そんなことを考えながら、ぐずぐずしているうちに
時間がなくなってきちゃって(笑)、
結局、うちの永田がすべてのBGMを作曲することに
なったわけですけれども、
少ないメモリをやりくりして、
きちんと主題歌まで入れてくれました。
そういう面で、内部スタッフの方が
何かとワガママがいいやすいので、
こちらとしては助かります。
基本的には放任主義というか、
各パートの自主自律を重んじる感じでした。
ゲームのどこに、どのように、どんな感じの音を入れるか
という、演出面やプログラム面も含めてやれたので、
ゲームサウンド作成者にありがちな外注意識とか
カヤの外的な意識はあんまり感じませんでしたし。
大作もいいですけど、こういう小さなチーム体制でも
またやってみたいと思います。
(サウンドエンジニア 清水英明さん)
このゲームのサウンドの方向性ということで
最初にディレクターから言われたのが、
・今までの任天堂らしくないものにしてほしい
・ボーカルのあるBGMがほしい
・テクノ系はやめてね
・「Cool」っていうのは格好悪いからやめよう
というのがありました。
それに加えて私個人として
・メロコアは使いたくない
・でもやっぱりゲーム音楽でなくてはいけない
という想いがありました。
とくに、最近よくある、ゲームとは関係なく
音楽をただ垂れ流しするようなゲームにはしたくなかった。
初めの頃は
「音楽は、誰か有名なプロのミュージシャンに頼もう」
という案もあったのですが、
試しに普通の音楽をゲームのBGMとして流してみたら
やっぱり全然面白くないんです。
どっかで鳴っているラジオを聴きながら
ゲームしているみたいだね、ってことになってしまって。
あと心がけたことのひとつは、
「他人の意見を聞かない」(笑)。
「スノーボードはやっぱりメロコアでしょ!!」
みたいな声があって、
そう言われると意地でも使うもんかって思います(笑)。
基本的にあまのじゃくなところがあるんです。
他人に迎合するようなものはいやだ、みたいな。
ものを創るときには情報を
シャットアウトすることも必要ですね。
タイトル画面のBGMで唄っているのは
任天堂社員のデザイナーです。
歌詞も本人が書いているのですが、
あれ、なんて言っているのかわからないですよね(笑)。
「かえれ! そこじゃな〜い!」
って言ってるんとちゃうの?
って言われたりしてますよ。
キャラクターの声なんかも、みんな任天堂の社員ですし。
サウンドにはお金かかってないですね。
まあ今回は
「あっ!」とか「うっ!」とかばっかりでしたから。
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