「コロコロカービィ」 〜落とすな、転がれ、ゴールまで!〜 物理計算から取り扱い説明書まで、 ぜんぶこのチームでつくったんです。 |
「コロコロカービィ」開発秘話、いよいよ最終回です。 “開発第二部”チーム全体で一丸となって 企画から商品化までをすすめた、 その苦労をお聞きしています。 なになに、裏面もあるんだって!? |
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──じっさいにプレイしてみると、 動きの滑らかさに驚きます。 フィジカルな手の感覚、 「これくらい手を動かすと、カービィがこうなるな」 という感覚が、自分の体とちゃんとシンクロするんですね。 増山: それはデバイスの性能が大きかったですね。 もともとの性能がよいので、 それをうまくゲームのアプリケーションに 応用することができたということでしょうね。 鈴木: ただ、もちろん、それだけではなく、 ハードのほうからも制御をかけているんですよ。 池田: とても性能のいいデバイスなんですが、 こちらが思ったように動かすためには それなりのチューニングをする必要がありました。 ソフトチームの鈴木たちと打ち合わせを重ねて、 自然に動かすためのチューニングですね。 鈴木: 一番最初の段階では、 「これ、滑らかに動くでしょう!」 と言いながら、上下左右の四方向にしか 動いていなかった、ということもありました(笑)。 谷口: 「動いてないじゃないか!!」ってね(笑)。 |
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──転がるカービィを止めるとき、 奥の方を持ち上げますよね。 そうすると、すぐにピタっと止まらずに、 下敷きの上でパチンコだまを転がすみたいに 慣性が働く。ああいうところも細かく計算されていますね。 鈴木: 物理計算はきちんとやりました。 加速と摩擦は、計算に入っていますよ。 だから氷の上は、摩擦が少なくなっているんです。 すべっちゃうんですね。 谷口: このセンサーというのが非常に敏感なものなんです。 この信号をそのままゲームに使ったら、 手で持っているかぎり ずっと画面がゆらゆらしている、 それくらい敏感なんですよ。 鈴木: ですから見苦しくなくないよう 動きを“なまらせる”必要があったんですよ。 (試作機を見せる) ──うわあ、なにもしてないのにジリジリ動いてますね。 こんなに敏感なものなんですね。 そういうデバイスを制御して、 子供たちが自然に遊べるものにしたというのは やっぱりすごいことだと思うんですが。 カラダで感じるのと同じってことですから。 坂上: 嬉しくもあり、 「もっと驚いてよ〜!」とも思ったり(笑)。 鈴木: 子供が驚かないのが成功、ということなんだと わかってはいるんですけれど。 |
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──でも、驚かせるような仕掛けも いっぱいあるんですよね。 鈴木: ありますよ。たとえば、タイトル画面で、 そのまましばらく待つと、きらきらと 紙ふぶきのようなものが降ってくるとか。 坂上: あと、ポーズをかけると寝ているカービィの絵が 出るんですが、GBを振ると起き上がって、 きょろきょろする。 そういう遊びはけっこう入れているよね。 鈴木: それから、転がす以外のミニゲームを 何種類か入れてあるんです。 |
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坂上: でも商品化に至るまでに いろんな実験もしたよね。 鈴木: たとえば加速度が加わるようなところでは どう作動するんだろう、って、 新幹線の加速と減速の時に実験したり。 電車のなかでは、ブレーキかかると 影響受けますね。 ──寝転がってはできますか? 鈴木: 逆さにすると画面が暗くなってしまうので ゲームとしてはすすめられません。 でも、ちゃんと作動しますよ。 上下左右が逆に認識されて動きますけれど。 最初、ひっくり返したら天井をカービィが行くように したかったんですけどね(笑)。 ──視認性ということでの制約もあるんですか。 鈴木: GBを変えるわけではないので 視認性については前提条件ですから、 「見えにくいかもしれない」ことを凌駕するような ゲームをつくるんだ、という気持ちで やってきましたよ。 谷口: 最初は、取り扱い説明書とか パッケージの注意書きなども いままでのゲームと違うだろうということで かなり相談を重ねたね。 たとえば、振り回してぶつけやしないだろうかとか、 今までのGBのゲームではあまり考えなかったことも 考慮に入れました。 「振り回さない」ためには、 必ず両手で持つようにという注意書きを 入れたんです。 ミニゲームのチキンレースは、 本体を揺さぶることによってエネルギーを貯める わけなんですけれど、そうすると、 片手で振り回すのがいいわけです。 でもそれを防止したかったので ボタンを2つ押さえながら、という条件をつけることで 両手を使わせるようにしたんですね。 鈴木: そういう安全性もずいぶん考えましたね。 谷口: こんなふうに、ハードもソフトも、 宣伝まで含めて一から考えるというのは みんな、初めての経験だったんですよ。 |
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──最後の最後、というのはどうなるんですか? 坂上: デデデ大王を倒して、エンディングですね。 鈴木: 実は、裏面というのもあるんですよ。 各コースに1個ずつ隠されているレッドスターを、 全部集めると、裏面を出すことができるんです。 また、さらに「クリア度」もありますので 100%クリアをめざすと、どうなるかというと…… 坂上: ますます、終わらんやん!(笑) それはやってのお楽しみということでお願いします。 ──(笑)ありがとうございました。 |
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チームで力を合わせてつくった、ということが
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これにて「コロコロカービィ」は終了です。 次回は「マリオテニスGB」が登場する予定ですよ! お楽しみに!! |
2000-11-04-SAT