■■■
第11回 オトナの基本用語:その11 ■■■
強い共感を覚えたため、
このページを知り合いに伝えてくださる方が
数多くいらっしゃる。ありがたいことである。
そのようにして、当コーナーは
依然、盛況を保っているわけであるが、先日、
「昔の同僚などを含めて約50人にメールしました」
という方がいらっしゃって、さすがに驚いた。
はじめての方も、常連のみなさまも、
お昼のひとときを楽しんでいただければ幸いです。
「勤務時間が楽しくなりました」とか
「今週もオトナ語探しがんばります」とか
「就職活動中なのでほんとうに役立っています」とか
思いもかけない反響をお知らせいただき、
意義深い場所であることを痛感しております。
全国のオフィスでがんばる諸先輩方、
お世話になっております。
たとえあなたと私が初対面でも
お世話になっております。
たとえあなたが元気いっぱいでも
お疲れさまです。
たとえあなたと会ったのが深夜でも
おはようございます。
どなた様か知りませんが
お世話様です。
社会に飛び交う謎めいたオトナ語を紹介する当コーナー、
上司がかけている電話の声に
聞き耳をたてる社員が増えたことでも知られています。
合い言葉は「なるはや? 朝イチ? たたき台?」
謎めいたオトナ語を叡智の光で照らせ。
引き出しに溜まった領収書の束を吹き飛ばす一陣の風、
それがすなわち「オトナ語の謎」
マストかウォントかとかみつく相手をケアしつつ、
酒の席での話をヒアリングしながら、
手前どものにんげんが参上いたします。
暫定的にウチがもちますので
再三再四、おしりまでご笑覧くださいませ。
(提供者:nyamp)
■「クリアーする」だと達成することであり、
「クリアーにする」だと一掃することになる。
「問題をクリアーしました」と
「問題をクリアーにしました」では
進行状況に雲泥の差があるため注意しよう。
(提供者:大狸の女房)
■へりくだりながらも、
オトナはいろんなものをもらうのだ。
お名前を頂戴したり、
お休みを頂戴したり、
ご意見を頂戴したり、
お名刺を頂戴したり、
お仕事を頂戴したり……。
オトナはチョーダイする生き物なのである。
(提供者:もどき)
■ローカルな言葉かしらと思っていたら、
けっこう同じ投稿があったので掲載。
オリテル! それは「折り返しTELする」の略!
ヨロタム(=よろしくたのむ)もあったけど
それは却下させていただく。
(提供者:tono)
■あるものに、もうひとつべつのものが
セットになっていること。
多くの場合、相手が喜ぶものと、
喜ばないものがセットになっており、
「片方だけでいいんだけどなあ」と思いつつ
オトナは両方頂戴することになる。
(提供者:む)
■秘めたる潜在能力のこと。
「彼のポテンシャルはこんなもんじゃないと思う」
「商品としてのポテンシャルは高いんですけどね」
まだまだこれからですよ、
見捨てないでくださいよ、という意見に
説得力を持たせるときに重宝する。
(提供者:maiko)
■電気が通っていないこと。
使い物にならないこと。
ひどく疲れていること。
「この配線、死んでるわ」
「そのハードディスク、死んでます」
「坂本さんは昼出社です。例の件で死んでましたから」
(提供者:ひっきー)
■オトナの世界で「発生する」ものといえば、
有毒ガスでもイナゴでもにわかファンでもなく、
「料金」である。たまに事件やアクシデントも発生するが、
おおむね発生するのは各種の「料金」である。
(提供者:Ron)
■地理的な方向を示すことよりも、
だいたい「そういったこと」といった、
曖昧な領域、分野を指すことが多い。
「いや、そっち方面はどうも苦手でして」
「あっち方面には縁がなくて」
む、「あっち」や「そっち」をつけると、
とたんにオヤジくさくなることに気づいた。
(提供者:エリ)
■打開策なく、黙りこくってしまった会議室の面々。
このままじゃ時間の無駄だし、
なによりオレサマが拘束されっぱなしだ。
そんなときは、必殺の切り出し文句!
「いずれにしても……」
場を丸くおさめるオトナムード、いっちょあがり!
むろん、根本的な解決にはいたらない。
(提供者:OKKO)
■打開策なく、黙りこくってしまった会議室の面々。
このままじゃ時間の無駄だし、
なによりアタクシが拘束されっぱなしじゃないの。
そんなときは、必殺のまとめ文句!
「……ということにしときましょうか」
うやむやのうちに「そうですな」といった雰囲気で
書類をまとめてトントンとそろえる沈黙の面々。
結論はなにひとつ出ちゃいないが、しゅーりょー!
むろん、根本的な解決にはいたらない。
(提供者:mai)
■「あい見積もり」の略であり、
複数の業者から見積もりをもらって比較すること。
つまり、相撲取りの前まわしを
両手でつかむことではなく、
百歩譲って相撲の話をするにしても、
それは「まえみつ」ではないだろうか。
(提供者:あけがた)
■かあさん、ソースはどこだい?
冷蔵庫のなかですよ、という話ではなく、
「情報のでどころはどこですか?」
という意味なのです。
(提供者:ゴン)
■「あとで」「のちほど」という意味を持つことから
物事を先送りしがちなオトナが頻繁に用いる。
「その件につきましては、別途、打ち合わせして」
「交通費のほうは、別途、支給いたします」
「具体的な金額は、別途、お知らせいたしますので」
なにしろ「べっと」という言葉の響きが独特であり、
なんだかちょっとカワイイとすら思える。べっと。
(提供者:Cazy3)
■仮に、今日注文したとして、納期はいつごろに?
仮に、入場者が1万人を超えたとして、
人員はこれで足りますか?
仮に、弊社が倒産したとして、御社は平気ですか?
仮に、宝くじが当たったとして……。
仮に、これが夢だとして……。
仮に、ドラえもんがいたとして……。
オトナは時に夢見がちである。
(提供者:ミホ)
■相手の意見を否定しながらも礼儀を保ちたいとき、
オトナはそんなふうに切り出すのだ。
最終的な意見は違うけど、
アナタとワタシはずっと友だちなのだ。
(提供者:池田)
■相手の意見を否定しながらも礼儀を保ちたいのだが、
あまりにも相手が納得しないので
礼儀がおろそかになってくるとき、
オトナはこんなふうに切り出してしまっている。
最終的にアナタとワタシが友だちであるかどうかより、
とにかくここは否定しておかなければならないのだ。
(提供者:井久美)
■このように前置きして話を切り出すと、
相手は「みんな知ってることなら知ってなきゃ」
というふうに感じるため、
話をおとなしく聞いてもらえるのだという。
オトナ語とは、まさに先人の叡智である。
(提供者:くろ)
■この切り出しから続く言葉は
「拒否できない命令」と受け取ってかまわない。
すなわち、「悪いんだけど」と言われた人は
すでに死んでいる。
(提供者:のっち)
■めずらしく、これは「かっこいいオトナ語」として
投稿していただいた。
「では、結論が出ましたら、私にください」
「僕がやっときますんで、ください」
火中の栗は私が拾いますよ、という男気。
責任もって引き受けますよ、という意思表明。
むろん「シャーペンの芯、ください」とは
意味合いが違う。
(提供者:jiji)
■でた! 「ナベ」に続く、オトナの呼び名。
それは、鈴木さんを称して「すうさん」。
学生時代には決してそう呼ばれなかったとの
報告あり。たしかにそんな気もします。
あいかわらず曖昧な話で恐縮です。
(提供者:りかりーな、あけがた)
■鈴木シリーズ第2弾!
社会人になると、鈴木姓の人は
フルネームか「スズ○○」という
名字と名前の略称で呼ばれがち!
曖昧な話で恐縮です。
(提供者:りかりーな、クニコン)
■鈴木シリーズ第3弾!
電話をかけてきた人が
「鈴木さんはいらっしゃいますか?」
と言ってきたときに返す言葉。
「恐れ入りますが、部内に鈴木は3人おりまして……」
さらにそれに応える言葉として
「女性の鈴木さん」「メガネをかけた鈴木さん」
などが登場するという。曖昧な話ですいません。
本日はこのあたりで失礼させていただきます。
みなさまからのメールをお待ちしております。
連載も回を重ね、メールする際に、
「これはいままでに出たかも?」
と悩む人も多いかと思います。
お気になさらず投稿してください。
それでは明日もよろしくどうぞ。 |