「糸井重里のバス釣りNo.1 決定版!」 〜釣りに行こう〜 制作スタッフ座談会 その7 最終目標は、うまくなることだ。 |
「糸井重里のバス釣りNo.1 決定版!」に ゴールはあるのか!? 80センチオーバーのビッグバスは どこに潜んでいるのか??? さまざまな謎を解き明かしながら進んでいくこの座談会、 今回が最終回です。 出席できなかったスタッフの皆さんの紹介もありますよ! |
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──ほかにも、制作スタッフとして 「ここは見て欲しい!」ということ、ありますか。 サイトウ: グラフィックで言うと、地形の表現とか、 背景も力入れてるんですけど、 そういう所も評価してもらいたいです。 単に写真的なリアルではなくて、絵画として よくできていると思ってます。 あとやっぱり、サウンド、SEはけっこう比重が 大きい。今回、全体のロム容量の4分の1を サウンドに使ってるんですよ。 |
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小関: あとは、ルアー個別によって カメラの追い方を変えてます。 たとえば、ノーシンカーだと、 落ちてくるのを下から見上げてます。 アベキ: そのルアーがいちばんかっこよく見える カメラアングルを考えてやってるんですよ。 サイトウ: あと、ハードとノーマルのモードでいちばんちがうのは、 カエルが笑いますよね。 ただ、ハードのときは笑わなくなるときがある。 それは、カラーアピールが、季節や時間や天候と 合ってなかったりすると、笑わなくなるんですよ。 その湖のヒットカラーであったりとか、 天候によってルアーの色を変えていかないと 笑わなくなる。 ノーマルモードだと、アクションさえさせていれば カエルは笑ってるんですけれどね。 倉恒: ほんま、いろいろあるなあ。 ……そやけど、まあ、ようここまでなったよなぁ。 ほんまに、よかった、よかった。 アベキ: よかった、たしかに。 糸井: これ、何時間くらいやったら満足するだろう? ロールプレイングゲーム以上だね。 ──このゲームにゴールとかはないんでしょうけど、 最終的な目標は何なんでしょうか。 超大物がいる秘密の湖に行くことが……? |
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サイトウ: 最終目標ですか? やっぱ80センチオーバーのバスを釣り上げることでしょう。 編集部: 80センチオーバーのいる湖に行くということ? 小関: いや、80オーバーのバスの回游コースを……。 倉恒: そうそう。80センチオーバーの 出没ポイントに出会うことですね。 全レイクに80センチオーバーがいますから。 糸井: 最終目標はうまくなることだよ、無限に。 サイトウ: ただ、ゲームのつくりとして、 最終的に何かをするというつくりにはしてないんですよ。 たとえば、移動がすごく簡単になっているのは、 移動することにストレスをかけたくなかったから。 何かをクリアすることに重点を置くのではなくて、 あくまでも“釣りを楽しむ”ということが メインの部分なんですよ。 だから、エンディングも、割と簡単に行ける はずなんですよ。 |
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──エンディングはあるんですか? サイトウ: ええ、エンディングはあります。 それはチャレンジといって、 チュートリアルを兼ねてるんですけど、 だんだんむずかしい課題を出されて、 それをクリアしていって、 最後に「オヤジ」と勝負するんですよ。 ──でかいのがいる湖があるとか? サイトウ: 最初は3つの湖しか行けないんですが、 チャレンジをクリアしていくと 最終的にはいろいろな湖に行けるようになります。 で、後から行けるようになる湖ほど、 大物がいる確率が高くなるんですよ。 あと、ゲームのイメージとしては、 前作がどうしても「ひとりで釣りをしてる」っていう イメージがあったんですね。 ほかの釣りゲームもそうなんですけどね。 でも、このソフトは、常にパートナーを連れて 釣りに行くということになっています。 ひとりじゃなくて、カエルと一緒とか、誰かと一緒。 そういう感じは出せてますよね。 あと、ボートに乗ってると、 船で釣ってるキャラに出会います。 あれは釣れる場所なんですよ。 なにか沈んでる場所にいたりしますね。 あれって、地元の人ですから。 |
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糸井: いけね。そのキャラについてひとつもしゃべってなかったよ。 これ、油断させるためのキャラなんだよ。 この奥深さよ……。 ホーキング博士の本を小学生に読ませるためにはさ、 「こんなおじさんだよ」 ってことを言うのが早いでしょう。 それと同じことなんだ。 倉恒: このゲーム、逆の立場で見てても面白いんですよ。 「このやりかた、実際の釣りに応用したらどんなかな」 っていう。これやりだしてから、スピナーベイトを ラバージグみたいに使うとかね、 今までやったことないことを思いついたりするんですよ。 |
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糸井: ありうるよねえ。 倉恒: 糸井さんけっこうノーシンカー好きですね。 小関: ノーシンカーの、この、沈んでいく感じがいいんだなあ。 倉恒: チューブのジグヘッドも見て欲しいね。 小関: いやあ、このゲーム、なによりワームが楽しいですよねえ。 倉恒: おお、小関さんが、そんなふうに言うなんて、 なんて……(涙)。 糸井: 釣りをまったく知らなかった人がねえ。 釣りをしていても「ワームが楽しい」とはなかなか言わない。 小関: ワーム、いいっすよお。奥が深いっすよ。 糸井: ゲームだけでそれを言わせるのって、すごいよなあ。 倉恒: よくぞ、そこまで。(涙) |
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この座談会のあと、“釣り監修屋”であり “わいがこの湖の神や”でもある倉恒さんに、 とくべつにほぼ日読者のために 「よう釣れるようになるヒケツ」を教えていただけるよう お願いしました。 「よっしゃ、わかった。教えたるでー」 ということです。近々掲載予定、お楽しみに! |
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ワシらもタイヘンだったのだ! 糸井重里のバス釣りNo.1 決定版! そのほかの、スタッフを紹介します。 中村優子さん 加藤さんからもらったデータを、2Dに落とす作業を しました。2Dっていうのは、画面の枠の部分とか、 フィールドNPCとかですけれど。 立体でないものすべてです。 糸井さんの顔の画像制作もわたしです。 山田麻里子さん カエルの顔のアニメーションの元データを3Dでつくったり、 家とか「お宝」とかを3Dにするのが仕事でした。 河合宏明さん グラフィックの人たちがつくった岩とか草とかのモデルを 全体マップに配置したり、地形を掘り下げたり、あげたり。 魚を配置したり、魚がバイトする具合を調節したりしました。 倉恒さんの要求に合わせて釣れるようにするのが いちばんたいへんだったかな。 加藤崇志さん 2Dの画面周りのデザインをしました。 あとは、3Dのポリゴンでなどの自然物、 そういうもの全般です。2Dって、 その中に入れなくちゃいけない情報が 変更されるたびに、合わせていくというのが たいへんでしたね。 企画の変更に合わせて総入れ替えということもありましたね。 佐藤友広さん 釣り上げた魚やストラクチャのCG……杭、岩、家、 葦などの制作と管理をしました。 NINTENDO64の性能を目一杯、どこまで使えるか、 ということを考えながら、できるだけ実物に近く つくることが仕事です。 たとえば岩の上にルアーが落ちるんだったら、 その岩をなるたけ実物に近いようにつくるんです。 山田豊さん プログラムチーム5人のリーダーです。 きついダメだしにも、みんなオトナだったものですから、 協力しあって乗り切りました。 魚がファイトしているところ、ライン、リール、 腕の動きなど、一連の力学モデルをつくるのが、 いちばんたいへんでしたね。 いままで釣りをしたことがなかったんですけれど、 琵琶湖で合宿したりして、勉強しました。 野崎竜也さん サブプログラマーです。基本的には2Dまわりの プログラム全般を担当しました。 お店、受付、タックルボックスなどが僕です。 中村さん、加藤君たちとチームですね。 いちばんたいへんだったのはタックルボックス。 ものの数が多かったですからね。 村松徹さん 魚の動きや釣れ具合の調整をしました。 魚と釣りをしてますよね。そのとき、魚が泳いで逃げている という状態をいかにつくるか、ということです。 500通りの動きを組み合わせて、 ちょっとずつ変えていくんです。 修正も、「それをやったら違うよ」ということを 少しずつ直していく。いろいろキツい注文も、 こなしましたよ。数字の調整をすべてやっている、 というのが、僕の誇りです。 魚の動きをやっていたときはツラかったなあ、徹夜徹夜で。 相川供一さん(写真はありません) 企画、仕様作成、シナリオの組み込み、 デバッグ管理を担当しました。 アドバイザーの倉恒さんからの要求を NINTENDO64で可能な仕様に落とし込むのが 大変でしたが、バス釣りの深い部分のセオリーを お聞きするのがとても楽しかったです。 仕様を盛り込みすぎてプログラマーさんたちに ご苦労をお掛けしました。 莫大な調整項目を調整してくれた村松君に感謝しています。 |
2000-04-14-FRI