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第4回 オトナの基本用語:その4 ■■■
なにしろ、届くメールの文体が異質である。
ふつう、こういったウェブサイトに届くメールは
「こんにちは!」などといった
非常にポジティブな挨拶から始まるのが常であるが、
当コーナーに寄せられるメールにおいては
「表記の件、下記内容にてご連絡いたします。」
などと書き始められていたりする。
また、コンテンツへの感想よりも投稿のほうが
これほど多いこともまれである。
オフィスでがんばる諸先輩方、
いつもお世話になっております。
社会に飛び交う謎のオトナ語を解説する当コーナー、
本日も企画段階からすり合わせながら
そういう意味では、えいやでお送りする。
どうやら全国のオフィスで小ブームのようであり、
ぜひともご同僚の方とシェアしていただきたい。
今日が終われば楽しい週末。
来週頭のケツのことは忘れてがんばろう。
合い言葉は「なるはや? デフォルト? 取り急ぎ?」
謎めいたオトナ語を叡智の光で照らし、
そういう意味では、体調不良もぶっ飛ばす。
お昼の楽しみ、「オトナ語の謎」。
良いか悪いかはべつにして、おしりまでよろしくどうぞ。
(提供者:YUMI)
■主導権をにぎる。場を統率していく。
なんでまたそんな言い回しをするかは謎である。
オトナはそれを握ることもあるし、とりあうこともある。
(提供者:ニューバランス)
■「わたしとしてはやりたいんですけど」という
ニュアンスを含ませつつ「無理です」と告げる、
じつにオトナ語らしいオトナ語。
なにしろ物理的な問題だからしかたないよな。
(提供者:しゃんしゃん)
■「ご相談があるのですが……」と使う場合は
お願いがあります、という意味。
上司がわざわざあなたの机まできて
「ちょっと相談。」と短く言ったらそれは命令。
(提供者:YOSHIMI)
■先方とのあいだに交換条件が成り立っている状態。
「バーターじゃなかったら意味ないじゃん!」
意外に知らない、いまさら聞けない、それがバーター。
(提供者:うしろまえ)
■予定より早めにこなすことであり、
それが連鎖状態になってどんどん早くなると
「前倒し前倒しで進めましょう」というふうになる。
(提供者:ぴ〜かん)
■机上の空論に飽き飽きした体育会系の男が叫ぶ。
「もうあとは現場対応でいきましょう!」
(提供者:マキコ)
■さまざまな言葉を頭につけて大活躍する言葉。
現場レベル。当事者レベル。経営者レベル。
多くの場合、後ろに「の話」と続く。
(提供者:みさお)
■もとは麻雀用語であり、「アガる一歩手前」を指すが、
どうしたわけか日本社会においては
忙しくて余裕がなくなって
近寄りがたくなっている状態のことを指す。
そういやリャンメンとかトイメンとか、
麻雀用語もけっこう多いなあ。
(提供者:S_SAN)
■パソコンを起動するときなどにも使うが、
たいていは「企画を立ち上げる」と使う。
「立ち上げ」と名詞扱いすることもあり。
「企画」は「立ち上げる」ものだとおぼえておこう。
(提供者:+aq、こばきち)
■「立ち上げ」た企画がどうなるかというと、
これがなんと「走る」のである。
びっくり人間大集合の巻である。
(提供者:じんじろ)
■「立ち上げ」た企画が「走った」あとで
うまくいかない場合は、「ポシャる」のである。
つまり、立ち上がる→走る→ポシャる。
謎めいている。ああ、謎めいている。
(提供者:あや)
■その会社が新人のころから採用した生え抜きの社員。
つまり、ヨシノブはプロパーだが
キヨハラはプロパーではないということになる。
なぜか「さん」づけされることも多いが、
けっこうマヌケな呼び名である。プロパーさん。
(提供者:ぐっつー)
■響きは似ているがプロパーとはまったく関係がないし、
生まれもってのクセ毛のことでもない。
つまりそれは「10パーセント」のことであるが、
問題はなぜ略すのかということよりも、
なぜ「10」だけが英語扱いなのかということだろう。
「いっパー」「にパー」「ごパー」ときて、
なぜに「10」だけ「テンパー」なのだ。
(提供者:ジキルとハイド)
■こっそり、と意味は似ているが、微妙に違う。
「伝票なんて、しれっと出しときゃわかりゃしないよ」
「昨日あいつ、一次会で、しれっと帰っただろ?」
あっ、「ずるがしこさ」が含まれているのか!
(提供者:aihara)
■眠気が晴れて気分がよくなることではなく、
ごちゃごちゃしたものを
わかりやすくしたいときに使う。
「このへんもうちょっとスキッとさせようよ」
(提供者:ももお)
■すっごく近いうちに、ということ。
「きんきんにおうかがいします」。
(提供者:むらたん)
■プラスマイナスゼロ、の状態。
「きんきんにとんとんにします」
(提供者:こばきち、らぴゅ太)
■一生懸命やってて、余裕のない様。
「きんきんにとんとんにしたいのですが
カツカツなんですよ」
(提供者:nanana)
■最新の、という意味で使う。
「きんきんにとんとんにしたいのですが
カツカツだというのがいまいまの状態です」
(提供者:とてか)
■消費税も手数料も運賃も
とにかく全部ひっくるめて、ということ。
「きんきんにとんとんにしたいのですが
カツカツだというのがいまいまの状態でして
やっぱりコミコミだと厳しいですねえ」
(提供者:soulsis)
■無理を承知のうえで無理矢理にやる様子。
「きんきんにとんとんにしたいのですが
カツカツだというのがいまいまの状態でして
コミコミだから無理無理やるしかないかと」
ああ、もう、なにがなんだか。
(提供者:ナツ)
■オトナはなぜか会社名に「さん」をつけてしまうのだ!
ソニーさんに、松下さんに、電通さんに、NTTさん。
みんな、み〜んな、おともだちなのさ!
(提供者:うず)
■要するに、それを商売とする人のことなのだが、
八百屋さんや魚屋さんというふうに使うわけではなく、
工事屋さん、携帯屋さん、コピー機屋さんというふうに使う。
やっぱり、話をわざとややこしくしようとしてませんか?
(提供者:さいこ)
■「担当のモノと代わります」「代理のモノですが」
「社内のモノがおりますので」そいつらは何モノなのだ?
(提供者:うのっち)
■ペラっとした紙一枚だから、「ペラいち」。
「それまとめといてよ、ペラいちでいいから」
ちなみに「FAXペラいちで送ってください」といえば
「送付書は必要ありません」ということだぞ。
「ペラいち」は意外に役立ってる言葉なんだ。馬鹿にするな。
(提供者:ぷちこ、わた、H)
■あとになって組み合わせること。
「じゃあ、各自進めておいて、
あとでガッチャンコしましょうか?」
というふうに使うわけだが、
それにしても、ガッチャンコとは……。
『ペラいちくんとガッチャンコちゃん』
という児童絵本があったらぜひ読んでみたい。
(提供者:rosso)
■いややわ、ほんま、なにをおっしゃいますやら!
関西に限らず、細々と生き残っている言葉である。
(提供者:ゆりまる、ともち)
■冷静に考えればどうにもおかしい言葉だが、
オトナは冷静に考えたりしないものだ。
直訳するとおかしな英語になりそうである。
(提供者:佐藤)
■絶対にうちが悪いわけではないし、
あなたが悪いのだとしても
あなたが悪いとは言えないし、
でも無理なものは無理だし、という背景を持ちつつ
「誰が悪いっていうんじゃないんだけどさあ……」
そう口にする人の脳裏には、そのとき高い確率で
悪いと思っているヤツの顔が思い浮かんでいるという。
(提供者:松尾)
■いいのかよ! よくないのかよ! どっちなんだよ!
まあ、こう言われたらダメってことだ。
(提供者:とてか)
■茶目っ気たっぷりな印象があるが、要するに、謝罪である。
「とにかくぎりぎりまで練り直して、
それでダメならゴメンナサイするしかないよね?」
(提供者:ほみ、ほか多数)
■営業マンなどが、非常に軽い相づちのようにして使う。
「あ、なるほどですね、それじゃ、こうしましょうか」
(提供者:さと)
■以前、上司が部下を「先生」呼ばわりすることは書いた。
それがさらにパワーアップすると「大先生」となるのだ。
「よろしく頼むよぉ、大先生〜」
(提供者:さちえ、kojima、ヤスダ)
■オトナの言葉に文法を求めてはダメだ!
意味を求めたりするより、感じるんだ!
辞書をひくんじゃなくて、感じるんだ!
(提供者:ゆりっぺ)
■前回説明した「火を噴く」ようなことに陥った場合、
急遽結成されるのが「火消し部隊」である。
(提供者:mami)
■「宇宙人の主語は「我々」である!」
と言ったのは糸井重里氏であるが、
宇宙人以外に「我々」を主語とする人がいた!
それが、社会人である。
(提供者:まゐこ)
■といっても、ほんとに、質問をほめているわけではなく、
「その質問には答えが用意してある」ということで
先方はニヤニヤしているのである。
(提供者:sunao)
■会議でそんなふうに言われたとしても喜んではいけない。
それは「あ、ありがとね」くらいの相づちにすぎない。
(提供者:目白亭酔狂)
■いや、もう、ほとんどOKっていう「世界」なんですけどね、
ちょっと、どうにもならない「世界」があって。
……いろんな世界があるものである。
(提供者:いのうえ)
■フォー・ユア・インフォメーション!!!
ゴサンコウ・マデニ!!
そんなわけで、本日はこれにて失礼いたします。
まだまだメールは募集しておりますので
今後も下のアドレスにじゃんじゃん送ってください。
いただいたメールはこちらでガッチャンコいたします。
それでは、良い週末を。 |