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「ゼルダの伝説 時のオカリナ」の情報・産地直送!
宮本茂を核にしてまとまったゼルダチームは、
あきれるようなしつこさで64のゼルダをつくった!
そのしつこさの一端を、
しつこくインタビューしてきました。
そのインタビューを少しずつ編集して
「ほぼ日の近くの大きな樹の上から」
お伝えしましょう。


(第1回の5)
今度のゼルダは
「キャラクター」に注目らしい。

bicycleぼくは人間のキャラクター全般 を担当したんですが、
やっぱり数が多いんで、ひとりひとりには
こだわりきれなくなっていくんですね。
でもこだわりたい部分もあって、
その折り合いをつけるのがたいへんだった。
消化不良なところもあるんですが、出来上がってみると、
トータルでは、まあ、出来たんじゃないかと思ってます。

Mr.Haruhara

60体以上ですかね。人間の数でいうと。
これが「10体でいいよ」って言われたら、
1体1体に手をかけて、1体に2〜3日かけて
じっくり作っていくんだけど、一日に何体も、
次から次へと作っていかなくちゃいけなかったから。

スタッフの高野さんに
「おまえの作るもんは、みんなどっかに
フリークスが入ってる」って言われてます。
自分じゃそんなつもりはないんですよ。
そう言われても「そうですか(笑)」としか、
言えないんですけれども。
例えば墓場の墓守(
ダンペイって言いますけど)なんか、
まあ、言ってしまえば、いわゆる「ハッチバック」だったり。

自分に似てるキャラクターをわざと作って
入れておくとかって、自分じゃそんなことするつもりは
ぜんぜんなかったです。
でも、あとで5人くらいのひとに
「あれは、おまえや」って言われたのがあって。
カカリコ村で、
屋根の上に座ってる男がひとりいるんです。
ねらったつもりはぜんぜんないし、逆にそれは
ねらいたくなかった、っていうのはありましたよ。
似てるっていわれてもねぇ。
        (キャラクターデザイン・春花良紀さん)


bicycleキャラごとにこだわっているつもりはないんですけれども、
今回は、傾向としては「リアル系」だったと思うんですよ。
全体がリアル系だったんで、
個人的にはあまり好きなほうではないんですが、
全体を考えて合わせなくちゃいけなかったんで。

逆にデザインがリアルなんだったら、アニメーションでは、
コイツったらこんな動きをするんだ、っていうような
おもしろい動きをさせるということにはこだわりました。
逆に、面白くって凝ったものだったら、
アニメーションの方は、まともな、シリアスなものにするとか。

Mr.Takizawa

ポゥなんか、プレイヤーから逃げてくときに、イヤイヤしたり。
他の敵でも、死ぬときにちょっとだけぴくつかせる、とか
そういう細かいことをやっています。
          (キャラクターデザイン・滝澤 智さん)


bicycle「キムタク似のお兄さん」
クスリ屋の兄ちゃんがいるんですけど、
彼だけ、爽やかに「キムタクです!」みたいな(笑)。
今回の「ゼルダ」全体のなかでのイチおしキャラを出せ、
ってもしも言われたら、あのお兄ちゃんを推薦しますね。
カカリコ村のクスリ屋の。
歯がキラッとしてて、長髪で。
                       (滝澤さん)

 

bicycleクスリ屋のお兄ちゃん、ああなるとかえってキャラが「立つ」。
言ってみれば「逆フリークス」ですよね、
つまりいい男すぎるって意味では。
つくっていて「誰かに似てるよな、これ」なんて思ってたけど
知らないあいだにキムタクを意識してたのかも。

女性ではね、やっぱりカカリコ村の「ニワトリのお姉さん」。
いわば、さしさわりのないきれいなひと、かな。
スタッフの小野塚さんが、個人的に気に入ってくれました。

あとはみんな、なんかフリークス(笑)。
インゴーはね、ちょっとオカマっぽいじゃないですか。
なよなよっとしてて、内股やし(笑)。
内股ってところに気づいてくれるひとがいると、
ぼくとしては嬉しいんですけれども。
強がってるけどちょっと卑屈な感じ、
内面は弱いんちゃうかなという、引いてるイメージを
出したかったんです、あの内股で。

インゴー

他に、代表的なキャラをあげますと
豆屋
ゾーラ川にいるんですよ、
ずっと豆食ってるおっちゃんが。
「ダンペイ」
さっき言った、墓場の墓守ね。それと
魔法のクスリ屋のおばちゃん
この3人、かなぁ。
3人だけに絞れって言われると難しいですね。
あいつもかわいかったなぁ、とかってつい思っちゃうし。
                    (春花さん)


bicycleゼルダ姫のデモ画面 は、ぼくが担当しています。
ゼルダ姫というヒロインがいて、
ナイトのリンクがいますよね。
今回は他に、
サリアという森の少女が登場するんです。
僕じゃないもうひとりが担当しているんですが、
いいんです、このサリアが。
こりゃ、ほっといたらサリアに食われるなぁと思って、
ゼルダはサリアに負けないように意識したつもりです。
     (シネマシーンディレクター・森 直樹さん)

 

というところで、(第1回の5)
「今度のゼルダも『キャラクター』に注目らしい」は終り。
これから、さらに加速度つけて進んでいきますから、
新しい更新をこまめにチェックしてください。


1998-11-24-TUE


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