顔絵で、
わかっていただけたとは嬉しい!

べ3
もともと「まんが顔」って
意味じゃ‥‥

シェフ
はっ。
ま‥‥ともかく、グイドっていう男が
“おちゃめ”っていうのは
言いえて妙ですね〜!
ほんと、そうなんですよ。
なんか、憎めないんだよねえ。
男はかくありたいねえ。
実際ああだったら困るけどね!

べ3
ま、あんなにたいへんなことになると
それもどうかと思いますけど、
ちょっとだけ憧れちゃいますよね。
“ウイットに富んでコミックな、
それでいて、切ない”っていうのも
ほんとにその通り!
AYAさんは東京公演も
ごらんになるとおっしゃってたので
ぜひまたメールをくださいね!

=
ほぼ日のみなみなさま
昨日行ってきました。
舞台装置、歌、俳優、オーケストラ、
なにもかもすてきでした。
こちらでもおすすめされておりイインカナ、
ドンナカナと思って当日券売り場に
1時に並びました。
ここを今朝改めて読んでみて、
ほぼ日でチケットをおねがいしたら
もっといい席だったのかなあと
ちょっとくやしかったです。

ライオンキング、美女と野獣も見てよかったけど、
決定的にナインが違うのは
今生きてる私と
何か繋がってくる物語だということです。

舞台装置の××××××××したときと、
大浦みずきさんが完璧に美しく
あの舞台を手中に掴まえたときは、
舞台をみるのが好きな私にとって
最大に幸せなときでした。
あの場面ではしばらく
私の口は開いていたと思います。

誘った友達もとてもよかったと言ってくれました。
友達はみずきさんと田中利花さんが
体が楽器になってて凄いと繰り返しいっていました。

裏側を見るのが好きな私は
今回ほぼ日のみなみなさまが取材されて
ナインの舞台裏がわかりうれしかったです。
できたら明日晩の当日券に並ぼうかな、
と思っています。
(奈良シカやすこ)

=
ほぼ日の皆様。tptの皆様!!
本日の昼公演で私がきっと
一番いい席で観させて貰ったと思います。
有難うございました!
ほんとに自分一人では取れない
ド真ん中の席でドキドキしました!
初めての観劇で見方も知らず、
こんな‥‥えーと丁寧に作り込まれた‥‥
舞台装置や、演者の皆様の歌や、
オーケストラや、演技や、身体や、
衣裳や、お話や色んなものの流れや‥‥歌や‥‥、
カーテンコールも楽しかった!
初めてだし感受性あんまりですし、
皆さんがおっしゃってる
二分の一も理解してないのですが、
とてもよいものを味わわせていただけました!
上質! というのは初心者でもわかるものなんですね。
女の人にこんなにドキドキできたのは初めてでした。
本当に素敵でした!!!!!
ほぼ日のスタッフの皆様。
そして、tptのスタッフの方々。
心よりありがとうございました。
私の人生の素敵な経験になりました!
(匿名さん)


シェフ
初めての観劇、というかたが
いらっしゃるのは嬉しいですねー!

べ3
たしかに演劇って、
生身の人間が舞台で
汗をかいて、涙を流しての
身体表現をするものだから
初めてでなくても、
圧倒されちゃいますよね!

シェフ
奈良さんの文中の「×××」は
演出上の、ある効果なんですけど、
これは見てのお楽しみってことで!

べ3
そうですね!
さてそれではきょうも
キウチさんのレポートをどうぞ!
きょうはなんと、別所哲也さんの
コメントがたっぷりです!!!

シェフ
そして、デヴィッド・ルヴォーさんの
コメントも!!

               
第十七回 『乗客』にならないで!
               

BRAVA!の観客席が、はっきりと熱いです。
大阪のみなさん、ありがとうございます、本当に。
デヴィッド・ルヴォーは大阪が大好きで、
挨拶などでもよく口にしますが、
けしてリップサービスではありません。
震災のとき、自分もなにかをしたいと、
ワークショップを開いたこともありました。
この公演も千秋楽まで大阪に残り、
すべてのステージを見守ります。

さあ、大阪はあと3ステージ。

いまぼくは大阪から吹いてくるいい風を
東京公演のチカラにすべく、
隅田川の運河岸(tptの事務所!)にもどりました。
たった今、公演中の別所哲也さんから、
この連載のためのコメントが到着!
大阪で八面六臂の活躍のわがスタッフ
宇野さんが聞きました。
ここだけの秘密も!

── 別所哲也さんからのコメント ──

●『ナイン』に出演して‥‥


「とにかく役者としても強烈な体験です。
 『この作品にはパッセンジャー(乗客)はいない、
  みんながドライバーです』という、
 デヴィッドの言葉が忘れられません。
 役割を演じるのではなく、
 その人物として生きる素晴しさを
 改めて実感してるし、
 そういう集合体がこの『ナイン』なんです」

●『ナイン』の稽古で‥‥

「印象的だったのは、稽古前のマッサージ。
 あれにはリラックスの意味と、
 自分や共演者の身体を理解するということに
 とても意味あり! でした」

●「グイド」にはこんな秘密が‥‥


「観てくださったかたはお気づきかもしれませんが、
 『グイド・コンティーニ』のこだわりとして、
 ボルサリーノ(帽子)の裏地は、
 イタリアン・ロッソ(赤)になってます。
 これはブロードウェイ版もそうなんです。
 それからさり気なく出てくるジャケット、
 これにはフェリーニのこだわりアイテムの
 懐中時計が仕込まれています。
 イタリアン・クラシコのたしなみグッズ‥‥。
 見えないところにも、
 いろいろこだわりが隠されてるんです」

別所さんが「忘れられない」という、
デヴィッド・ルヴォーの言葉を紹介します。
それは稽古のはじめのころ、
みんなに話したことです。
とても熱を込めて伝えていました。

「このミュージカルでは、
 みんなはけして『乗客』じゃない。
 それぞれが真ん中にいてほしい。
 ひとりひとりがほかの誰にも真似できない、
 大切ななにかをこの作品にもたらしてくれる。
 だから、後ろの方の『その他大勢』にはならないで」


「いままではどこかで、
 周りに受け入れてもらうために、
 いい子でいなくちゃいけないと、
 思い込むことがあったかもしれない。
 でも、思い出してみて。
 そういうときあなたの内側に、
 あらゆる葛藤や悩みが渦巻いてたことを。
 『ナイン』では、
 それを舞台に持ち込んでほしいんだ。
 これはとてもセクシーなミュージカルで、
 出演者には自分がセクシーだと
 感じていてもらわなきゃならない、だけど、
 本当の自分でいない限りは、
 セクシーではいられないから」

初来日から15年。
日本人を本当によく理解しているこの演出家は、
最近、日本と『ナイン』への想いを、
こんなふうに話しています。

「ぼくは『ナイン』を
 もうどこにも持って行きたくない。
 日本にやって来て、
 やっとこの作品のいるべき場所に
 たどり着いたと思う。
 ここで、いつでも人が乗り込める、
 『船』になってほしい。
 『ナイン』に一度参加したら、
 ほかの仕事でほかの役を演じて、
 そしてまた『ナイン』に戻って来られる、
 そんな作品になってほしい。
 『ナイン』は女性賛歌だから。
 日本でこそ面白い作品になると思う」


この連載タイトルの下に、
日本は「彼の第二の故郷」と書かれていますが、
本当にそうなんです。
『ナイン THE MUSICAL』は、
世界の都市を旅して大阪・東京にたどり着いた、
日本人のためのミュージカルです。


(つづきます!)


シェフ
‥‥すごいね‥‥。

べ3
うん、ほんとうに、すごい。
ちょっとじーんときちゃいましたよ。

シェフ
かなり僭越なことを言うけれど、
こうしてレポートしているぼくらも
なんだかこの『ナイン』にかかわっている
当事者というか、
「乗客じゃない」感じが
とっても強くしていて。

べ3
こういう気分は珍しいですよね。
その感じは、観たかたにも
わかっていただけるんじゃないでしょうか。

シェフ
大阪公演は15日で終了ですので
ぜひ、ごらんくださいね。
シアターBRAVA!のホームページは
こちらです。

べ3
それではまた次回!

シェフ
あーっ!


2005-05-13-FRI
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