そうか、なんでもつながるけど、
やっぱりそれだけだと混乱するから
ルールが必要になるんだなあ、とかって学んで。
そういう技術的なことでね、
ネットワークにコンピュータを接続するということ、
データのなかにメッセージをのせて
メールが送れるということ自体が、
ぼくにとっては面白いんですよね。
それは遊びとしても、
いろいろな人のいろいろな遊び方につながって、
きっととても楽しくなると思う。
そういうことをこれからもっと考えてみたいなあ。
ネットワークをつかってゲームするとしたら、
いちばん面白いのはやっぱり、
「ほかの人とコミュニケーションできる」
ことだと思うんです。
それがメールだったり、チャットだったり、
電子掲示板だったり。
それとゲームがどういうふうに結びついていくのか
という部分で、
これといった解がまだ見えていないような気がするんで
そこをちょっと考えてみたいな、と。
オンラインゲームとかもありますけど、まだ、なんか、
とってつけたようなのが多いんじゃないかなぁ。
いや、それでも十分面白いからすごいんだけど(笑)。
「ウルティマオンライン」とか「信長の野望」とかも、
同時にやってる人がいる、ということがおもしろいんで、
正解を見つけるとか、ゲームを進めることとは
関係のない話や雑談をしているのが楽しかったりして、
むしろそっちが本質じゃないかな、って思うから。
ゲームをやるっていうことと、
コミュニケーションをとるっていうことは、
すごく近いところにあるんだろうと思う。
うまくその2つが絡みあっているようなかたちのものが、
面白いんですよね。
それがちゃんと出来たら素敵なことだと思います。
具体的にこれだっていうものが、
ぼくとしてもまだあるわけではないけれど、
いずれは出来たらいいなぁ、と思っています。
ポストペットなんか、すごくいいものだな、って思う。
あれも、たくさんある解のうちのひとつだし、
あれとは違うかたちのものも、きっとあると思うし。
ああいうかたちで考えた人もいるし、
また違うもので何をしようかな、って思う人もいるはずで、
いろいろな人がいろいろなことをしていけばいいんだしね。
これからも、自分たちから表現したいものは
ゲームのかたちで作品として出していくつもりなので、
今はとにかく、
この「ピカチュウげんきでちゅう」を見てほしいなあ、
っていう気持ちです。
自分の口からああだこうだと言うのは
反則のような気がするんで。
言いたいことは作品として出す、そんな感じですかね。
このゲームをつくった人、っていうのがいるんだ、
っていうことさえわかっていてもらえれば、
ぼくらが次のゲームを出したときに、
アンブレラって、以前に、
「ピカチュウげんきでちゅう」を作った人たちよねぇ、
って言ってもらえると思うしね。
そうだったらいいよなぁ、っていうくらいで。
だから覚えといてください、ってことではなくね、
次は次でまた、次の作品で勝負しなくちゃいけないんだし。
まだ、ピカチュウとかポケモンとか、任天堂とか、
名前でぜんぜん負けてると思うんで(笑)、
アンブレラって名前も、
もっとアピールしてかなきゃいけないんですけど。
でも、それは作る人がわかってればいいことかなぁ、
とも思うんで、作る環境にいる人たちがわかっていれば、
ゲームをする子どもたちにとっては
誰が作ったか、どういう会社か、なんてことは
ぜんぜんどうでもよくてね、
ただ買ってきたゲームが面白いかどうか、だから。
アンブレラって何? っていっても、むずかしいですよね。
ただ単に、今いるスタッフに「アンブレラ」っていう
同じラベルをつけているという、ちょっと乱暴な言い方も
出来るわけだから。
アンブレラっていう「実体」があって、
そこに人がいる、ということではないから。
アンブレラ自体、どんどん変わっていくものだと
思っているし、そうありたいなあ、と思っています。
もちろんひとつの会社ではあるんだけど、
他にやりたいことがあったりしたらどんどんやればいい、
自分がいちばんやりたいことをやっていけばいいんです。
スタッフ個人個人がそういう自覚を持ちながら、
仕事するということが会社にとっても大事だし、
もっとやりたいことができる場がよそで見つかったら、
そっちでがんばってほしいなと思うし。
ここでなら自分がやりたいこんなことができそうだ、
と思った人に、アンブレラに入ってきてほしいしね。
大学のサークルみたいな会社に思われたりもしてるけど、
システマティックにものを作っていくって感じだったら、
既存の組織で、十分うまく作れるところがあると思う。
でも、クリエイターはどんどん新しいものを
作っていく必要があるし、
そしたら、プライベートな部分も含めて、
型にはまらずに、自由にやりたいことが出来て、
しかもそれが仕事に生かせるような環境のほうが
いいと、僕は考えていますから。
もちろん、一人ではなく、人と一緒にやる仕事だから、
ある程度はきちっとした型にはまらなければ
出来ない部分もあるし、
そのへんのバランスはまだまだ模索中ですけれど。
ひとつ終わったあとで、
じゃ、次をどうするかって考えたときに、
それぞれの人が自分のベストだと思う選択ができること。
僕自身がある日突然、ひとりにさせてくれ、って
言いだすかもしれないし。
そういうことが実現できる場であってほしい。
マリーガルというパートナーと巡り合えたことは
ものすごく幸運なことだと思います。
でも、この幸運は、自分から行動していたからこそ
出会えた幸運だと思っています。
自分が好きに出来る場所は自分で作らなきゃいけない。
それはものすごく大変なことでもあるんだけど、
いくら大変だとしても十分その価値はあることだと思うし、
ぼくらみたいなやり方が成り立つための基礎としては、
個々の力が、いつでも、ひとりひとりになっても、
どこでもやっていけるよっていうくらいじゃないと、
だめだと思うんですね。
そもそも存在不能じゃないかな。
一人っきりになったとたんに飢えて死んじゃう(笑)
だけの能力だと、つらいよね。
一人でもなんでも出来るし、やっていけるけど、
でもこのひとたちといるともっと違うことが出来るから
アンブレラにいるんだよ、っていうのが
素敵なことなんじゃないかな。
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