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「ゼルダの伝説 時のオカリナ」の情報・産地直送!
宮本茂を核にしてまとまったゼルダチームは、
あきれるようなしつこさで64のゼルダをつくった!
そのしつこさの一端を、
しつこくインタビューしてきました。
そのインタビューを少しずつ編集して
「ほぼ日の近くの大きな樹の上から」
お伝えしましょう。


(第1回の9)
今度のゼルダは
「アニメーションががんばってる」らしい。
その1

bicycle 「リンクの動き」

子供のリンクと、大人のリンクは、
実は同じ動きでプログラムされています。
まず、動きからつくりました。
それをプログラムして、
アニメーションにすることが出来たんです。
また、機械を使って、
モーションをとっている部分もあります。
剣のさばきについては、「殺陣」の動きを
研究するために、太秦の撮影所に通って
役者さんの動きを観察してきました。
そのほかの動きもJACの役者さんにお願いして
いろんな動きをとりました。
例えば、そうですね、ゲームのいちばん最初。
リンクが朝、目覚めてベッドから下りるところ
なんか。
あと、静止している状態のリンクがオートでする、
いろいろな動作などがそうです。
  (3Dシステムディレクター・小泉歓晃さん)

 

リンクのアニメーションの合成は、
今回1000パターンくらいあるんです。
動きっていうのは、上半身と下半身の組み合わせですから、
そのくらいのパターン数になるんです。
例えば上半身が「剣を振る」で、
下半身が「歩く」っていう組み合わせだとか。
        (プログラムディレクター・岩脇敏夫さん)

Mr.Iwatsuki 

 

bicycle 「モーションキャプチャー」

「宝箱」についてはね、
まず「宝箱を開ける」ってところから作り始めたくらい。
3年前からずっとこだわっていましたね。

あと、「モーションキャプチャー」を
使おう、ということね。
開発スタッフのなかには反対する声もあったんですが、
僅かでもいいからこういうものも使っていこうよ、と。

うちの会社ってね、
けっこう「貧乏人の銭失い」なところがあって、
何か新しいことをしようとしても、
「そんな大がかりな設備がほんまにいるんか、
これでええやろ」って、最初はワイヤー式の
モーションキャプチャーでやりはじめたんだけど、
すぐにそれじゃぜんぜん規模が足りなくなって、
また新しく作り直すんで、
結局、2倍お金がかかる、という。
ま、今までやったことがないもので
仕方ないんですけれども。

馬の撮影のときには、本物の馬をスタジオの中に
入れるかどうかって話まであったんだけど、
脚立を2脚立たせて、板を渡して、馬に見立てたりしてね。
 


ある日ぼくがスタジオに行ったら、
鉄のフレームで作ったすっごいりっぱな
宝箱
があるんですよ。
楯とか剣とかが入ってる。
溶接もしてあって、
明らかにお金かかってそうなの。
で、「どしたん?これ」って言ったら
宝箱を開けるモーションとりましたっ!」って。
何もそこまでやらんでもね
板にちょっとコンコンって打って、
蝶番つければそれでいいのにね。
「これでやらんとモーションが合わないんで」
って。


あれも、キャプチャーチームのひとたちが作ったんかなあ。
キャプチャーに関しては、
けっこういい素材ありますよ(笑)。

宝箱でもね、ほんとはもっといいネタがあったんやけど、
今回は作ってもらえなくて、また近い将来に、ね。
                     (宮本さん)

 

というところで、(第1回の9)
「今度のゼルダは『アニメーションががんばってる』らしい
その1」は終り。
これから、さらに加速度つけて進んでいきますから、
新しい更新をこまめにチェックしてください。

 


1998-12-2-WED


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