「ドンキーコング64」 |
私たちレア社のスタッフが、 ゲームを創るときにいちばん大切にしていることは、 あたりまえかもしれませんが、 どのゲームでも“遊んでみてとにかく楽しめるもの”に 仕上げようと心掛けることです。 楽しいゲームを創ることが レア社の哲学そのものなんですね。 レア社があるのは イギリス内陸部の都市バーミンガムの北東にある "Twycross"という小さな村です。 ものすごい田舎なんですよ。 まわりには牧草地が広がっています。 「その土地でオススメのスポットはなんですか?」と ときどき聞かれるのですが、 牧草地で牛の群れが牧草を食べているのを ゆったりと見ている以外は、 それほどすることはないんですよ。 |
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これといったオススメのスポットがないかわりに、 都会の喧騒から離れたとても静かな環境なので、 インスピレーションを感じたり、 構想をまとめたりするためには 最高の場所だと思いますよ。 そういった静かな村にあるおかげで、 私たちの職場は、ゲームの開発をするのに、 素晴らしい環境にあると思います。 |
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会社内のどの部署をとってみても、 多くの才能とクリエイティビティをもった スタッフが集まっていると思います。 優れたクリエィティビティは 社内の各部署に連鎖的に広まっていて、 スタッフのみんなが、多くの人に楽しんでもらえる ヒットゲームを開発したいと思っています。 静かな村でのどかにゲーム開発をしているかというと、 そういうことでもありません。 みんながいいゲームを創りたいと思うからこそ、 レア社はスタッフ間の競争意識が 非常に高い職場でもあるんですよ。 どの開発チームもヒット作を作ろうと しのぎを削っています。 独創性といい意味での競争意識があることが レア社をすばらしい職場にしているんでしょうね。 ちょっとホメすぎかな(笑)。 「ドンキーコング64」の開発が終わった今、 これから先の計画はとくに決まっていませんが、 ドンキーコング以外のゲームもぜひ作ってみたいですね。 近いうちにまた別の作品に取り掛かることになりそうです。 いいゲームを創り続けることが私たちの仕事ですからね。 |
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レア社のスタッフである私が、 ゲーム業界で働こうと思ったきっかけは、 いちばん最初にやったゲームにあるかもしれません。 初めてプレイしたテレビゲームが 「スペースインベーダー」だったんですね。 初めて遊んだゲームが「スペースインベーダー」だという 人ってけっこういるんじゃないでしょうか。 そういうわけで、子供の頃にゲームを好きになって、 多くの人達と同じだと思うのですが、 ずっとテレビゲームで遊んでいましたね。 そのうち、いつの日か自分の手で ゲームを作れればいいなと しょっちゅう夢見るようになっていました。 人生の多くのことと同じで、 もし自分が何かを欲しいとか、 こういうことをしてみたいと心底望めば それを実現する道は見つかるのではないでしょうか。 私はテレビゲーム制作に携わりたいと強く思いつづけて、 どういう形であれゲーム業界に関わっていたいという 一心だけで、やれることは何でもやってきました。 その結果、今こうしてテレビゲームの創作に より深く関わるチャンスを手にすることができたのです。 |
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日本で作られたゲームでもよく遊びますよ。 私は多くの日本のゲームの趣向や構成が気に入ってます。 どのゲームがいちばん好きかというと……、 好きなゲームがものすごく多いので、 とても全部はあげきれませんよ。 今回は、私が働いているレア社について お話してきましたが、個人的な希望として、 こんどは、ぜひ、任天堂を見学してみたいですね。 実はまだ行ったことがないんですよ。 京都という歴史ある有名な街にあるんですよね。 任天堂のスタッフがどのようにして ゲームを開発しているのか、この目で見てみたいし、 スタッフといろいろ話をしてみたいですね。 |
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宮本茂プロデューサーに会えるといいなぁ。 ゲーム業界のいたるところで 宮本氏の非常にいい評判を耳にしますからね。 なんでイギリスで働いているスタッフが 宮本氏の評判を耳にするかというと、 その理由はとても簡単なことなんです。 彼はみんなが楽しめる不朽の名作を これまでいくつも手がけてきたからですね。 レア社のスタッフはみんな 彼の才能、ゲーム創りへの姿勢、 そして彼のもっているビジョンをすごく尊敬しています。 宮本氏が次世代ゲーム機「ドルフィン(仮称)」のために どんなゲームを開発しているのかはわかりませんが、 それがどんなゲームであれ、非常に楽しめるものに 仕上がると確信しています。 きっとすごいゲームができるんですよ。 (註:「ドルフィン(仮称)」とは、 「Nintendo64」の次世代機に相当するゲーム機。 現在開発中です)。 |
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日本でもドンキーコングシリーズは 本当に人気がありますね。 「ドンキーコング64」も好評で、 スタッフの努力が報われてうれしいです。 レア社で製作したスーパードンキーコングシリーズも含め、 日本での大ヒットを見ても、 「ドンキーコングは名作ゲームの主役をはってきた 素晴らしいゲームキャラクターである」と、 世界の人々が思ってくれていることを感じます。 私たちレア社スタッフ一同は、 ドンキーコングシリーズの日本での これまでの成功をとてもうれしく思っていますよ。 |
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開発チームが楽しみながら 「ドンキーコング64」を作ったように、 日本のすべてのドンキーコングファンが 「ドンキーコング64」を楽しく遊んでくれたらと レア社スタッフ一同で願っています。 またいつか、ほぼ日のこのコーナーで お会いできるかもしれませんね。 そのときは、また自信作を紹介しますよ。 |
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レア社スタッフへの直撃インタビュー、 いかがでしたでしょうか? 「ドンキーコング64」をプレイするときに 開発スタッフの姿を想像したりすると、 スタッフのアイデアや工夫が ゲームのあちこちに見えるかもしれませんね。 さて、3回にわたって掲載してきた 「ドンキーコング64」の記事は今回が最終回です。 次回からはまた別なゲームの話題が登場しますよ。 お楽しみに! |
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(C)1999 Nintendo. Game by Rare. Rareware logo is a trademark of Rare. (C)1994 Nintendo. |
2000-1-13-THU