(第1回の5)
今度のゼルダは
「キャラクター」に注目らしい。
ぼくは人間のキャラクター全般
を担当したんですが、
やっぱり数が多いんで、ひとりひとりには
こだわりきれなくなっていくんですね。
でもこだわりたい部分もあって、
その折り合いをつけるのがたいへんだった。
消化不良なところもあるんですが、出来上がってみると、
トータルでは、まあ、出来たんじゃないかと思ってます。
60体以上ですかね。人間の数でいうと。
これが「10体でいいよ」って言われたら、
1体1体に手をかけて、1体に2〜3日かけて
じっくり作っていくんだけど、一日に何体も、
次から次へと作っていかなくちゃいけなかったから。
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スタッフの高野さんに
「おまえの作るもんは、みんなどっかに
フリークスが入ってる」って言われてます。
自分じゃそんなつもりはないんですよ。
そう言われても「そうですか(笑)」としか、
言えないんですけれども。
例えば墓場の墓守(ダンペイって言いますけど)なんか、
まあ、言ってしまえば、いわゆる「ハッチバック」だったり。
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自分に似てるキャラクターをわざと作って
入れておくとかって、自分じゃそんなことするつもりは
ぜんぜんなかったです。
でも、あとで5人くらいのひとに
「あれは、おまえや」って言われたのがあって。
カカリコ村で、屋根の上に座ってる男がひとりいるんです。
ねらったつもりはぜんぜんないし、逆にそれは
ねらいたくなかった、っていうのはありましたよ。
似てるっていわれてもねぇ。
(キャラクターデザイン・春花良紀さん)
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キャラごとにこだわっているつもりはないんですけれども、
今回は、傾向としては「リアル系」だったと思うんですよ。
全体がリアル系だったんで、
個人的にはあまり好きなほうではないんですが、
全体を考えて合わせなくちゃいけなかったんで。
逆にデザインがリアルなんだったら、アニメーションでは、
コイツったらこんな動きをするんだ、っていうような
おもしろい動きをさせるということにはこだわりました。
逆に、面白くって凝ったものだったら、
アニメーションの方は、まともな、シリアスなものにするとか。
ポゥなんか、プレイヤーから逃げてくときに、イヤイヤしたり。
他の敵でも、死ぬときにちょっとだけぴくつかせる、とか
そういう細かいことをやっています。
(キャラクターデザイン・滝澤 智さん)
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「キムタク似のお兄さん」
クスリ屋の兄ちゃんがいるんですけど、
彼だけ、爽やかに「キムタクです!」みたいな(笑)。
今回の「ゼルダ」全体のなかでのイチおしキャラを出せ、
ってもしも言われたら、あのお兄ちゃんを推薦しますね。
カカリコ村のクスリ屋の。
歯がキラッとしてて、長髪で。
(滝澤さん)
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クスリ屋のお兄ちゃん、ああなるとかえってキャラが「立つ」。
言ってみれば「逆フリークス」ですよね、
つまりいい男すぎるって意味では。
つくっていて「誰かに似てるよな、これ」なんて思ってたけど
知らないあいだにキムタクを意識してたのかも。
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女性ではね、やっぱりカカリコ村の「ニワトリのお姉さん」。
いわば、さしさわりのないきれいなひと、かな。
スタッフの小野塚さんが、個人的に気に入ってくれました。
あとはみんな、なんかフリークス(笑)。
インゴーはね、ちょっとオカマっぽいじゃないですか。
なよなよっとしてて、内股やし(笑)。
内股ってところに気づいてくれるひとがいると、
ぼくとしては嬉しいんですけれども。
強がってるけどちょっと卑屈な感じ、
内面は弱いんちゃうかなという、引いてるイメージを
出したかったんです、あの内股で。
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他に、代表的なキャラをあげますと
「豆屋」
ゾーラ川にいるんですよ、
ずっと豆食ってるおっちゃんが。
「ダンペイ」
さっき言った、墓場の墓守ね。それと
「魔法のクスリ屋のおばちゃん」
この3人、かなぁ。
3人だけに絞れって言われると難しいですね。
あいつもかわいかったなぁ、とかってつい思っちゃうし。
(春花さん)
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ゼルダ姫のデモ画面
は、ぼくが担当しています。
ゼルダ姫というヒロインがいて、
ナイトのリンクがいますよね。
今回は他に、サリアという森の少女が登場するんです。
僕じゃないもうひとりが担当しているんですが、
いいんです、このサリアが。
こりゃ、ほっといたらサリアに食われるなぁと思って、
ゼルダはサリアに負けないように意識したつもりです。
(シネマシーンディレクター・森 直樹さん)
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というところで、(第1回の5)
「今度のゼルダも『キャラクター』に注目らしい」は終り。
これから、さらに加速度つけて進んでいきますから、
新しい更新をこまめにチェックしてください。
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