YAMADA
『糸井重里のおいしい
 野菜つくっちゃいました』

というテレビ番組をつくっちゃいました。

『糸井重里のおいしい野菜つくっちゃいました』
 8月8日(日)NHK総合テレビ
 午前6:15〜6:50オンエア


番組の作り手というより
野菜の作り手として
目からうろこが落ちた

8月8日、日曜日、NHK総合テレビで
午前6時15分
という
とんでもなく朝早い時間に始まる番組
『糸井重里のおいしい野菜をつくっちゃいました』
今まで書籍で読むか
直接、永田先生に教えを請わないと
知ることが出来なかった
永田農法による野菜作りを
イラストレーターのこぐれひでこさん
女優の小泉今日子さんをはじめとした
野菜作りの素人がチャレンジするようすを
映像ドキュメントとしてお伝えする番組です。


浜松の永田農園で作業中の
こぐれひでこさんと小泉今日子さん


この番組のプロデューサーである
NHKエンタープライズの諏訪雄一さんは
「番組の作り手としてよりも
 まずは野菜の作り手として」

この番組にどんどんのめりこんでいったといいます。
8日のオンエアに向けて
編集作業中の諏訪さんにお話をうかがってきました。


NHKエンタープライズ諏訪雄一さん

ほぼ日 番組の企画は諏訪さんという
プロデューサーが現れたことで
大きく動きだしたという印象があります。
この番組にかかわるきっかけというのは
どういうことだったのですか。
諏訪 元々、10年以上前から
趣味で家庭菜園をずっとやってたんです。
永田先生の本は1年くらい前に本屋でみつけて
それ以来、知識として
「永田農法は面白そうだな」というくらいの
イメージだったのですが
たまたま社内の企画提案会議の場で
部長から
「糸井重里さんと
 永田農法の野菜の育て方を
 収録した番組を製作する」
という企画があるということを聞いて
それはぜひ、自分がやりたいと思ったんです。
実は会社でも家庭菜園を
やっているということは言ってなかったし
部長も知らなかったので
すぐに部長宛にメールを書いて
「実は家庭菜園もやってます
 ホームページも作るほど入れ込んでます」

と書いたんです。
ほぼ日 家庭菜園のホームページまで
作っているんですか?
諏訪 ええ、この番組に関わり始めてからは
更新は滞ってますけどね。
高尾山の山麓に
テニスコート大の家庭菜園があります。
畑仕事をしながら
都心の会社まで1時間半かけて
通勤していたわけです。
永田先生の農法を自分でも
一度試してみたいと思っていた所であること、
まさに千載一遇のチャンスというか
「ぜひ、自分にもこの番組を
 いずれやらせてください」
ということをメールしたんです。
すでにこの番組には担当者がいましたし
『地球大進化』という番組もやってましたし、

編集部註:『地球大進化』
地球46億年の大変動の歴史を
最新の科学と映像技術を駆使して描く
超骨太な番組。諏訪さんはこの番組の
プロデューサでもある。
次回は9月25日(土)放送。
  そうしたら部長から
「いずれどころか、すぐに専任にする」
という話になって
ぼくが担当することになったんです。
ほぼ日 そこから一気に番組収録に
突入していったわけですが
永田農法については本の知識だけだったんですか?
諏訪 ええ。
今、●●農法という名前で
いろんな農法があるんですね。
完全有機でやる農法だとか
いろんな本があるので
いろんな農法の中のひとつだな
というとらえ方でした。
いろんな農法については勉強をしてたんで
特別に永田農法を知ってた
ということではなかったです。

ほぼ日 もしかして、
永田農法については知識はもたれてたけど
永田農法で作られた野菜は
食べたことが無かったとか?
諏訪 ええ。正直言うと、
番組の打合せをしている時も
みなさんから
「永田農法の野菜はおいしい、おいしい」
と、聞かされて、
うちの部長からも
「諏訪、とにかく
 タマネギとかピーマンとか
 全然、味が違うんだよ」

とは言われてたけど
自分で10年間畑を作ってましたし
新鮮な野菜も食べてたし、
人にあげてもすごく喜ばれてたわけですよ。
ほぼ日 自分が作るものには
それなりに自信があったんですね。
諏訪 ええ。自信がありました。
間違いなく、
とりたて新鮮な野菜はおいしさが違いますから。
「永田先生の野菜はおいしい、おいしい」
というけど、
それは新鮮な野菜だからおいしいのであって
それにちょっと毛が生えたといえば
言いすぎだけど
「糖度が高いとか」「甘味がある」
という程度かなと思ってました。
だから番組制作者というより
野菜の作り手としても
自分の舌でも確かめたかった。
だから初めて永田先生の野菜を食べたのは
番組の打合せのために
永田先生の浜松にあるご自宅に
伺ったときなんです。


バジルを植えるこぐれさんと小泉今日子さん
ほぼ日 2ヶ月前ですね。
確か、遅刻して来られましたよね。
諏訪 初めて永田先生のお会いするという時に
新幹線に乗り遅れたんですよ。
他のスタッフは
すでにご自宅から離れた所にある
タマネギ畑を視察されてて
そこに遅れて合流したんです。
そこで永田先生が
「タマネギの葉っぱを食べてください」
と渡されたときに
匂いに全然タマネギ特有の辛さがないじゃないですか。
ネギなのにむしろ甘い香りがして。
タマネギを剥いたらてかてかの紫色の
甘味がありそうで
かぶりつきたくなるようなタマネギだったんで
自然とかぶりついちゃったんですね。
ほぼ日 諏訪さんが遅れて現場にくるなりに
タマネギを剥きだして、
生でかぶりついた時には
スタッフ全員びっくりしました。

編集部註:
darlingは諏訪さんが
生タマネギをかじり終わった頃に
ようやく永田先生に
「この人が今回の番組のプロデューサーです」
と紹介したのでした。
諏訪 ホントに梨みたいなタマネギでした。
水分といいシャキシャキ感といい。
辛みもなくてほのかな甘味がある。
それが衝撃的な出会いだったんです。



その後に飲んだトマトジュースは
飲んだ瞬間に
「なんだこれは!」と
怒りたくなるくらいに衝撃的でした。

葉物もいろいろ食べさせていただきましたけど
自分が今まで作ってきた自負があったんですが
どれを食べても
とにかく衝撃的だったんですね。



今でも覚えてるんですけど
家庭菜園を始めた頃、
インゲンを一番最初に収穫したんです。
収穫してすぐに茹でて食べたら
「何これ!」っていうくらいに旨かった。
これがショックで。
つまり、自分が今まで食べてたものって
なんだったんだろうって思うくらいに
新鮮な野菜の味というものにショックをうけて。
その時に
「野菜ほど、うまいものとまずいものの
 差がある食品はないんじゃないか」
と思ったんですね。
それから10年間自分でいろんなやり方を試してみて
自分なりにおいしい野菜が作れるようになった時に
永田先生と出会ったんですね。
ほぼ日 諏訪さんが永田先生から受けた
その衝撃はオープニングで
小学生がタマネギをまるかじりするシーンにも
象徴されてますよね。


みんなでタマネギを丸かじりしてみました
諏訪 そうですね。
子供はタマネギとかピーマンとか
嫌いじゃないですか。
その子供達が「旨い!」とかいいながら
生かじりしている姿は衝撃的ですよ。
さらに衝撃的なのは
その育て方のほうなんです。

  つづきます!

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2004-08-03-TUE


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